メニュー

身近な尿漏れ

[2023.05.21]

まあ、今年の気候は猫の目のよう。暖かさ超えて暑くなったり、かとおもえば今度の火曜日はまた寒くなるとか?  どおりで…最近外来患者さん、風邪症状の人も多いのですが、「あの急に寒くなった日から…」みたいに、問診取っていると、体調崩した日が「○○日から…」と、はっきりしていることが多い印象…   道行けば紫陽花は梅雨入りの声も聞かぬうちから、もうすでに待ってましたとばかりに咲き始めて、一ヶ月は季節前倒し…        連休前にいらしてちょうど今時分に来られる患者さん、「連休、どこかでかけられたのですか」問えば連休は混むからとの、出かけない理由のほか「せっかくそと出られるようになってもねえ…トイレを考えると遠出したくても憂鬱になっちゃって…」と、外出控えの理由がトイレという方が少なからずといいうのにちょっと驚いた。意外にも「小」の方。「行きたいとき、さっといけないと」。私は泌尿器科ではないけれど、女性同士の悩み相談のように、診療ついでに聞かれることも多いので今日は「尿漏れ」をとりあげます。

40歳以上の女性の4割は尿漏れの経験ありとの、データが2003年にでていますが、高齢化にともない現実にはもっと多くの方が経験しているはず。「尿漏れ」といってもふたつのタイプがあり「腹圧性尿失禁」といって、急に重いものを持ったりくしゃみしたり腹圧がかかると起こるタイプと、もうひとつ「切迫性尿失禁」といって「突然尿意を感じて昔は我慢できたのにできなくて漏れてしまう」或は2タイプが混合したケースもあります。他にも尿漏れには感染症や癌、女性ならではの子宮内膜症など器質的な疾患での症状のこともあるのでこの辺はしっかり除外したうえでのはなしです。尿漏れが女性に多いのは解剖学的な構造が故。尿道が男性より短く直線的(だから膀胱炎にもなりやすい)、また出産や婦人科手術などを機に尿道を支える筋肉がゆるみがちなことから罹患しやすい。 私自身もジョギングなどをしていて「ありゃ、腹圧のせい?」と思うことがあったり、「急に」ではなくても、診療中も以前より我慢できなくなったな…と感じることがあり、齡を意識することあり。因みに…以下の「排尿チェックシート」でチェックしてみると私みたいなレベルでも4点で「軽症」相当になるので、他人事でもなさそう…。

腹圧性にしろ、切迫性にしろ、諦めるのは時期尚早で、まず下に紹介する「膀胱訓練」「骨盤底筋体操」は余りに簡単だから生活の一部として、簡単だから気がついたときに取り入れるのはどうかしら?   骨盤底筋訓練… 緩んだ尿道や底筋鍛える。とにかく簡単だから毎日やることが大事。  肛門、尿道、膣、つまりお尻の当たりをゆっくりぎゅーっとしめ、数秒制止して、ゆっくり緩める。これだけ。 10回を1セットとして1日に数回行う。 簡単だからテレビ見ながらとか、夜寝る前ふとんの上でとか、何なら電車通勤での一駅区間やってみるとか、こまめに続けることがポイント。腹圧性、切迫性どちらにも有効。  膀胱訓練…トイレに行きたくなったとき、少し我慢して、膀胱に尿を貯める量を増やす訓練。「行きたいな」と思っても「あと、5分したら…」と、少しずつ我慢する時間を延ばしていく方法で、これは切迫性尿失禁の方に有効。  こうした訓練だけでなく、切迫性、腹圧性どちらにも治療薬はある。切迫性には、行き過ぎた膀胱の収縮を抑える薬や、膀胱の筋肉を緩めて溜まりやすくする薬。また、腹圧性には、膀胱ではなく、漏れちゃう尿道の圧を高めて漏れにくくする薬などがある。 尿漏れパッドならまだしも、生理用品を代用している方もいらっしゃるけど、皮膚の弱い方は、特にこれからの季節、蒸れてしまい、2次的な弊害を起こすこともあるから、あまりおすすめではありません。 今までもblogに便失禁等書きましたが、中々相談しにくいかもしれません。「歳のせいだからしかたない」と諦めて、ましてや出かけるのが億劫…なんてさみしいもの。泌尿器科が敷居が高ければ、内科でも相談にのりますので、ご相談くださいね。 歳なんて、年輪には負けたくないです。

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME