昨日まで何とか桜も愛でることが出来たけど、さすがに今日の冷たい雨で散る桜となってしまい…。一抹の寂しさも感じる中、ちょっと目を他にむければ、私たちだって春を待ってたんですよといわんばかりに、躍動感満載の色鮮やかな色彩が目に飛び込んで来る。もうすぐ花水木も咲きそうですしね。
トランプ関税に大阪万博、或は百日咳流行…世間にはそんなワードが流れる4月2週目、一般内科、消化器内科のクリニックの当院、世間で騒ぐほど呼吸器症状の患者さんが多いわけではなく、つい先日までのノロウイルス感染症の患者さんも最近めっきり減り、目立つ来院患者さんは「何となく胃腸の調子が…」という相談めいた自覚症状。寝込んだり、仕事に支障が出るほどではない。したがって「いつから?」と尋ねても「うーん?」先月当たりから…、2週間くらいまえからかな?と、ぼんやりしたかんじ。投薬しながら、検査希望の患者さんは勿論、症状あるときの方が納得感もあるからなるべく近日中に緊急枠で検査したりもするけど、さすがに、わがクリニック、会社検診等で最近の検査歴ある人には、投薬から入るけど、この時期のふわっとした胃腸の不定愁訴、どんなことが考えられるか、お話しますね。
悪性疾患や潰瘍は除外した中でこの時期、最近すっかりメジャー疾患となりつつある「気象病」での消化器症状、侮れないのが「花粉症症状としての消化器症状」、そして注意しなければならないのが「花粉症薬の副作用での消化器症状」。この辺が何となくふわっとした自覚症状でやってくる患者さんに対して私が考えていることの一部。気象病については以前にも取り上げたので今回は省略しますが、花粉症でも胃腸障害は起きることもあります。腸については23年のこの時期、「花粉症と下痢症状」というblogで紹介しました。宣伝までに。胃症状と花粉症については、花粉が胃の粘膜にどうこうというより、鼻が詰まって口呼吸になり空気たくさん吸い込んでみぞおちあたりがはるとか、花粉症で睡眠不足になり、自律神経の乱れからの胃腸障害など間接的なことに端を発しているようです。そして注意すべきは、まれにですが花粉症の薬で胃痛が起きる方がいます。外来の患者さんで何人か経験あります。アレルギー薬で鼻水や目のかゆみは確かに軽減するのですが2週間くらいすると「胃が痛い」となる。元々胃の調子が強い人ではないのだけど。その人は「アガサテープ」という花粉症のテープならば大丈夫なのでそれで凌いでいます。ずっと貼るのも何だからと、別のシーズンに飲み薬を試しましたが、やはりしばらくしてダメでした。 市販薬含めて花粉症の飲み薬で胃の副作用がある方は、(減感作療法など他にも治療はありますが)この方のようにテープというのもあります。また、アレルギ薬で眠気や喉が渇くというのはメジャーな副作用としてあげられていますが、時にお腹が張るという副作用が出ることもあります。特に市販薬で常用的に胃腸薬を飲んでいる人は要注意です。薬の相互作用でより、症状が強くなることも。そういえば、私が診察した中で、市販の胃薬を常用している方が、この時期花粉症の薬を服用。しばらくしておなかがはって痛いからと、ご自身で判断して沈痛解熱薬を飲んだみたい。胃の調子をわるくした…ということで来院。服薬歴から薬の副作用が災いしたってわかった患者さんもおられました。
最近は異常気象のせいか、木の芽時に何かに反応して調子悪い…も通年化しつつあるような。陽も延びて、躍動感みなぎるこの季節、何とか体調保ちつつお互いに過ごしたいものですね。