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お盆の頃のキャンピロバクター腸炎 そして日記

[2024.08.11]

お盆休み突入! オリンピックも終盤、そんなさなかに地震があったり、連日の暑さに加えて記憶に残りそうな今年の夏。  クリニックは今日も診療。手伝ってくれる仲間とほそぼそ営業していたんだけど、意外に電話問い合わせ多し。元々の予約患者さんもいたから急患で診察できる限度もあり、結局10時頃には予約枠一杯でお断りせざるを得ず、すみません。  今日も含めここ数日、消化器科ということもあってか、がぜん「腹痛、下痢」の患者さんが多い。問診すると一週間以内に焼鳥食べたっていう人が多い。この数日の人は結果未着だけど、5月以降、症状強くて培養検査実施した患者さんの結果で一番多いのがキャンピロバクター。 貝が原因のことが多いビブレオでも、病原性大腸菌でもない。そして、暑い夏、お祭りや友達との外食?のせいか、若者に多い傾向。「下痢が止まらなーい」って来院される高齢者は比較的少ない。そもそもちゃんと食べているのかしら? キャンピロバクターの下痢は水様で回数も多いから、堪えきれない若者は下痢止めの処方を希望、あるいは食べると出るから「点滴…」という人も多いけど…。漢方の考え方にもあるように、下痢も嘔吐もついでに咳も基本的には身体の悪いものを出そうとする生体の防御反応。無理に止めると症状が長引いちゃう。水飲んでも出る…というけど、それでも出したほうがいい。点滴は、よほど脱水に傾いた高齢者とかは別だけど、特に若者は経口摂取で十分。抗生剤は私は処方しない。必要な腸内細菌もやっつけちゃうから。むしろ下痢でバランス崩した腸内細菌を補ってあげる意味で整腸剤は処方。乳酸菌やビフィズス菌製剤も良いけど私は酪酸菌製剤を処方することが多い。この整腸剤が作り出す酪酸が腸の粘膜の修復を促してくれる働きがあるから。あとは似たように腸管粘膜の修復作用があることがわかっている漢方を処方したり。ひとりひとり、こういった話をしながら「無理して食べなくても水分しっかりとって…回復するには4~5日はかかるかな?」薬飲んでも明日からすぐにぱっと良くはならないことを話して帰宅させる。でも見立てが違い、時に別の腸疾患の走りの症状のこともあるから「良くならない時はまた来てね」 そんなかんじ。 今年は今日も含め、ここのところ多い患者さん。

そして…雑感日記。「今年初盆で…」来院される患者さんの口にする言葉に多く聞く。 毎年この時期耳にするけど、血圧を測りながら、或は聴診器を当て終わった瞬間、ポソッと口にされる…。故人が脳裏に浮かぶのだろう…。静かな空気…。  同居のわが父も92歳。 ちょっとここのところ父の認知機能含めた体調に変化あり。近い将来、きっと私も目の前の患者さんと同じ時を迎えざるを得ないだろう。共有する沈黙の空気の中、私によぎる予感と覚悟。 昨年のお盆の時期にはなかった心の風景。こういった初盆迎える前、今を辛うじて生きる父に私ができることは?…模索は続く。

 

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