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インフル質問表と日常会話式認知機能評価

[2020.11.08]

先週からスーパーマーケットではクリスマスの音楽が流れだし、年賀状の印刷の早割案内が届いたり…早くも年の瀬を意識せざるを得なくなりました。

クリニックは、発熱患者さん対応を打ち出しては見たものの、今週は静かな一週間。風邪引きさん自体も少なくて「検診ので異常を指摘された」とか、あとはただただインフルエンザ予防接種希望者。これだけ接種率が上がり、コロナ恐さからのマスクに手荒い予防に勤めれば、かなりインフルエンザの罹患は押さえられるのかもしれませんね。

今日はインフルエンザにまつわり「問診票」から感じたことをちょっと。インフルエンザ接種前に書く、あの質問表。普通、成人にはごく簡単なものだろうけど、高齢者にとっては、認知症の走りを予感させるものなのでは?と、先週のある日、私は感じました。今年は65歳以上の方は無料だから、特に高齢者がいらっしゃることが昨年にも増して多い。ほぼほぼ健康でうちには風邪引いた時とこの予防接種と年に数回しかいらっしゃらない患者さん…「できました!」と言われ目を落とすと、途中で書くのをやめてしまっていたり、或は一番初めに書くはずの住所が途中までだったり、「はい」「いいえ」がつじつまがあわなかったり…「できました」って本当?たまにしかお目にかからない患者さんでも、何となく覚えているから「前はこんなんじゃなかったような…」と、改めて「お久しぶり」と顔を合わせて姿を見ると、服のボタンが掛け違えていたり、帰り際に持ってきたかばんごと忘れそうになったり…たまたまかもしれないし、それらの行動の変化が認知症の走り?とは言えないかもしれませんがあの一枚の紙も意外に侮れないかも…なんて考えてしまいました。

「患者さんとの何気ない会話で認知度を客観的に見ることはできないかしら?」年配の方も多いから、この質問表に端を発し、調べてみたらこんなものがありました。「日常会話式認知機能評価 CADNDy」これは認知症の人に見られる15個の会話の特徴について、日常の会話の中から評価するもの。「MMSE」は有名だけど「100-7は?」からはじまる引き算の連続や、ものを見せて「さっき何があった?」は被検者には「またやるの?」と抵抗示されたりするけれど日常会話式認知機能評価は相手に抵抗感を与えないし、会話の後で、印象で評価できるから、メリットありそう。15の質問は以下にあげます。

1 会話中に同じことを何度も質問する

2話している相手に対する理解が曖昧である

3どのような話をしても関心を示さない

4会話の内容に広がりがない

5質問に答られずごまかしたりはぐらかしたりする

6話が続かない

7話を早く終わらせたいような印象をうける

8会話の内容が漠然として具体的性がない

9平易な言葉でないと伝わらないことがある

10はなしが回りくどい

11時事やニュースの話題を理解していない

12いまの時間や日付や季節がわからない

13先の予定がわからない

14会話量に比べて情報量がすくない

15はなしがそれてちがう話になってしまう。

全くなければ0 よくあるなら2 で0 、1 、2 点カウントで0点ならば正常、30点ならば認知症が強く疑われるということになります。認知症を診断するものではないけど6点以上を示した場合は認知症の疑いがあると言う判定基準が推奨されているとのこと。

絶えずこんなことを感じながら患者さんとの会話をしているわけではないけれど、こうした15の項目を知っておくのも、身近に高齢者がいるご家族には目安としてよいかもしれませんね…。

今週は、医師会のPCR検査の当番や検診施設の内視鏡検査で火曜、木曜午後や水曜日、変則的になりご迷惑かけすみません。

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