気分転換、リセット小旅行
梅雨になり、鬱陶しい季節ではあるけれど、紫陽花の誇らしげな姿に目を奪われる今日この頃。抜けきらない咳症状や、いわゆる、気象に左右される様々な症状の患者さんが訪れるのはこの時期例年の風景。来週は暑くなるのでしょう?体力ついていけず、クーラー効いた部屋でうたた寝してそのまま風邪引いちゃう…そんなことにならないよう注意してくださいね!
つい先日、インド航空機が離陸直後に墜落したニュースがあった。何が原因だかはわからないけど、毎年何回かはこういう事故が起きる。私は幸いにして搭乗している飛行機でそこまで怖い思いはしたことはないけれど、「りせっと!」と銘打って時々日常から外に飛び出ている私にも、飛行機にまつわる「そうそうないよね…」的な経験も。 「人生100年時代を見据えて」の続きで、内科的な話の続きのblogの予定だったけど、つい最近、たて続いている私と飛行機トラブルの話を。今日は自分日記のコーナー。 短い臨時休診に、勘の良い患者さんはわたしの旅行記を聞くけど、話が長くなり本題の診察忘れちゃうから誰にも話してない。フィクションです。
「バカンスのために働く」イタリア人的発想に賛同すれど、所詮日本人の私。加えて今じゃ開業前とは違い、さすがにホンの数日‥。介護もあるし…、そうそう家も空けられない。現地滞在がせめて3日はとれるような行き先を決めて、出かけるわけだけど、フライトとホテルだけは決めてはいても、仕事に悩殺されて前日に支度しながら「で、結局どちらの街にいくんだっけ?」なんてことも。 ぎりぎりまで仕事して、慌てて空港へ。飛行機乗り、現地へ…が最近のパターン。なにも決めてなくても、行った先の街の名前と滞在日数を入力してグルグルと、誰かが、おすすめ情報をのせてくれているから、最近は地球の歩き方とか、購入することもなく、それなりに楽しめる。そして、申し訳ないけど、父の咳や雑務、物音に起きることなく、家の諸々からも一時離れて、熟睡もできればリセット!エネルギーチャージとなる。 ところが、最近、航空機にまつわる連続の稀有な経験でリセットどころか、帰国後の労働意欲が、ある意味、増す経験も。
ひとつめは‥帰国のフライトがお昼だったから、その日は、気に入った海岸線を、ジョギングしてひと汗ながして出る予定だった。 シャワー浴びてすっきりしてホテルチェックアウト。すると、「エージェントがあなたを探していたが連絡ついたか?」フロントのイケメンオージ君から尋ねられた。先ほど、汗だくジョギング姿で戻ったアジア女性を彼はチェックしていたのか、こちらの返事も待たずして電話をかけてくれている。繋がった現地のエージェントから、昼のフライトが今朝突然キャンセルになった。明日の便に振り替えたからそれに搭乗するように。本日の食事代と宿泊代は上限あるが航空会社が負担するから領収書もらうようにとのこと。なお、明日は東京でなく関空到着と。 なんとか今日中の便に…と交渉するも剣もほろろ…青天の霹靂。当たり前に帰国するつもりが、あらららら。明日は日本は祝日だから、もともと帰国後1日余裕をもたせてはいたのが不幸中の幸い。いましがたチェックアウトしたばかりだが、幸いホテルは空室あると。散々私を探していたのか、イケメンフロント君は全て知るようで、さくさく手続き。「同じ部屋に清掃がこれからはいるからそこで良いか」と。すっかり落ち込み力も抜けたが、せめて気分転換、別の部屋にと交渉した。おちこんでるから、眺めよい部屋が…とありきたりの英語力使って交渉。 いやな顔されるかと思いきや…しばらく端末叩いたあと、別のカードキーを渡された。 見るとなんだか高層階みたい… イケメン君はあちらのエレベーターでと、案内してくれる。「enjoy extra holiday」だって。とほほ… わけもわからず案内通りの部屋のとびらをあけたとたん… 一面窓の外には水平線がみえている…穏やかなキラキラした大海原がそこにはあった。 「オーシャンふろんとだあ…オーシャンびゅうーじゃない」 気分が下がったり上がったり、自分でもわけわからないくらい。思わず、もいちど下に降りて先の彼にホントに同じ料金であそこに宿泊してよいのかと確認しちゃった。 彼はニッコリ「for you.」だって。 「こんなプレゼントもう一生ないだろうな…しかもイケメンオージー君からの…」 その後の1日は、なんだかんだ、その時の旅行の中で最も心に残る風景も堪能できた…。 が、最後にオチも。 翌日の日本到着、初めての関空からが超大変。かなり遅い便だったから、その先、新大阪からののぞみも、東京について最寄り駅到着に至るまで全て最終便で帰宅。 あんな良い思いしたんだから… 翌日からは労働に粛粛と勤しんだ。 