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だだただ息苦しい=食道炎かも?コロナじゃなくて。

[2020.05.25]

明日(書いてるうちに日にち越えたから今日25日?)緊急事態宣言解除になる?

なんとも微妙な、いつもなら少な目報告の日曜日だというのに今回は都内二桁報告…。でも、そろそろ、少しずつ新しい日常に向かって、生活を前に向けていかないと、これ以上の「自粛」はかえって空回りしてしまう気がする。私見だけど。締め付けにかえって以前よりも萎縮してしまい世間から厭世状態に身を置く人と、「わかっちゃいるけどもう限界!」十分注意は払いつつできるだけ、以前の生活にと考える人(もちろん経済的な理由からも)との間での意識の解離がこれ以上の自粛期間が延びれば延びるほど広がってしまい、期待するほどの「自粛効果」が生まれなくなる気がする。テレビで再開デパートの前に群がる人を報道しているのをみて、つくづく感じました。

あと、例の府中及び近隣市町村合同のPCRセンター、医師会を通しての紹介の仕組みができあがりました。つい先日、クリニック充てに予約表やマニュアルがファックスされてきました。今後は保健所を通す方法とあわせて窓口が増えたということになります。

ところで、最近患者さんを(わがクリニック以外の医療機関も含め)診察していて感じることがあります。「熱はないけどただ息苦しい。咳もでないけど」で、私は「マスクしてるからでは?」(そういえばマスクかぶれで顔が赤くなったり、唇荒れて…の有症状者も多いけど)と尋ねると「家にいてマスク外しても苦しい」そう言って受診される患者さんがかつてより多く感じます。

聴診しても雑音なく、酸素飽和度も正常。大抵はここで安心され(時にレントゲンや採血までしてやっと納得していただけるケースもありますが)、「じゃ、この息苦しさはなんなんでしょ?」「夜中も起きちゃって…」

ふむふむ。夜中や明け方の胸の痛みや息苦しさなんて言われると、異型狭心症含め循環器系も考えたくなるけど、このキーワード「夜中も」から、さては敵は「非びらん性食道炎かも!」ってなわけで、今日は「食道の知覚過敏が息切れを起こす」というお話をさらりと。

コロナ騒動で「息切れ」という言葉が一人歩きしている印象。もちろん呼吸器疾患の常套句だけど、消化器疾患でも「息切れ」は起きることがあります。通常の「逆流性食道炎」は食道下部が胃酸の逆流により炎症を起こして胸焼け、酸の逆流具合によっては「口の中が気持ち悪い」「のどの閉塞感やいがいが感」がメインの症状となり、内視鏡でも、食道下部の粘膜が、赤い。これとは別に内視鏡やっても、食道にはたいした所見もないのに上記症状や「息苦しい」「せき」等消化器疾患らしからぬ症状まで出現。この原因は胃酸の逆流ではなく食道下部の知覚過敏。原因もはっきりとはしてないけれど統計では「ストレス」「睡眠不足」や自律神経の不調から来ていることが多い。通常の逆流性食道炎みたいに制酸剤で即効果を得られる訳ではなく漢方や時にメンタル系の薬が効果を発揮することもあります。「非びらん性食堂炎」或いは「NERD=non erosive reflux diseaseの略」ともいわれます。

ご時世がら「熱も咳もないのにただ息苦しい」この訴えに「酸素飽和度、聴診異常なし」の安心材料の次に提供できるアドバイス…灯台もと暗し、消化器疾患でもあるんです…ましてやこの騒動下での未経験事態へのストレス、人によっちゃ睡眠不足や乱れた生活リズムからの自律神経障害…ある程度鑑別すべきシナリオは出揃っている感が。

治療はどうする?相手は困ってるんだよね、この症状…私の場合、話聞きながら漢方や西洋クスリの会わせ技でオーダーメイドかな?通常の逆流性食道炎みたいに一筋縄じゃいかないからね。

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