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このままじゃ感染へらないよ! 現場の報告

[2021.08.22]

20日前後を境に陽射しに、そよぐ風に秋の気配…地球に何が起きてもこの法則は変わらず。  夢中で過ごす間にどんどん時は過ぎ去る… やはり連日発熱患者さんに追われている印象…。ホントにこのちっぽけなクリニックにも報道のすべてが凝集されている。前回までとは違い親に連れられて来る、家族内感染の5ヶ月、6ヶ月の乳児が感染してる。令和3年生まれの初診カルテもうちでは珍しくなくなってしまった。そんなちっちゃな体でもいっちょまえの高熱。幸い翌日には解熱してるけど。 7歳のお姉ちゃんは小児科入院になりステロイドの投与も…とのことだから子供でも重症化するみたい。親御さんからの情報…あと、成人感染者の症状の進行が早いのも今回の特徴。昨日検査に来たときはただ熱の症状だけだったのに、今日、PCR結果を電話で知らせた際には、鼻声でおまけにゴホゴホせきこんでたりとか。 ゴールデンウイークまでではそういうことはなかったかな? この3日間午後はお盆休診にしていたが、結局、夕方まで仕事が立て込み、休みにはならないくらいの患者数…   地元のかけこみ診療所を目指していたのだが、「発熱対応、しかもPCR検査さえしてさえくれれば誰でもいい」 みたいな、検査さえすれば、2度とお目にかからない遠方の人たち対応で追われ、これでは、本当に消化器科、一般内科 としてのわがクリニックをありがたくも愛して集ってくれていた患者さんたちも、来なくなっちゃうよ…。先週のblogにも書いたけど、現在自分のやっている発熱患者さん対応に、この状態で良いのかと自問自答の日々。 先日の月曜日、いつも仕事をしているバイト先での大腸内視鏡…その前の週が振替休だったせいもあるけれど、ちょっと大きめのポリープ気持ち良く切除しきったとき、「ああ、やっぱりこの仕事が私の仕事!」 我が陣地に帰ってきた気分になってうれしくなった。ああ、達成感! 

今週は、末端医療現場だからこそ見えてくる現実を書き連ねよう。報道に出てくるご高名な先生方はおっしゃらない、これも現実、いま起きていること。だから感染は減らないのさって話。余りに身勝手な人達。恐らく同業者のなかには同調してくれる先生もいるはず。名前も公表したいくらいだけど私にも医者としての最低限のモラルはあるから… 

一人目。発熱患者さんや濃厚接触者(定義あり)は医者が認めれば公費として、コロナ検査に対しては無料となる。初診代、投薬処方箋代などは通常通りに保険診療となる。明らかに定義通りの濃厚接触者は良いのだが、微妙なケースも。そこは状況を聴取し医者の判断。そうでないと自費扱いなる。 とある狭い職場で2つ席の離れた同僚が陽性だったからと来院された女性。微妙だったが公費を主張するので検査。公費扱いなのだから結果が出るまでの自宅待機を記した、都からの書類を渡し、口頭でも強調した。「結果でるまで自宅待機でお願いします」 と。結果が判明するのも最近は時間がかかる。早ければ翌日夕方だが、遅いと翌々日朝。結果が遅いのは再検査に入るからで、その場合は陽性の確率が高くなる。その患者さんも翌日午後、夜も結果は出ず。途中経過を知りたいだろうと考え、私はPCR検査した人には都度電話する。2回かけた電話でも自宅で待機を促し、「わかりました。よろしくお願いします」なんて言ってたっけ。 で、翌朝、陽性だったと最終報告電話する。 「○○さん、陽性…」 電話の向こうで何か聞こえる…。「後ろにお下がりください~電車が入りまーす??」えっ? 駅のホーム? この人いったい??「○○さん、あなた今どこに?」 「これから会社に行きます!」 「結果でるまで家にいてくださいってあれほど言いましたよね、紙にも書いてあったでしょ?」 「どこに書いてありました??」  とにかく今来てい電車には乗らぬよう、きつく言い渡す。  公費公費とあれほど騒ぎ、挙げ句、陽性の結果が出る前に出社??身勝手にも程がある。 おまけに「うちの旦那も調べてほしい」ですって!そんなの知るか! 悪いけど、あんたの旦那より、日本人の公衆衛生の方が何倍も大事。その日はたしか、陽性者が6人出ていて、本人に連絡したあと、すぐに一人一人、保健所に登録の義務があるのだが、幸いにして皆、軽症。この女性も発熱なし。呼吸状態良好だが、思考回路の方は、重症。とにかく公の機関から注意してもらうべく即刻直接保健所へ連絡。 なんでクリニック休みの金曜にこんな対応しなけりゃならないんだろ…怒りと悲しみが込み上げる。 「どこで、なんで私がかかっちゃうの?」 陽性の報告に泣き出したり、咳こみながら私の陽性報告を聞く患者さんを知る身としては、自分がかかってるとは思わず行動しちゃう人は仕方ないけど、こういう族のような、検査までしておきながら、陽性かもしれない、或は既に陽性と言われているにもかかわらず、症状さえなければ、勝手な自己都合でふらふら行動してる人が私は許せない。こういう身勝手な人のせいで連日の感染増…私たちの頑張りだって報われない。ロックダウンを言う知事さんの説もわからなくもない。前回までと違い感染力が強いことは周知。陽性かもしれない、或は陽性の人が、感染を知りながら、無症状を良いことに身勝手に動き回れば当然、今までの人流じゃ増えるばかり。減らないよ…

公費といえば、こんな人も。会社で濃厚接触と言われ、検査受けることが不本意だったのか?? 検査後に諸注意を言い渡し精算となると(うちは事務の健康を守るために、発熱外来の患者は、症状あるなしか変わらず、可能な限り私がほぼ一人で対応している)明細を持っていくと、凝視。自分の薬と、初診代はじめとした諸々の会計の説明をいちいち私にもとめ、挙げ句、会社に請求できるものは請求したいからと、領収書を別に切って欲しい…なんてことまで要望。一台しか止めることのできない、うちの駐車場に車を止めて、涼しい車の中で検査も会計も済ましている当の本人は、日陰もなく容赦ない夏の太陽に、くらくらしながら汗だくでドア越しに仕事をしている私のことなんて思いも及ばないようだ。このあと続く発熱患者さんも、既に来て待っている。そんな細かな対応に費やす時間はない。私は四半世紀以上医者をしているが、医療明細を炎天下の中、10円単位の保険点数を前に、汗だくになりながら説明したのなんてはじめて。 それもこれも、ただ発熱外来をやってるから…というだけで来た人達… 1日に10人発熱患者を診て検査をすれば、中間報告をしたりなんだりで一人に3回は電話をかけることになる。都度それぞれの不安や症状にお答えしての、電話診療すれば、それだけも、日々の他の残務には手が回らなくなる。  従っておぼんやすみも帳消し。  この時代に生きる医者のはしくれとして、できることはがんばろうと今までやってきたけど、昨今の感染者数は一人で切り盛りできる数を超えて来たようだ…検査と、薬処方だけ。酸素投与や入院もできない、小さな診療所では中途半端な貢献。それより大切に診てあげたい常連さん、或は消化器科、一般内科の「ちほ内科クリニック」を求めて電話予約してくれる患者さんを、もっと大事にすべきなのではないか?  発熱だけなら、別にここでなくても良いような気がする。  たまたま当たってしまったのかもしれない、モチベーション下げる患者さんを前に、そろそろ方向性を変換すべきかな?と考える。 もはや現況の患者増加はうちのキャパじゃ無理かも。自問自答…今日、日曜も、府中市内あちこちから、はたまた23区からも患者さんは来る。日曜やってるから。とても全部は受け切れない、問い合わせの電話に事務も断るのに必死… PCRは止めて抗原検査だけで対応するとか、やり方変えないと無理なのか??  ついでに言うと、私が壊れる前に、PCR結果ファックスの嵐で、電話のファックス機能がとうとう壊れちゃったし…私より機械が先に壊れちまった! 

「発熱 コロナ対策外来」 を地域医療の中でやっていると、そこのまつわる患者さんや人々の受け止め方が多方面から見えてくる…勝手に出歩いちゃう人がいたり、迷惑な検査?なのか、びた一文出したくない人…医療以外の医療の対応も、これまた末端医療機関の仕事だ。

毎週書き連ねるこのblogは勿論、見知った患者さんをはじめ、他者を意識して書いているが、いつになるかわからないけど、将来、うんとおばあちゃんになった私が、どこか海外のリゾートとかで寛ぎながら自分の人生を振り返ったときに読むために日記帳としての役割をもになってる大事なblog。 いつか、コロナも終わって、ゆったり引退、悠々自適となって好きに人生送ってる自分が読んだらどう思うだろう…なんてことも想像しながら書き溜めている。 だから今起きているこの状況の事実や思うことも正直に書いているわけ。 ここにある悩める気持ちは今の自分の等身大の気持ちだ。

来週第5週の日曜日はお休みします…

あと、そろそろ濃厚接触って定義も変えるか、止めた方がよい!今の感染状態では境目もないし意味もない気がする。コロナ関連の検査も公費は止めて通常の保険診療でやればいいと思う。委託会社の検査料高いから、そこは政府が補填するとかしてPCR検査あり方見直すべきと思う。

 

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