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花粉症と腸 下痢症状

[2023.03.26]

余りに出来過ぎで、漫画にも映画にもなり得ないような、夢の舞台に酔いしれた今週。桜も満開…。この一週間は何だかいつも以上にあっという間に終わった感じ。もう年度末。早い!

最近のクリニックは従来の「内科、消化器内科」としての業務が増えてきた…というか戻ってきた というかんじ。それこそ「年度末」ということで、前年度検診で指摘を受けたまま放置していた胃や大腸の精査の依頼、ピロリの除菌…。もちろん、「胃、腸の不快」で来られる方も「市販薬でやってみたけど回復いまひとつ。そろそろカメラの時期でもあるし」と、数年ぶりの来院者も。少しずつ、患者さんも戻ってきたというのも否めない。

「消化器内科」をうたっているせいか、先日「花粉症」で投薬中の患者さんが「花粉症の時期になるとお腹が緩くなるけど関係あるの?」と質問がありました。 結論から言うと「関係ある。花粉症というと直接的に曝露される目や鼻、肌の症状がメインだけど、反応が強い人は胃腸症状や頭痛、薬の副作用とは別にだるくなったり…」等の症状が出ることはある。  で、この患者さんと話しながら私は2つの事を同時に思い出しました。ひとつは花粉症の強い妹が「この時期、症状が軽減する」と「ヤクルト400」を飲んでいること。そしてもう一つは、度々blogで話題にしている「腸内細菌」が花粉症発症に関係あるということ。 まとめると「腸(内細菌)が原因の一つとして花粉症は発症し、花粉症の症状として腸症状(下痢症状)もあるよ」 腸と花粉症は切り離せない関係なわけです。 花粉症に悩む人も多い季節なのでもう少し掘り下げてみます。  「どうして?」 それはアレルギー症状を起こす白血球の一部であるリンパ球の産生に腸内細菌が関わっているから。 花粉症をはじめとした、生体内のアレルギー反応は、人間の身体に備わっている免疫反応の過剰な反応。本来は排除が暴走しすぎないように抑制のリンパ球とバランスがとれているはずのところが、有害な細菌などを異物として排除するという不可欠な仕組みが暴走しすぎて、本来排除の必要がないような花粉等にまで過剰に反応してしまうことで、鼻水、涙目くしゃみ…排除のための諸症状に苦しんでしまうという反応。この排除の仕組み=免疫 を担っているのがリンパ球。暴走を食い止めるために働くメインのリンパ球の産生に腸内細菌のうち「酪酸菌」が関与しています。そのほかの抑制に働くリンパ球の産生には別の腸内細菌が関わっていることも解明されて来ています。つまり腸内細菌の状態により、アレルギー暴走状態の様子に影響を及ぼすから、ここを整えることはアレルギー症状の軽減に意味のあることなわけです。 因みに酪酸菌を増やすには納豆やぬか。また腸内で酪酸菌を育てる水溶性の食物繊維も摂取することも効果あり。 このように、「花粉症と腸」 の関係は成り立っていたわけです。 因みに妹が10年以上かしら? この時期飲んでいる「ヤクルト400」 、彼女から「こんなひどい症状もヤクルトのおかげで目薬と点鼻薬ですんでる」と、飲み薬の処方を依頼されたこと無し。ちょっと気になって調べてみました。いろいろな検証は出てくるけれど、乳酸菌自体は腸内で増殖できないので毎日取りつづけなければなりませんが、酪酸菌を増やす効果があり。また、腸内細菌の状態を整えることでの効果を発揮しているのかも知れません。   もう4月。杉花粉のみの方はお疲れ様でした。私はまだまだ先が長い… 腸内状態を整えるには前述の食事のほか運動もですって。自転車通勤で桜のお花見と腸内細菌整え…一石二鳥ね。

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