メニュー

完全予約制初日

[2020.10.04]

先週半ばくらいからいっせいに街には金木犀の香りが溢れてきました。この香りとともに季節の巡りを毎年のように感じます…。そして私の場合、「ハクション三連発」の時期。春先と同じくらい、この一時期はアレルギーが。ちょっとした寒暖差にも反応するから、朝、窓開けたとたんに三連発、走って電車に飛び乗ったりするものなら車内で三連発(今年は特にひんしゅく?)、お風呂場で三連発…何故か決まって三連発だけど、秋の花粉症も困ったもんだ。

さて、昨日からクリニックが完全予約制開始となりました。先日の木曜、金曜はお休みにして、私が仕事に出ている間に倉庫とインターホン用の電気工事をやっていただきました。義弟君が立ち会ってくれてオリーブの木の移植やら諸々整備も終えて、新体制が完成。「姉さん留守の間に電話がガンガン鳴っていた」とは聞いていたけど昨日、開院直後は電話なりっぱなしでパニックでした。インフルエンザ予約、「今日診てもらえないのか」さらには一ヶ月前からあちこち掲示したり、このホームページでも告知していたけど、知らないでいらした患者さん。玄関は閉鍵してインターホン鳴らしていただく体制としたものだから、一人一人、外に出ていって事情話して「今日はいっぱいだから」と帰っていただく始末。受付さんと私でてんてこ舞いでした。

この新体制、既述のブログにもあるように、「来るべきときへの臨戦体制」というか、「コロナとの長いお付き合いの中の越冬初年度」として、今後も見据えてこの小さなクリニックの院長として時代に対応したクリニックにしたかったから。「発熱患者さん」に対して世の中が過敏に反応する中の冬、以前と同じように診察していくにはどうすればよいか…インフルエンザ検査はできてもコロナはできない…熱ある中やっと来院した患者さんにとっては、やるべき検査が一カ所で済むに越したことはない。今までも保健所から紹介されて来る患者さんがいたのだから、今後も「まずかかりつけに相談して!」は増えるだろう。だったら中途半端でなく、やれることはできる体制は作っておこう…でもうちには胃カメラ検査しに来る人も、血圧薬取りに来る人も、風邪や熱とは全く無縁の患者さんもいる…そういう患者さんもしっかり診たいけど、感染に対しての危惧は与えたくない…で、両立のために選んだ道が、庭の空地スペースに倉庫を作って発熱患者さん検査部屋とし、全て完全予約制で落ち着いて診察できるようにするということ。

「コロナ保険診療」については「近くに大病院があるから先生がやることはない」とか「トラブルあったら責任はこちらがとらねばならないから」「都から審査にやってくるから申請しても時間がかかる」などと、唾液PCR検査ですら、間に仲介が入ると何かと引き止める声もあったけど、この時代に生きたちっぽけな医師として、できることはしたかったから、都に直接契約申請書出しちゃいました。週初めに投函したらもう、うちのクリニックの公費番号できちゃった。申請に時間かかる??どこの国の話しだろ…

一方、私がやりたいことやるには、患者さん側にも賛否両論あることが、昨日1日でもわかりました。いつも、閉まる2、3分前にぎりぎりの時間に現れる患者さんは、当日の電話でたまたま予約でいっぱいと知ると、「じゃ、主治医変えなきゃ」と言ったそうな。はいはい、丁寧な紹介状、次回来院時書いて差し上げます。これからはその時間帯、発熱患者さんに対応している可能性大。「待たないで済む」の時間帯がともすると、発熱患者さん対応の時間帯になって急患対応しているかもしれないから。或は常連の患者さんは当日電話でも当然顔パスと思っているのか、(予約制がたまたま二日間休みだったこともあり)いっぱいと知ると、なんだかんだ厭味言われちゃいました(仕方ない)急患の患者さんもたまたま昨日は予約いっぱいだから診察できなかった…(こういう弊害があるのね…緊急枠は設けていても、そこも埋まってしまうとこういうことも…)

そんなときに限って、私が激怒するようなことも起きてしまいました。タイミング悪く予約制初日に!内視鏡予約した患者さん、時間すぎても来ないから電話したら「忘れてた」と!「明日かと思ってたわ~じゃまた予約し直すから」って。さすがに…その枠が埋まっていたから来週以降に内視鏡予約が先伸びになった患者さんが記憶する中だけでも3人、かつ、内視鏡枠は多めに時間抑えているから、今日この人が来ないとわかってりゃ、お断りしないで診察できた患者さんが少なくとも3人…一体何人に迷惑かけたと思ってんの!!わたしの頭の上にヤカン置けば沸騰しそうな勢いで、(事務の方が受話器を手で被っいるから相手に聞こえるのもわかりながら確信犯で)怒ってしまいました…大病院は内視鏡医と外来医師は別々にうごいているから連絡なしキャンセルも、そう体制に影響しないかもしれないけど、うちは私一人でこなしているから…申し訳ありませんが内視鏡のキャンセルや今後全て予約キャンセルはご一報くださいね。

そんなこんなで、すったもんだの1日でした。まだまだ浸透するまでは混乱するかも知れないけど、私はこの体制でやっていきます。この判断が正しいか否かはわからないし、患者さんも前述のように離れていくかもしれないけど、なんか、あの、緊急事態宣言直前の寒々した来院患者数を経験したら、最近肝が据わったかんじ。まあ、いいや…やりたいようにしたんだから代償はあるさ。予約制で自分が掌握できる範囲で患者さんを診て行く体制は、自分も感染のリスクから守ることもできるんじゃないかなと思ってます。私が「コロナ保険診療できる体制作ってる」と聞いても「あんたがかからんように注意しなさい」とだけ言って反対しなかった御爺。私がかかれば絶対まずい。そうじゃなくても「あんたがかかればおとうちゃまなんてイチコロ(ナ)だわ~」なんて、ばかなこと言ってる父、私のサンドバッグに迷惑かけられないからね…

ここが完成した検査場所です

金曜日、蒲田の勤務終えて夕方チャリで工事後のクリニックへ向かう途中、多摩川の夕暮れ。秋ですね。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME