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「クロモジ」知ってますか?

[2020.01.21]

センター試験の先週の(土)、雪が降って寒かったですね。

3日前に胃痛でいらした受験生に「今年は雪のセンター試験じゃなくて済みそうね。健闘祈ってるよ!」なんて会話したけど、どうしたかなあ…

その寒さの中、診療終えた午後から、普段お世話になっている卸業者さんの展示会に行ってきました。ここに行くとね、色々な医療機器や製品のプレゼンテーションがされていて、グローブやマスク、消毒液のサンプルもらったり、おばさんにとってはなかなか魅力的でちょっぴりお得な展示会。寒い中、明日にしないで雪のさなかに行ったのも、空いているだろう…のもくろみあって。

いやいや、甘かった!薬剤師さん、ナース、検査技師さん、私以上のおばさんパワー炸裂で会場は熱気ムンムン。

そのほか会場ではおもしろい情報に出会えるのも魅力の一つ。
私は漢方をやっているせいか、たまたま歩いていて目に留まって話を聞いた「養命酒」でしいれた雑学を今日はブログに紹介。


あの「養命酒」から昨年秋に商品化された

のど飴が今回、宣伝の一つにあがっていたわけ。「抗インフルエンザ効果のあるのど飴」と謳っているじゃない!「えっ、なんとも強気なのど飴…」
サンプルの味はまあまあ。「クロモジ」という、含まれている日本固有植物の抽出液「プロアントシアニジニン」、これに抗ウイルス効果があることが発表されているとのこと。もともと「養命酒」に「烏樟」の名で含まれているとのことだから、専門的にこの会社が成分を見直して発表するのはあり得る話で。結果、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスの産生する活性酵素を中和させ増殖を抑えたり、という時代に即した知見が得られて製品化とあいなりましたというわけ。(じゃクロモジで抗ウイルス薬を作れば?となりそうだけど…)

面白いのはこの先。抗ウイルス効果なんて言うより遥か昔、我ら日本人はこの日本固有落葉樹の芳香や抗殺菌作用や鎮静効果をちゃーんとわかっていたとのこと。まず千利休は茶道で「楊枝」として利用したとのこと。諸説あるようですが気性の荒い織田信長やせっかちな豊臣秀吉を落としたての香り高いクロモジ楊枝を和菓子にそえたのはクロモジ楊枝によせた千利休の想いがあったとかなかったとか…。因みに現代でも和菓子の「とらや」さんでは使われているようです。それも日本で唯一の楊枝専門店、日本橋「さるや」さんに特注して。

また、耐久性もあり、折った木の枝からの芳香が珍重され生け垣に使われたり。

クロモジの自生地は全国に広がるため、各地域でクロモジ使った風習や伝統行事が残っているようです。

「クロモジ」もいわゆる「鰻に山椒」「刺身にわさびや紫蘇」と一緒だったわけです。

漢方もそうですが、脈々と人類の歴史が続くなかで、先人たちが自然界の植物の中で有益なものを見いだして有効利用していたものが「古くて新しい」とその魅力が時代に即した形で見直され、それがこれほどまでに文明が発達し、ドラえもんの「あったらいいな」がほんとになって商品化されるような時代にちゃんと生存権を得ている…

なんかほっこりしますね。

そうそう余談ですが、この「クロモジ」は和精油として、私がクリニックで使用している「生活の木」のアロマオイルの一種類として手に入るのだそうな。

「殺菌効果でクリニックで使用?」も考えましたがその前に我が住まいのマンションで試すことに決定!

同居の御人の「加齢臭」対策と信長や秀吉効果を期待して私の「鎮静作用」?

今週末のお買い物ね。

この楊子。「なるほど!」

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