不安だらけの介護
9月。なんと早いこと!台風10号に振り回され、ハンパない雨に恐怖を感じることも何度か。雷に驚くことはあっても降雨の恐怖は今まで経験無かったけど、さすがにこの数日は家のなかにいてもどうなっちゃうの?ってことが何度かあった。 92才の父は「日本はまるで呪われているようだ」なんて言っている。実は不穏なのは天気のみならず。 クリニックも手伝ってくれる人々の身の回りの変化で私の仕事量も増えてしまい、何より自分の生活の変化もあり。 仕事に集中している時はそっちに頭が切り替わるからいいのだけど。 このブログは日記の側面もあるから、将来の自分のためにも今の迷いは貴重な記録。 前述の父、最近は数ヶ月前のblogに登場させたけど、その頃と比べて8月に入り、正直、階段落ちるような‥というより、梯子から落ちるような‥と言った方が良いようなレベル低下。90過ぎると変化早いとは聞いてはいたけど。 暑さのせいで低ナトリウム?はたまた、数週間前に転んだから慢性硬膜下血腫?こうした疾患が原因のボケの進行なら是正せねば‥と検査すれど原因なし。 一緒に暮らしていてどんどんだらしなくなるのは生活を共にするからこそ見える変化。頭にはいっているかは別として楽しみにしていた新聞も、あまり読まなくなったみたい。きれいなおられたままの新聞がたまっていく。ダンスにカンツォーネ、1人で出かけることはできても日にちを間違えることも多くなり‥全て暑さのせいで少し落ちたと思えばそれまでかもしれないけど、日中一人でいることも多いし、失敗が多いと私から叱責されて父は悲しい顔をする。その悲しい顔に今度は私が落ち込んでしまう…。ついに先日は私の名前もおぼつかなくなり。「天孫降臨のお父ちゃまの故郷の地名からつけた名前」とまでいって「千穂」が出てこない。今まで、患者さんから家族の話として聞いたことはあっても、いよいよ自分の父…恐れが現実となり…ショック。このままでは負の連鎖? 担当のケアマネージャーさんに相談したところ、そろそろ同居介護も限界かと。ケアマネージャーさんも父の認知機能のことは心配している。お歳の割にはしっかり…不安がる私への配慮だろう。身内のこととなると、ほぼ素人同然…感情が先。母のとき立証済み。とにかく日中一人でいる時間があるのは良くないと。転倒リスク(既に何回かあり)、刺激の少なさ、父にとってマイナス事項。そもそも仕事がますます多忙になる私の生活…深夜に帰宅の私を待つなんて、90歳超えた人間には不規則過ぎる。で、現在の住まい近くに、出入り自由な老人ホームがあるという。ケアマネージャーさんいわく、ホームによっては「かごの中の鳥状態」となり、出入り叶わないのは辛いだろうと。確かにそう。そういった父に適したホームで、できれば近くて、今の居住環境と変わらない立地というとここしかない…と。 数週間前に見学。「まあここなら…」ということで父も不承不承納得…。 父は何があってもホームには本当は行きたくないのだ。でも… 転倒したり、自分でも「弱ってきた」の自覚もあり。さらには私とのいらいら募るやりとりに、父なりの我慢もあるのだろう… 相談の末、とりあえず、マックス2週間までのお試し利用をマックスの2週間試すことにした。 その先はまた考えようとのことで。 で、今日がその初日。父は10時にスタッフが迎えに来てくれると言うので先に行って、私は仕事終わり次第見に行き、最寄駅までの道のりを一緒に歩いたりしてみよう…と約束していた。早速明日出かける用事があるから道を確認しなきゃということで…。 父はボケてはいても私との約束は覚えていたのか、施設の人の話によると、3時過ぎには帽子被り部屋で待っていたみたい。 間に合わなくて…ごめんね
結局、仕事が中々片付かず、現地に着いたのは夕食前。 「すみません!遅くなり…」 挨拶もそこそこに父に面会しに行った。「お父様穏やかで馴染んでますよ…」 夕食前に申し訳ないと思いつつも中へ。と、父の居住フロアへ通された。「えっつ? 元気な人は一階の食堂で食べると聞いてますが…介助が必要な人が自分の居住フロアで食べると聞いてますが、父は一階じゃないんですか?」 申し訳ないけど、ぱっと見、父よりも介助が必要であろう皆さんと同じテーブルに座らせられていた… 人は周りの環境に同化するものだ。何だか既に、父の口の閉まりが悪くなり、今にも涎を垂らしてしまいそうで、周りに今にも馴染んでしまいそうで怖い! こっちの涙が先に出ちゃいそうだよ。私のかいかぶり過ぎ? 父はもはや一階の元気な人との食事は無理なの? 施設の人は「初日ですから…こちらにご案内しました」と。 本当? 既に私は一抹の後悔…。大丈夫だろうか…。「一人でいるより大勢の目があって規則正しい生活をすれば、梯から落ちるような…の急降下も防げるか、或はもう少し元気になる?」 そう思ってとりあえず体験… と思って決めた2週間の体験。けど本当に大丈夫だろうか…。 体験終わる頃には「今後どうしようか…」の話もできないほどボケが進んじゃったらどうしよう…。 見学の際、「体験からそのまま申し込まれる方も…」ときいてはいたけどそれは入れているうちに家での介護ができなくなるくらい落ちてしまい、入れざるを得なくなってしまうのでは?… そんな邪推さえ脳裏を過ぎる。 夕食終わるのを待って父と約束の、駅までの道を一緒に歩いてみた。 とぼとぼ… やっぱり嫌なのかな?なんか元気ない。 とは言え、職場のほうも今、スタッフの出入りもあり、いろいろ変化のときで、多忙。身体がもうひとつ欲しい状況で…正直、開業以来の多忙さ。 仕事もプライベートもこんな具合で一杯な状態。 何が正解でハッピーなのか、正解がない介護。 後悔がないことを、そして父が希望を言える状況ならば、どうしたいか、ちゃんと聞いて先は決めよう。どうかどうか、施設を体験したことがマイナスになりませんように! 自分の意見、希望をしっかり話せる理性は…なくなりませんように! 体験してみて結構楽しく暮らせそう…老人ホームへの嫌悪感情が消え去ればそれでよし。或はやっぱりお家…となれば今度ばかりは断ったヘルパーさんも復活…私の負担を減らすことの協力はよろしく。とにくこういった話ができるように…。 わからないのです… 私がその年になるまで生きていたとき、どうするのが1番の自分の居心地よさなのか…?
諸派の事情で、今後クリニックも予定が変更になりすみません。当分隔週で開院していた月曜午後の診療は休診します。これから年末まではとりあえず、2週間分診療予定をホームページに掲載するので参考にしてください。