誤嚥性肺炎入院経過 2週目経過
サルスベリの深紅が色鮮やかな盛夏。世間はお盆休みに入ったようだけど、クリニックは暦通り。昨日も通常営業。蒸し暑いだけではなく、台風が頻繁に来るせいか、風邪や胃腸炎以外に「なんとなく不調‥」と、こちらもどこからちをつけたらよいのやら‥というような訴えがホントに多い。前医がいて、埒が明かないからと、うちに来てくれるのはありがたいような、逆に「私に何ができる?」と、困惑するケースも。「でも、困っているから。わざわざ暑い中、来てくれるのよね‥」気を取り直して、よーく問診し直して血液調べりゃ「シェーグレン」「甲状腺機能異常」。気象病や熱中症と、思い込まないで良かった‥なんてことも遭遇したり。逆にうちじゃ埒が明かないからよそにいく患者さんもいるのだろうから後医が名医ということね。 3ヶ月限定府中市健診やら、こういった外来。身体か二個あればいいのにと思うのは毎年のこと。
さて、今日も話題は父のこと。誤嚥性肺炎の入院経過を。 一度は回復傾向に向かうもデータ改善今いち。 調べりゃ「緑膿菌」検出。でまた、肺炎ぶり返し‥ 治療は継続している。 結構シビアな状況だ。 もともと、リハビリ病院らしく、リハビリも行われているようで、父も頑張っているよう。 でも、認知機能は明らかに低下したまま。入院や感染、色々悪条件は重なる94歳なら仕方ない。調子よければ私を認識してくれるが、どこに住んでいたかや、府中のクリニックもあやふや。時には母が、まだ、健在だと思っていたり、私も話にしか聞いていないような、母との新婚生活を始めた住まいが、この入院直前に住んでいた場所になってみたり‥。 そんな父、「力が入らないんだよ‥起き上がれない」盛んに言う。 唇もカサカサ。干からびているのは見てとれる。感染があるからボリュームは絞るのはわかる。でも、末梢ラインでかれこれ2週間。 そろそろ限界の時期なのでは? 微量元素欠乏もさることながら、カロリーなければ筋力衰える一方‥。これじゃいくらリハビリしたって、そもそも嚥下する力すらわいてこないじゃない! 「回復なければ絞ってそのまま苦痛なく‥」それもひとつの考えとも、入院して間もなく主治医から聞いたことが頭をよぎった。 また、我がクリニックにいらっしゃる様々な患者さんたちからの諦めや困惑の話し。救急搬送された、病院での顛末。「入院先もその人の運次第よね‥」「時間かければ食べられるのに、食べるのが遅いと、すぐに配膳さげられ、翌日から点滴。夜中トイレに行くのに点滴忘れて転倒すれば、抑制帯でベッドにくくりつけ。精神的におかしくなり、二週間で死んじゃった‥」「胃管入れた翌日に死んじゃうなんてあるんですか?」患者さん家族サイドの話しで、病院側の状況はわからないから、私はいつも聞くことしかできないが、でも、こういった、理不尽な結末を遂げた患者さん家族のことを思い出した。 「うちの父は大丈夫だろうか?」 「自分の意思で食べたいものがあるのなら、それでまた悪くなっても食べさせてあげたい」が私の考え。多少まともなときは「帰りたい」「良くなってみんなで食事にいきましょう」なんて話す父なんだから、栄養補充した段階で、どこまで嚥下する力が回復するのか、リハビリだけじゃ、せっかくよいことしても、ガソリン不足の体じゃ空回りなのでは‥? 任せている以上、しかも私は呼吸器専門ではないから、口出しはすべきではないと考えていたけど、とうとう口出し。 やっちまった、うるさい家族‥。「末梢じゃ、そろそろ限界では?」一言。 結果、先生も考えてはいたようでIVH管理となった。
ついさっきまで面会してきた。今日は私のこと、わかっていて、わりとしっかり。「あんたの子供は‥」「中央線の脇に住んで‥」辻褄あわない話もあるけど。 1時間くらいずーっとしゃべりっぱなし。「おとうちゃまどうなっちゃうの?」「手強いばい菌を肺から追い出しているの。それに食べられる力を復活させるべくリハビリ。歩けるように足の筋肉もつけなきゃ!だから今頑張り時よ!」「わかった!」同じこと繰り返し。 8割くらいは夢と現実とぐちゃぐちゃ(本人も認識しているのが不思議。おとうちゃま、何か頭が変なんだよと)。 でも、時々、耳に刻み込まなければならないようなことを言う。「生きるって大変だ‥」「おとうちゃま、でも、楽しかったな」って。感情失禁? 目が潤みながら言ってる。 たぶん、永くないって感じているのかも。 私も、残念だけど‥そう思う。だからこそ、この時を大切にしたい。 「明日も仕事終わったら来るね。さみしい?」「うん。でも仕方ない‥」「気をつけて帰りなさい」「いつも、それ言うよね‥」「それしか、言えんもん」 じゃ、いつまでも言ってて!心で叫んだ。
2026年盛夏 毎年訪れる季節。複雑な心境の夏。空を見上げた
