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今日だけ自慢につきあってください。ウルトラマラソン雑感

[2018.05.18]

今日のブログだけは自分自慢をさせてくださいな。おそらく今後は一生手に入らないものを手にしたので。

昨日、ポストに郵便が届いていた。

先日の富士山チャレンジの大会事務局から。

「年代別表彰」と書いてある。

大会ホームページの速報で、今年の118キロの完走率は暑さのせいか、男女ともに50%と例年より低く、そんな中でも結構上位に食い込んでいたことは知っていた。「6位までに入ったのかな?」なんて封を空けるとひょえ~女子年代別で1位だ!

そっかぁ~私は118キロ女子の部で14位。時間はほぼいつも通りなのに例年より快挙!と喜んでいたけど、ふたを開けてみると上位の皆さんは私よりもみんな若かったんだ!ってことは…たまたま今年、私が大台に乗ったから手にできた表彰状。来年以降は皆さん等しく年をとるから、これはもしかしたら一生で一度きりかも。

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今回はスタートまもなく、まだ100キロくらい残っているのに転倒するし、暑いし、早い時期から、エイドで食べ物ものどを通らなくなり 、過去3回とは異なる違和感を抱えてのランだった。途中からは「関門で肩たたきされてバスに乗っけられるのは仕方ないけど、絶対やめない!」「亀さんでいいから…一歩一歩、ほらゴールだよ」って過去のウルトラで小学生が書いていた応援ポスターの言葉が脳裏に蘇り、自ら「ほら一歩、一歩、頑張れ私!」くるくる同じ言葉が頭を回るランだった。完走で大満足ながらここまでおまけが付けばなおうれしい。

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そう、「亀さんでいいから…」は忘れえぬポスター標語。初挑戦のウルトラ、6年前「越後くびきのウルトラマラソン」に参加したときのこと。あれも山越え7個もあり、きつい大会だが地元の方々の町内会あげての熱い応援が折れそうな心を支える大会だ。

この時私は初ウルトラで、力の配分もわからず走ってしまい、結果、最後85キロくらいだったかな?痛くてあがらなくなった足でこの先15キロ、どう前に進めばよいのか、なにが起きるかわからない漠然とした「恐怖」に襲われた。走っていて「怖い」って感じるのは初めてのことだった。

そんな中、夕暮れ迫るぼんやりとした明るさの中、目に映ったあの、たった一枚のポスター。緑が鮮やかだったから横目に入ってきたのかな?恐らく地元の小学3,4年生が書いたものじゃないかしら。画用紙一杯に甲良を見せた亀が書いてあって、その上に「亀さんでいいよ。一歩一歩、ほらゴールだよ」小さい子のそのポスターになんだか理由のわからない涙があふれ出てきた、あの時のことは今でもその部分だけはっきり覚えている。お陰様であのときはポスターの一言に勇気をもらい、初ウルトラで初完走、吹っ切りたい想いを抱えての初挑戦だったから、あそこでの完走がもしかしたら、そこから今に至るまで私の人生に影響しているかもしれない。

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気持ちを吹っ切りたいがための「ウルトラマラソン」だったはずだが、たまたまその後、葛飾柴又とか三浦みちくさとか第1回大会が近郊で相次いで開催されるようになり「せっかくならお初の大会を制覇」なんてやっているうちにウルトラマラソンにはまりだした。辛くなると必ず脳裏をよぎる「亀さんでいいよ、一歩一歩…」の小学生の標語。結局今回の大会もあの標語が心を支えてくれた。

というか…、何だか最近はふだんの生活でも私の心を支配している標語のような気がする。そう、亀さんでもいいから一歩一歩…118キロだって50センチでも足を前に運ばなければ前へは進まない…ふだんの生活も、多分。たまに後ろや横道それても基本、目は前にしかついてないのだから、前を見て。一歩一歩、歩みは小さくても。unnamed

今日はこの際マラソン雑感、ついでにもう少し書こう。良く質問うける「100キロなに考えて走っているの?」ってこと。

私も深く考えたことないけど、恐らく私はウォッチもつけずにそのときの気分で走っているから、こんな風になにも考えてないんだと思う。なんか一つの言葉だけが頭をくるくる回ってたり。何かしら願掛けをして臨んではいても、実際走り始めりゃはただ夢中で一歩一歩。

でもそれぞれウルトラマラソン毎に走ってる時、テーマになる曲がある。別に音楽

聴いて走っているわけじゃないけど、ただ曲だけがいきなり頭を回ってくるの。普段の生活でもよくある「あのコマーシャルが耳から離れない…」みたいな?

大抵はスタートで流れていた曲がそれになるんだけど。superfly にQueenに  Zard…アップテンポで応援ソング的な元気な楽曲。

ただ、不思議なのがこの大会。私の中で、この大会中頭を回るのは何とクラッシック音楽!というか

最近はわざとあえて大会前に曲を聞いて「あの曲のイメージでいこう」って決めている。

それはラフマニノフのピアノ協奏曲第2番!1楽章は真央ちゃんがソチで使ったから余りに有名だけど、あの1楽章の曲想が4時スタートの真っ暗な富士山麓を期待と恐怖を抱えて走る、ざわざわしたおどろおどろしい気持ちにぴったりはまり…夜が明けて山中湖から延々5湖を雄大なる富士山と共のランは2楽章(今年は瞬間転んだけど) の気分。そして最後の100キロ超えて残り18キロの気持ちは当に3楽章。後少し、でも急勾配の坂で終わりそうで終わらない、ここはダイナミックに最後にむけ徐々に盛り上がる曲想にぴったりはまる。やっと坂を上り終え一路ゴールへ…そこがまた、楽曲のころころ回るピアノの最後の見せ場にすっぽり合致。この法則、2回目挑戦の頃に気がついてからは以降、毎年この時期はかの曲を聴きながら過ごしている。

ピアニストはHelene Grimaud。曲のイメージで清々しくゴールしよう!そう考えてふだん聞いていると不思議、ぼーっと走ってても時折曲が頭によぎってきてくる。なんか面白い。ウルトラとクラッシック音楽。きっと富士山がそんな気持ちにさせるのかな?

今日のところは現場の進捗状況離れてウルトラマラソン雑感。今日だけは年の功で得たたなぼた、自慢させてくださいな! 年ばれるけど、いいや、そんな年輪!

 

 

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