塩分制限は夏も?
8月!暑いけど、夏は夏。炎天下で汗をかいたり、オリンピック観戦で手に汗握ったりいろんな汗かくこの夏。 さて、今日はいきなり本題。
私はクリニックで、特に高血圧の患者さんを診察の際、推定1日食塩摂取量を計算している。採尿でわかる値だから痛くも痒くもない。日本人の平均1日摂取量は男性11g、女性9.3gとのこと。それを聞くと、我がクリニックは成績よいな~なんて思ってしまうけど、それでもだいたい男女ともだいたい8~9g位。10gまでの方は私がうるさいせいか、意外に少ない。 ところが先日、とある患者さんから「塩分制限って言うけど、夏は汗で出ちゃうからとらないとダメなんじゃない?」との質問。さあ、どうなんでしょう?という話題。
答えを先に言うけど、「いつもどおり、無理に塩とる必要なし」ということ。 状況、我がクリニックの結果や日本人の平均摂取率は、厚生省やWHOが掲げる目標値より全然多い。厚生省が5年毎に掲げる目標値は発表毎に減塩で今は男性7.5g以下、女性は6.5g以下なのだ。もともとがそれより多く摂取している人が多いのだから、夏だからといって塩分多くする必要は全くない。それどころか、人によっては入ってきた塩分を調整しようとのどが渇き水分摂取が多くなり心臓に負担がかかっしまうこともある。 さらに、「汗をかくから‥」といっても、汗に含まれる塩分は0.3~0.4%程度。例えば運動して、1L汗かいたとして、3g。これって、梅干し1個が1~2g位だから、その塩分量くらいなわけ。スポーツしたとき、汗しょっぱい! とか思っても、そんな程度なんです。 さらに面白いデータを見つけたのだけど、とある実験。1日7L汗をかかせて、食塩摂取量を、20g、10g、6g、2gと減らしたところ尿や汗からの塩分排泄量は減るけど、体内は低ナトリウムにはならなかったと。つまり、体内はナトリウムを調節するホルモンの働きで意識しなくても一定になるようにできているのです。 なので、質問した患者さんには、夏だから塩分とらなきゃ!と考える必要はないですよ! とお答えしました。
あと、もうひとつ。経口補水液について。 汗をかいたり、下痢やおうとのときは、おすすめだけど、例えばデスクワークなどでほとんど汗をかかない状態の時はちょっと注意!糖分は少ないけど100mlで0.3gの塩分換算とのこと。机に2本おいて飲んだとすると3g。意外に多いので経口補水液もシチュエーションで使い分けないと。麦茶とかノンカフェインの水分がおすすめ。
まだまだ暑さ続く今年の夏。よい汗とほどよい塩分ね!