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最近気になる思春期の腹痛、続編

[2022.10.30]

朝晩の気温差に、日中の軽装を後悔することの多い最近…そのせいか、街路樹の彩りの変化も少しずつ出てきました…。コロナの自己検査&自己登録制度のおかげで、むしろ今はコロナ前の外来に戻って来た感じ。街の規制が緩和されると同時に、クリニック来院者もコロナ前の日常の風景へと変わる。これも世相を反映してるといえばそうなのかもしれませんね。けれど、報道ベースの情報では、既に弟8波の兆候ははっきりでだしているし、先日も、北海道から招かれた先生の学術講演を聴講していたら、あちらは弟8波突入、ひと足先に寒くなり、換気のための窓開けができないことが増加の原因とのこと。 その先生は「換気」を力説しておられました。 これからの季節、換気については怠りがちになりますが、心掛けましょうね。因みにうちのクリニックはめ込み式窓で換気をしていないなどと、誤情報流してますが窓、解放して換気もバッチリ、診療していますから、ご安心を。

さて、木曜に気になるニュースが。翌日、金曜日の新聞記事の一面にも出ていた「2021年の小中の不登校が過去最多、昨年度から24.9%増。小中高のいじめの認知件数も過去最多」とありました。不登校の理由は「無気力、不安」とのこと。文科省は長引くコロナ渦に端を発したストレス、心身不調が影響していると分析している… 

「やっぱり…」奇しくもちょうど1年前、やはり10月末の私が書いたblogの題目が「最近気になる思春期の腹痛」だった。今回のニュースはそれを裏付けるようなニュース。 ちょうど1年経過したので続編を。 結論から先にいうと、「ご両親や私が過ごした時代と、余りに子供を取り巻く環境が異なっているから、下手に精神論も語れず私は困って、治療に難渋してます…」となってしまう話ですが。

わがクリニックは消化器内科だから、ダントツ「登校前の腹痛」「下痢や便秘」「吐き気」「おならやげっぷ」そういった症状での来院がほとんど。 昨年blog書いたのも秋だったけど、やはり今年も二学期始まってしばらくしてからの来院が多い。ふたを開ければ、実は五月連休過ぎから学校行かなくなって今に至る…という患者さんもいるけれど。 制服を着て、学校終わってか、慌てておやごさんと来院の子供さんは、上記症状についても、対応しやすい。とりあえず学校には休みがちだったりではあっても、行くことはできているから。甲状腺機能はじめ、一通り検査で異常なければ、過敏性腸症候群等も考慮しながら、望めば漢方処方も含めて治療の選択肢もある。こう言った患者さんさんたちですら、対症療法はできても、根本治療にはならないから、ちょっと突っ込んで聞いてみれば、黙食で、早食いするから空気もいっぱいのみこみがちでゲップやお腹の張りがでちゃうのかな? 或はマスク下で相手の顔がわからないなかでの学校生活、時にはコロナ感染者爆発で学校がやすみになり、思うような学生生活が遅れなかった不安や焦りが、将来に対する不安に繋がってしまい、体調不良になるのかな? そんな、生活の窮屈さが症状と結び付いているのかもと推測されるような話を聞くこともある。小児科との移行期にあるような少年、少女たちの消化器症状の来院も、今回の統計が示す如く、コロナにより、生活変化した中での学校生活を送らねばならないことが影響していたのだろう。 診察していて私がきがついたこと。同じコロナ渦で、同じようにストレス感じて消化器症状に悩む大人とちょっと違うのは、小学校高学年、中学、高校…みんな3年くらいのスパンの生活のゴールが決まっていて、それまでの間に勉学、進路、友人関係も含めて、何かしら「形」にしなければ…みたいなものがあるから、それがコロナ渦なんかで思うように行かないと体調不良も来しやすくなるのかしら? 大人より頭は柔軟とは言え、成長段階だし、融通もつきにくいしね。あまり自分を追い込まないよう、周りの大人、勿論求められれば私も含めてサポートしてあげないと。  それとはまた別に、日中、いらっしゃる子供さんたち、症状はさておき、「で、学校は?」 「…」 しばらく休んでいたり、学校で症状が出るのが怖いから行かれない… で休みがちになり、本当に内科的症状があるかないか別にして、学校に行かなくなっちゃった子供たち。  うちに来る前に、お薬手帳情報では、既に他医、心療内科や時には精神科受診の経緯もあるケース。当然、検査も薬もしつくされ、該当症状への処方もしつくされている…。 親御さんは体質改善でも…と漢方処方を求められるけど、本人の顔を見ると、飲む前から、「そんなもの効果あるの?」みたいな白けた表情… 再診時、とりあえず服薬してはくれていても、学校は? 聞けばお休み。体調悪いし、行っても意味ないから行かない…って。 そのうちうちにも来なくなっちゃった患者さんもいるけど、こういう患者さん…下手に精神論も語れず、私は小児科でも心理学者でもないから、ただただ手を拱いてしまいます。何人か「意味ないから行かない」「無駄だから行かない」そういうけど、私なんかは幼稚だったのか、登校と「意味」「無駄」という単語が結びつかなかった。無駄とは言いつつも、ひとつくらい興味あったり好きなことない? そんなふうに会話の綻び先を求めて探って模索しています…

 

 

 

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