エンドファイト続編
あっという間にクリスマスや年末の話しも聞こえてくる時期に。どこそこでライトアップが始まったとか、ヨーロッパが本家おおもとのクリスマスマーケットがここ日本でも開催されているとか何とか‥。 とはいえ、ホントに今年は気温が乱高下。血圧で投薬中の、血圧の変動が、心なしか例年よりが激しいような。高血圧でも自覚症状はないから、毎日測定している血圧手帳を見せてくれるから判明する事象。気候の乱高下にあわせて特に年配の患者さんの血圧変動が激しい‥。 自然界の影響をこうも受ける人間の身体、そして、先日の話の続きになるけれど、その自然界と人間の共通点。 人間の腸内細菌=プロバイオテクスが個体の免疫能や抵抗力を強めたりするように、植物にも共生菌というのが根や気孔から内部にはいることにより、その植物の耐性や発育を活性化するという。人間の腸内細菌が注目を浴びているのと同じくらい農学系で注目をあびているのは、食物危機を救う一助となる可能性を秘めているから。 今まで、病害虫から植物を守るために化学肥料を使ってきたわけで、毒性が少ないものの研究も進んできたけど、ものによっては土壌の良い微生物をも殺傷してしまうこともあった。人間の抗生物質投与に似ていますよね。 ところが、共生菌は元々土の中に存在している細菌。肥料とかは分解に時間がかかったり、環境に付加を与えかねないけど、共生菌が増えても、生物どうし、バランスを取っていくから環境への負荷もすくないという。IT技術の利用などにより、植物の共生菌との発育で、自然観境を崩さずして、より強い植物の生育が可能になるとのこと。2050年には世界の有効土壌の90%が程度の差はあれ劣化するといわれている状況下では、この共生菌の活用は欠かせない。 さらに面白い、注目に値する研究結果があり、ある植物に合う共生菌の土壌で培養すると、劣悪なきびしい環境下でも植物は育つという。たとえば、イチゴやエンドウ、トマト、おおよそその植物が育たないような寒い、暑いなどの環境下でも共生菌土壌だと、通常の発育環境と同じような実りがあった。つまり共生菌は厳しい環境の方ががんばってくれるらしい。温暖化や気候変動が問題となっている昨今、この研究の進歩により食物自給の一助になるかもしれない。 人間の腸内細菌が作り出した短鎖脂肪酸などか身体に色々な良い効果をもたらすのと似ていて興味深いばかりか、環境の変化のうねりを跳ね返すような研究なのだから実に壮大。 普段は接する機会の少ない農学系の先生のおはなし、たまち腸内細菌のWebセミナーで聞いたのですが、興味深く、このblogでも紹介しました。 もしかしたら、先週既述の小学校時代の理科のテストの解答までをも覆し、なんなら、食物生産一位は?なんていった社会科のテスト問題の答えをも変わっちゃうかも??
話は全くかわりますが‥最近はインフルエンザワクチンの接種で毎年この時期だけ顔をあわせる患者さんが訪れています。中には小中高生も。 まあ、1年でこんなにも変わるかと思うくらいぐっと成長している子も。 普段の内科診療は成人やお年寄りばかりだと、変化がないばかりか、逆に否応なしに「衰」を意識せざるを得ないけど、青少年は生き生きと上へ向かって伸びていて‥。注射の一瞬だけですが、この時期だけのちょっとしたお楽しみですね。いきいき成長する姿を目にするとこちらもなんだか清々しくなります。