二回目は… その時は国内線が朝6時台。9時台の国際線に途中乗り換えての帰国の予定だった。前日にネットチェックインも終えているからあとは空港で荷物預けるだけ。国内線は1時間半前で大丈夫だろうとのことで5時過ぎにuberも確保。 寝飛ばさぬようスマホアラームかけまくり、おかげで少々早く身支度終えて、さて部屋を出ようと…。目覚ましがわりのスマホが無造作にベッドに置き忘れ。おっと危ない…。慌ててかばんにしまうところ、いつもだったらこんな時間に絶対しないけど…何となくメールチェック。「貴方のフライト間違えありませんか」一番先頭に航空会社からのメール。ネットでチェックインすると、航空会社によっては当日確認メールがくる。今回も確認メール? あれ?でも時間が違うよ? 海外の航空会社は日本語訳されていると、とんでもない間違え起こすことあるから…と、そのまま英文を確認。… いやいや間違えではなく、突然フライトキャンセル。便を切り替えたから別便希望なら連絡するようにとのこと。 メール自体はつい30分くらいまえの着信だ。 今4時50分。とりあえずあちら側確保の提示のbording timeは5時35分となっている。 あと45分で飛行機出発?? マジ??まさに背中が凍る。乗り継ぎもあるから、嘘かほんとか、とにかく空港へ行かねば。 とにかく下でチェックアウトと同時にフロントマンともういちどメール確認。確かにあと数10分の便に変更だ。 とにかく急げ空港へ! 既に頼んだuber来ているからラッキーと思いきや、石頭ドライバ-は約束時間まで乗せないという。 機転利かせたホテルマンがすぐに車手配。空港へ20分前に到着。 それからは狭い空港ながらも走った走った。意味なく身体鍛えていると、こういうとき役に立つ…冷静に自己分析する自分もそこにはいた。 で最後の手荷物検査。後一歩のところで、そんなはずないのに荷物がひっかかる。 後10分… なんでなんで?? 泣きそうな顔作り、ありったけの英語力駆使して、手荷物検査の意味をなさないような仕事を係官に強いて荷物うけとる。やっとゲートが見えた。 走った走った!。滑り込みセーフ。ちょうど皆乗り込むところだった…。 気がついてからここに至るまで45分。 きっとこれ以上の最短記録は生涯ないだろうな…。 そんな思いが過ぎる。さらに結果的には国際線の乗り継ぎには十二分な時間についてよかったのだ。 このあとのフライトだとだいぶ後だから日本に帰る便には間に合わなかったよう。国内線と国際線のターミナルの距離が離れているし、国際線ターミナルについても、東京行のゲートが徒歩で20分だったから。そして、ひま持て余してdeparatureのボード見ていたら、その日は日本行きは私が乗る便のみ。関空到着すらない。明日帰国できる保障もない…。おまけに明日からバッチリ仕事だ。 あの時ホテルの自室でメール見なかったら…そう考えると再び背中が凍る思いだ。 ふう、やれやれ。 無事搭乗した飛行機の中で後ろは空席結構あったから、メール気がつかなかった人もいたのでは? たまたま席が隣だった現地在住の日本女性も、同伴のイギリス人のご主人がたまたまメールに気がついたんだそう。「普段明け方5時なんかに普通メール確認なんてしないわよね…」 どれもこれもうまくいったから、ラッキーの一言に尽きるけど。楽しい気分転換にプラスアルファの非日常の出来事。 少なくともおとなしく粛々と行いよく働こう!って気にとりあえず、なるのですよ。
そういえば今日は父の日。認知症外来の同僚医師からは「金丸先生、絶対怒っちゃダメ」と。そういわれても…頭じゃわかっていても、「もう100万回言ってる。同じこと何度も言わせないで!」「汚くしないで!」「遅くまで起きてないで早く寝てて」 怒ってばかりでさすがに自分の性格がどんどん悪くなってく感じ。 先日も何かにわたしが怒った後「おとうちゃまも、私に馬鹿だチョンだと起こられてばかりじゃ嫌気さすでしょ?」 と聞いてみた。 と、「別に…あんたはおとうちゃまにしては出来すぎた娘だと思っているから、怒られても仕方ないよ…」「…」 なんと! 相手を褒めるでもけなすでも、微妙な立ち位置に立たせるような切りかえし。食べ終わり、米粒一つ残ってない、お弁当の空をごみ箱と間違え冷蔵庫にしまい込んでしまうような父(もはやそれしきには、私は驚かない)が、とっさのきりかえしであんな、ある意味まともすぎる発言をするとは…。認知症といえど、頭の構造は不可思議だ…。 馬鹿だチョンだと言われても、何となく身内といるのが良いみたいだから… この生活はまだ続くのかな? 後何年、父の存在する父の日が訪れるかわからないけど、私の父はこの人だけ。今日この日、改めてそう認識。