メニュー

1年のトピックは大腸検査ができたこと

[2022.12.31]

今日は大晦日。穏やかな陽射し差し込むクリニック。さすがに今日診療の医療機関も少ないのか、朝から発熱の問い合わせも多かった。結果から言えば、今日は圧倒的にコロナの患者さんが多かったけれど、ここ数日の状況では、つい先週と比較しても、インフルエンザ、高熱を呈する胃腸炎の患者さんも増えてきた印象。コロナ、インフルエンザ、胃腸炎のみつどもえ。 コロナはもはや、老若男女、どこでかかったかわからない状況の感染だけど、以前より皆さん、いらした時点で明らかに軽症。ワクチン接種のお陰かもしれませんね。

感染者登録終えて帰宅のころには、既に夕焼け空。通常の(土)かとも思えてしまうけど、今日は大晦日なんですよね…。コロナ渦で迎える3回目の大晦日。おまけに今年は「戦争」を身近に感じる1年でもあり、日本の政治も地に足がつかず、何だか気分がいつも落ち着かない1年だった気がする。 そんな中、大晦日の今日、改めてクリニックの事情を俯瞰すると、決してわるい1年ではなかったような気がしてきた。

今年、大腸内視鏡検査を立ち上げたことが私には記念すべきこと。「こんな小さなクリニックじゃ絶対無理!」開業当初は時間や場所、マンパワー…クリアすべき課題多く諦めていた。「やりようによっては外来の合間でもできるんじゃない?」そう言いながら力をくれたのはスタッフ。一人じゃ思いつかないようなアイデアを出してくれたり、勉強もしてくれた。「女性のガン死の一位は大腸がん。早くわかれば内視鏡でとりきれるのに…」まずは検査を!検査へのハードルを下げたい!ならば近所でできれば…と常々語っていたからか、夢の実現へ皆が協力してくれた。

はじめは1週間に1件くらいからはじめよう…3月から本格的起動となり12月末まで、結果83件。予定以上の件数ができたようだ。昨日、初年度の症例をまとめてみた。83件のうち44件が何かしらの病変があった。多くは5mm以下の腺腫と呼ばれるボリープ。そのうち6人には10mm越える腺腫(放置すれば癌になる可能性もある)、さらにカルチノイドと呼ばれる内分泌腫瘍が2名。手術適応となる大腸がんの方も1人いた。或いは潰瘍性大腸炎が症状の原因と、内視鏡やったから原因が判明し、治療開始となった方も1人いた。こういった病変のあった方の多くは便潜血検査で陽性だったり、以前内視鏡歴あり経過観察の施行、症状あっての検査という人が受診理由だけど、中には無症状で、スクリーニング的検査で看過できない病変が見つかったケースもあった。

勿論、これらの検査結果は私がやらなくてもどこかの医療期間で遅かれ早かれ見つけて治療となったと思う。でも、僅かでも「近くで検査できる施設があったから行ってみたんだ…」みたいなノリで検査を受け、結果、早めに病変が見つかったのなら、「検査ハードル下げ早期発見を」と掲げる、かつて私がライフワークにしていた仕事を、この地でも少しずつ達成できるのではないだろうか。

こうして改めて文章にしてみると、結果的には、また一歩前進した一年だったようだ。私一人じゃ観音様みたいに腕が何本もある訳じゃあるまいし、絶対こなせない。看護や事務、全てのスタッフ、愚痴聞き役の御父や家族、皆の支えがあったから。世界がどう変わろうとも、自分の足下をしっかり見定めながら、1歩1歩、築いていければと思う。  いくつになっても、夢物語っての諦めちゃだめね。  そして患者さん。予約制で発熱患者さんも別枠で診察したりしているから、窮屈な思いもさせていると思う。「このうえ、発熱外来なんてやらなくてもいいのに」って声もあるだろう。それも、「感染の時代に医師免許持ってるんなら時代のニーズについていきたい」という私の想いの犠牲かもしれない。 そんな私について来てくれる患者さん、大事にしなきゃ。

そんなわけで、1年締めくくります。皆様、1年お世話になりました。新年は1月4日からです。   それでは良いお年を。

 

 

 

 

 

 

 

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME