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救われる想い

[2020.04.19]

雨上がりの爽快な青空のもと、今朝は自転車でクリニックへ。そこかしこにハナミズキやツツジが咲き乱れ、気持ちよくペダルをこげばいつの間にか到着。それでも片道1時間40分。

漕ぎながら「そういえば、こんなことさえなければ今日は富士山チャレンジマラソンだったんだ…」ふと思い出す。昨年10月の118キロ、途中で初リタイア。6回完走の夢かなわず…今年はリベンジと密かにエントリーしていたのだ。すでに3月には大会中止となっていたが、中止の当日に改めて思うと、改めて今の状況を認識せざるをえない。お日様は昨年やその前の大会と同じように照っているのに…

この3ヶ月…世界が日本が大きく変わった。そして今もなお。「一体いつになったら…」想いは皆同じ。最近私は思う。これはマラソンレース。いつもの118キロと同じ。朝4時に暗闇の富士山の麓をスタート。どうなるかわからない…暗闇の富士山に吸い込まれそうな恐怖と孤独で苦しくなり…でも前へ前へ、わずかな一歩でもとにかく先を見て。夜も白み、朝日は昇り…今度は熱さや熱中症の恐怖と戦いながらもとにかく一歩一歩。そうするうちにいつの間にか1/3 進み半分すすみやがてはゴールも視野に。終わりのないレースはない。そう思って今は「自粛」の一歩一歩積み重ね。

このコロナレースは数年かかる。そう思って取り組まないと。スタートダッシュでなく一歩一歩。

でも…歴史的なこの感染症で世界中あらゆるもの…経済のみならず良しとしていた文化や道徳、価値観全てが変わったり、途絶えたり、消滅したりするのだろう…

私も…ここまでこのコロナで自分の生活や築いてきたものが崩れてしまう危機にさらされるとは思っていなかった。自らが感染しないよう注意を払い、受診にいらした患者さんには接触を防ぎ、できる仕事を一つ一つ。こうして小さなクリニックのたち位置を保てばよいと思っていた。

ところがこの「緊急事態宣言」で普段私がクリニックを休みにしてやっていた内視鏡(検診)の仕事がすっかりなくなってしまったのだ。当たり前だけど歯科治療や内視鏡は「エアロゾル」が発生するから…中止はやむを得ない。自分が大事にしていた仕事でさえコロナにはかなわないのか!そればかりかこうなると、我がクリニッックも存続が。巷で話題になっている「飲食店」と同じ状態。開業して1年半余にこのような感染症が蔓延するなんて全くの想定外。この間少しずつでも増えてきていた患者さんも出控えで減少傾向。「どうしよう…丁か半か…転機をかけた自分の人生、コロナなんかでねじ曲げたくない…さりとてこれ以上のリスクも背負えないし…」昨日だってあんな土砂降り雨の中、来院してくれる患者さんだっている。落ち込みながらも先行きを案じていたら、これも患者さん、「僕は仕事なくなっちゃったけど今は将来の為に勉強して…次のステップに役立てるよ」ともすると私に子供がいたらおそらくこのくらいの年齢なんだろうな…と思うような若者一言。彼の一言で負の方向に流れゆきそうな気持ちのも変化が。

今の私にできることは、自分が感染しないよう注意を払いつつ目の前の患者さんと向き合い、そして乗りかかった船であるちっちゃなクリニック、コロナの波なんかに押しつぶされないように守ること。そして、大事な家族の御爺を守ること。88歳の父、私が感染したら確実に5人に一人のリスクに入っちゃうから。

皆それぞれの事情に応じて、今はこの感染症と闘っている。何の影響も受けてない人なんていないはず。でもゴールのないレースはないから。その先を、当たり前の生活を夢見て。

さて、話はかわり今日、先月以降後無沙汰になっている私の歌の先生メールしたところ、こんなメールで私の心を潤してくださりました。

心配事や自粛で疲れたり或いは少々凍てついた心にも響くことを確信しつつ…

このブログを呼んでくださった方の心の処方箋一つになれば…

以下、先生のご了承の下。

イタリアの○○さんから送られて来た画像のアドレスです。
一昨日、バイオリンの街のクレモナの病院の屋上で、クレモナ在住の日本人バイオリン奏者が、過酷な現場で治療に当たっている医師•看護師•スタッフを励ます為に、映画Missionの主題曲を演奏し捧げました。
一度、私がイタリアに住んでいた時に、電車の中で向かい合って
座っていたバイオリニストと思います。恐らくご主人との会話
から、劇場でコンサートマスターをやっている方と思います。
彼女の勇気に頭が下がるのと同時に、音楽の力をあらためて感じます…

Cremona, il video della violinista che suona “The Mission” sul tetto dell’ospedale

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