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ワクチン接種の動き

[2021.02.21]

「光の春」を感じる今日この頃。晴れている日が多いのからなのかしら?「ふう」っと午前診療終えて窓の外に目をやるとまばゆく降り注ぐ陽射しのなんと明るいこと!

外来もほぼ例年と同じ状態に戻った印象。特に先週は風も強い花粉症本格シーズンとあってか「前回のシーズンの残薬なくなった~」と、うさぎ目で花粉症の薬を取りに来られる方が多かったかな? 私自身の症状も昨年比の1.5倍を眼で感じています。

先日の木曜夜と昨日午後に、医師会からの連絡で新型コロナのワクチン関係の話がありました。木曜夜は新型コロナワクチンについての講話、昨日土曜の午後は市の担当の方から「府中市での今後の予定」。今日はその内容を話題にしたいと思います。

まず、ワクチンについて。夜、上まぶたが垂れ下がってくるのを堪えて取ったメモから…ご存知の通り、ファイザー製。ウイルスのmーRNAを脂質の膜で包んだ構造のワクチンを筋肉に注射。(このm-RNAはウイルスのスパイクタンパク質)注射することでその人の体内の細胞にmーRNAが取り込まれて、この設計図を元に体の中でウイルスのスパイク蛋白質が作られ、これに対して抗体ができたり、免疫応答により、その人がかかりにくくなる。PCR陽性のコロナ罹患者と同等の抗体ができるとのこと。アメリカではすでに4800万人接種されている。そもそも昨年の2月頃から騒ぎが起こったこのコロナウイルス。3月には遺伝子解析されてワクチンの製造が始まり4月末から治験が始まっていたというから、開発はすごいスピードだったわけ。(今変異ウイルスが騒がれているけれど、こうした開発スピードから考えても、今のワクチンが効果なくなっても、新たな開発はそんなに大変ではなく、そこは現代の開発技術を信じてよいのでは?)治験1800人で打ってその7日以降にコロナに感染した人が5人、プラセボ(偽薬注射)1800人でやはり接種7日以降コロナに感染した人が126人。計算すると有効率は95%となる。なおFDAの報告では1回でも効果は期待できるとも。(余談だけど日本で一度にこの規模の治験はなかなかできない。日本で開発が遅れるのにもこういった治験の取り組み方にも原因が…)副作用については38℃以上の発熱は15,8%。10人に一人は発熱の副作用はあるみたい(NEJより)。また、報道されているアナフィラキシーショックはだいたい10万人にひとりと報告されていて、接種後15分以内、また統計上は女性に多いとのこと。(府中市のインフルなどの例年接種状況がだいたい10万人とのこと。単純計算で府中市で1件起きてしまうような数値上のイメージね)。実際、現場で問題となるのは、これとは別に副作用でなく副交感神経反射でふらっときて倒れたり、顔面蒼白になるケース。(採血やインフル注射の後でも倒れたりする患者さん見かけるでしょ?)脈の状態や付随する症状で鑑別は着くけど、この手の患者さんは、今回多くなるかも? という危惧もでてました。初めての注射だからと緊張して「くるぞくるぞ…」と待ち構えて過緊張してしまって起こすとか…

次に昨日、土曜の午後、私がリモートで参加した府中市のワクチン接種の具体的な話。市役所の健康推進課の担当者から。まず65歳以上の方は対象者60000人。大体70%くらいが打つと仮定すると42000人。3月下旬に対象者全員クーポンが配られて4月から開始予定。16歳以上(子供は対象から外れて)64歳の方は16400人対象だけどその50%くらいが希望すると想定されているみたいだけど、うつ、うたない別としてみんなにクーポンは4月下旬に発送予定だけど接種時期は今のところ未定。集団接種と個別接種(基点病院と地域の開業医)のハイブリッドで進行するとのこと。集団接種会場は府中駅の直結のビル「プラッツ」でやるとのこと。予約はコールセンターを解説したりネット予約も可能とするみたい。集団接種会場では土日含めて週7日、午前午後、1日500人ペース1週間で3500人を7週で行う予定とのこと。あと、よく耳にする「基礎疾患」については予診表(厚生労働省のホームページにもすでに雛型あるみたい)に記載されている心臓病、腎臓病、肝臓病、血液疾患、血がとまりにくい病気、免疫不全、その他を指すとのこと。 ざっとこんな話。あと、m-RNAを包む脂質の膜にポリエチレングリコールを含んでいるからこれのアレルギーの方は気をつけないと。シャンプーとかにも含んでます。

で、問題は、携わる医者の配置。聞いてびっくり仰天!問診チェックに医者3人、接種の医者5人、事後観察に医者1人。午前だけで会場に9人の医者。しかも午後もとなれば1日18人の医者が必要になるとのこと。それを他からの応援医師も依頼せず、府中市の医師会の先生だけでやるですって!しかも3週以内に2回目も打つなら倍のノルマになる。まだ予定は未定の16歳以上も同じ人数かけてやるとなれば、自分のクリニックを相当空けることになる。「休診日に配慮して…」なんて担当者は話してたけど、私自身はクリニック休みの月曜、金曜、第2,4火曜はよそで仕事しているから、祝日以外休みはない。ましてや、休診日の勤務先はそこの知名度で、私の担当する日も既に2,3ヶ月先まで予約がはいっているところもあるから、まじかに「この日を担当して」なんて言われても困ってしまう… さらには、7月から例年の検診も始まるじゃない? 予定は未定の16歳以上は絶対時期が重なって、さらにはいつもの通常診療だってあるでしょう?体がいくつあっても足りないよ!別の意味での医療崩壊! これでオリンピックやるからボランティアスタッフ要請なんて言われた日にゃもう大パニック…

私はリモートで聞いていたから他の先生方の表情とかさっぱりわからなかったけど、私は無理を感じたな。そうそう…医師会主催のPCR検査のノルマや他にも私は外れているけどノルマのある先生もいらっしゃるだろうし…

配置人数が多いような気もするし…あと、これは全くの私見だけど、FDAでは1回打ちである程度効果あるとも言われているんだから、とりあえず高齢者優先何て言わないで先にみんなに1回打っちゃった方がいいような気もする…だってオリンピック仮にやるとなれば、それだけ人が動くわけだから、とりあえずみんなもともと希望の人は受けておきたいと感じるのでは?重症化を押さえるツールなんだから生産人口にだって必要なツールだもの。ワクチン足りなくなりそうなら「安全なオリンピックを目指してホスト国として万難排して策を講じるのでどうか分けてください」ってアピールは西欧には届かないかな?

昨年も載っけた気がするけど近くの花屋さんの春到来!

 

 

 

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