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スパイク抗体

[2021.09.12]

昨日土曜日朝、自転車通勤中、そこかしこで金木犀の香りが…。暑くても、夏好きの私としては、夏の空気の盛り返しを期待したけど、金木犀の香りとくれば、秋の訪れの印籠を渡された気分… この夏、振り返ってみれば、ひと夏、学生時代の合宿さながら、体力勝負で体を動かし日々の業務こなして、自転車漕いで寝に帰って、翌朝またすぐクリニック。その繰り返し…気がついてみればさっと夏は過ぎ去ってしまった感じ。9月になったと思ったら季節のクールダウンとともに発熱外来の熱気もトーンダウン。このままいったら常軌を逸して体力はさておき、メンタルが自分でも自信が持てずどうしよう…と思ってた矢先のトーンダウンは私自身へも天の助けだ。 こうしてクリニックは、ほぼほぼ通常通りにもどってきた。 おかげさまで張り詰めた気持ちも少し余裕が出てきたかな?こうしたタイミングの中、目を向ければ連日の報道のトップは総裁選の話題。数週間前の爆発的コロナ増加の時期と、この報道が重ならないで、多少タイムラグがあったのがせめてもの不幸中の幸いか…。にしても…誰がなっても、(今までの無回答を説明する意思がない以上)失った信用の回復なんてなさそうだ。加えて「接種証明書」「事前検査済み」セットの行動制限の緩和措置…これからのアフターコロナはウイズコロナなのは当たり前だから、その目線でのそろそろ出口策は必要だし、指針が示されることも必要かと思う。でもかつてのgo to travel のような(衆議院選もあるし)人気取りの為に先を急いではならない。いままでだって思うように感染コントロールができなかったのだから、「多分大丈夫」みたいな裏づけない自信で甘言的な政策を進めないで欲しい。そしてもっと言うなら、前述の策は…ワクチン難民が置き去り…。打ちたくても打てない人がまだ相当数いるのに…。先週府中市の担当部署から「ファイザー製ワクチン供給が不安定なため、今後の個別接種の中止」のメールが送信されてきた。クリニックでの個別接種の新たな予約がもう金輪際なくなってしまうのだ。どこでなら打てるのかの案内もない。外来通院者や市健診受診者で未接種の方からは「どこかで打てないか…」の相談がいまだにある。相当数存在すると思われるこう言った「打ちそびれた人」が入店拒否や旅行できないのは…仕方ないで放置されてはならないように思う。

気になるのはインフルエンザも。11月めどの緩和というけれど、今年はインフルエンザ予防接種の生産量が3割減とのこと。今年はインフルエンザの感染者が増えるのではという中での生産量減。コロナほどの脅威はないかもしれないけど、これからダブルに気をつけなければならない季節になるのだから、感染症と経済…そこに議院選とか、妙な思惑は挟まないでほしい。

そして話題はスパイク抗体。ホームページのトップに説明しているせいか、8月くらいからこの一ヶ月、何人か検査の希望がある。「副反応が強くて2回目接種をためらっている」「2回目終了後、2週間くらいして、マックスでどのくらい抗体が上昇しているか知りたい」「医療従事者として早い段階で2回終了、はや半年経過」 測定希望の理由は様々。 男女同数くらい15人前後。年齢は40台~80台。クリニックでの結果は大体世間のデーターと同じかな? 検査会社に委託しているが0.8以下は陰性。つまり0.8以上だと陽性=コロナ感染に対する防御の抗体は存在しているということになる。まず測定者は全員陽性。ワクチン接種1回の人は300~500。2回打った人は(接種2週間~2ヵ月とばらつきがあるものの)1000~2500くらいまでと1回打ちよりも桁が違う上昇。より効果を期待するための2回打ちの意義はこのデータからみてとれる。 一回打ちでも打たないより打った方がよいし、2回でその作用は増強するということになる。 稀なケースとして2回目終了2ヵ月で300と(もともと低かったのか)低めの人もいた。 半年経つと抗体がさがってくると言われているが、ちょうど接種終了半年経過の医療従事者の方は300。一回終了で2回目をためらっている人たちのデータと同じくらいだったので、3回接種の必要性も出てくるのでしょう。 低くなると抗体の感染防御は落ちるかもしれないけど、重症化を押さえる効果は保たれるとのことだから2回は打った方がよいのでしょうね… いずれにしても3回打ちの議論より、まだ打ちそびれている人へ、どうにか行き渡るように、不公平をなくしてほしいものだ。

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