飲み合わせに注意 下剤効果も半減
あと三週間で今年もおしまいなんて、なんだか信じられないくらいあっという間。 最近blogはあっという間…を連呼しているような気がする。 今週は「あっという間」より「急」が世の中を駆け巡ったような。 いまだに何がどうなっているのか理解できないお隣り韓国の戒厳令も恥ずかしながら、翌日夜に知った。ミポリンの急逝も当日夜に知り…。初め、私も呑気に何かのドラマか映画で評価されて話題になっているのかと思っていたくらい、余りに急…。 そんな一週間。
本日も、温めているイリョウネタとは別に、最近外来やっていて気になることをさらっと話題に。「胸やけ」「胃の不調」で処方されるケースの多い「酸分泌抑制薬」と「便秘薬マグミット」の飲み合わせの話を。「胸やけ」「胃の不調」と「便秘」の組み合わせは特に高齢者にありがちな愁訴。 シナリオはこんな感じ…。骨粗鬆症等で背中が曲がりがちなおばあちゃん。間違いなく逆流性食道炎ありそう。ついでに便秘も併発。おまけに血圧はじめそのほか諸々疾患あり。 こういった多く見られるケース。整形外科に、内科も総合病院と近隣のクリニック…通う医療機関も複数にのぼる。 と、おばあちゃんも「どうですか?」なんて質問されると「胃の調子が悪くて」とか「便がでない…」 実際困ってもいるし、言いやすい症状を担当医に告げる。と、担当医も胃酸分泌抑制薬やマグミット等便秘薬は専門外でも処方もしやすい。簡単にメインの薬に付け足すように処方されがち。これが一番有りがちなケース。 そもそも便秘薬のマグミットは、胃酸と化学反応起こすと塩化マグネシウムとなり、これが腸内で重炭酸と反応。これが腸管内への水分滲出を誘導し緩下効果が現れる。したがって,胃酸分泌抑制薬服用で胃の中での反応が低下するため,下剤の作用が減弱すると考えられる。 当然の如く、マグミットが効かない…となれば、またこれに加えて、相談受けた医療機関の担当医が新たな便秘薬処方。 これが有りがちなケース。 多医療機関にかかっているとこういうことは起きやすいし、私ですら、診療の終わり際、上記相談を受けると、簡単に処方しがちでよほど気をつけていないと、頭でわかってはいても…やりがち。 他医療機関でマグミット、あるいは胃酸分泌抑制薬出ているのに、気がつかず処方…。 高齢者の25%が7種以上服用のポリファーマシー該当者と言われるけど、こういった事象もポリファーマシーに拍車をかけるのでしょうね。 このようなありがちな薬の飲み合わせ、気をつけてくださいね。 若い女性でも、マグミットはドラッグストアでも購入できるから 医療機関でネキシウム、ランソプラゾール、オメプラゾンとか処方受けながら、マグミット購入…。とかね。 因みに「胃酸分泌抑制薬」と「鎮痛剤」「抗生剤」組み合わせと腎障害の問題。或は以前も書いたけど胃酸分泌抑制薬長期服用で腸内細菌のバランスがかわる… 言い薬だけど、両刃の剣ね。 最近、ちょっと気になる薬の飲み合わせのお話しでした。 こんばんは冷えますね。 体調管理しつつ、年末に向けてもう一息。