開業決めるまでの裏ばなし
- 開業決めるまでの裏ばなし~その1~
- 開業決めるまでの裏ばなし~その2~
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- 開業決めるまでの裏ばなし~そして決意~
開業決めるまでの裏ばなし~その1~
[2018.02.17]
開業決めるまでの裏ばなし~その2~
[2018.02.23]
開業決めるまでの裏ばなし~その3~
[2018.02.26]
開業決めるまでの裏ばなし~その4~
[2018.03.02]
開業決めるまでの裏ばなし ~その5~
[2018.03.06]
開業決めるまでの裏ばなし ~その6~
[2018.03.12]
開業決めるまでの裏ばなし~その7~
[2018.03.17]
今日あたり桜開花?
現場も気になるけど今日は行けないので明日に。
では、話を先に進めよう。前回の続きの。
治代さんにお願いする少し前に医業総研の小畑さんを保険医協会から紹介していただいていた。
そもそもこの会社、税理士さんが始めた会社だそうで、開業してうまくいかないクリニックの立て直しに携わるうちに「開業前の計画に問題あり」という事実を見いだし、開業支援の当初から関わる会社を設立しようということになりできあがったそうだ。小畑さんに会った初日の自己紹介の中でその話がでたことも、お願いする理由のひとつとなった。
そういう会社だからこそなのか、はじめに向こう5年間の収支出のシミュレーションを作成したいとのこと。彼曰く「うちは開業1年後には1円でも黒字になるように計画します!」
「はぁ~まあなんとも頼もしいというか、強気の発言…。」
小畑さんは続ける「なので本来は仕事の内容にあわせて場所選びからといきたいのですが、今回はご自宅開業ですよね
現場を徹底的に調べて1年後黒字が達成できないようならお勧めはしません」
そりゃそうだよね...今までもこうして最後には、駅前で上下部検査特化クリニック開業を勧められたのだから…それに小畑さんのとこは成功報酬でその後も面倒みるつもりみたいだから…危ない橋は渡らないよ…
しかしかつてとは違う。私には頼る税理士さんと以前たてた案があった。費用の一番かかる解体建築費用は上限ありき。
ここがクリアされなければ計画はなくなる。ただそんな計画でも引き受けてくれた建築士夫妻既にが私にはついている。
実家はどっぷり住宅街の中だが、裏からも出入りできて駅には近いという立地の情報を伝えるとともに、月曜、火曜日は全日休診とすることを伝えた。2日間を外勤にあてれば収入ゼロではなくなり、全てをクリニックの収益を当てにしなくてもよくなる。そして月曜は、大腸内視鏡に関しては医療連携もできている。そのかわりに(土)(日)の午前はクリニックをあける。さぁこれでどうだ!!
あとは診療に必要な機器をどうするかを伝えた。検診も請け負いたいからレントゲン、心電図。血球計測器もほしい。
消化器内科なので腹部エコーは置くとして、後は胃カメラ!どうしますか?と小畑さん。これ1台で今あげた全てを買えるくらいの額。それを知る私は自分のクリニックに内視鏡がなかったらどうなるか、外来に内視鏡を置いてない施設のバイト、何回かこなして検証を試みていた。なにもなければよいが、カメラ検査が必要な症状の患者さんが来たらもう大変。
「ああ、ここに胃カメラあれば‥すぐにちゃちゃっとできるのに…」そう思いながら他施設への紹介状を書くときの何とも苦々しい、抽出しすぎた紅茶を飲んだ時みたいな気分…。
こんなこと来る日も来る日もやってたらこちらの胃に穴が空いてしまうよ…これが自己検証結果。
なので中古でも何でもいいから施設に入れたいと伝えた。
ひと通り私の考えを聞いた上でシミュレーション、たたき台を作成してくれることとなった。
2週間後、初めて行く和泉多摩川にある白崎夫妻の事務所へ小畑さんも同行してくれた。
既に治代さんは、渡したクリニック開設までの資料をもとに、来年9月の開業にあわせて7月末に引き渡すためのタイムテーブル、クリニックに必要な部屋、広さなども考えてくれていた。それによると9月中にとりあえずの見積もりを業者さんに出してもらうよう8月中に設計を進めたいと。ってことは9月に判決が下るわけだ。伸るか反るか!
そしてクリニック建築の必要な情報は小畑さんがサポートしてくれることを快諾してくれた。
ってことは…果たして小畑さんからの診療圏調査報告書では、私の出した案をふまえ「我が家中心の半径500メートル圏
内」特に年輩の方が多いエリアを大切にすれば成立するとのことであった。開業当初の貸借対照表、所年度からの収入表と年次推移、細かく示され、またそこにあるような計画のために、一日あたり診る患者数もそう無理な計画ではなくて、何より内視鏡の見込み予約数が当初は3日で1人、1年後から5年後までずっと毎日1人とカウントしていたところに私は現実性を感じた。但し…小畑さんは続けた。「まあわかりにくい場所ですよね。僕も地図みても迷いました。宣伝ですよ!せんでん!これが一番大事!!」
とにかく医業総研サイドもなんとかギリギリ可能案件!と評価してくれた。ふう…やれやれ
お世話になる税理士さんにも資料お見せしたところ「まあ、こう右肩上がりじゃないだろうけど…雨降りゃお年寄りは一日家からでないしねえ…」しかし資料の数字にそこまでおかしなとこはなさそうだとの見解だった。
何とかいけるかなあ…
そんな中、我が父のみが半径500メートルの円が記されている診療圏エリアの地図を見せたとたん、
「これ、お母ちゃまが生きてた頃の自転車の行動範囲だ!金丸さんって知ってる人も多いから…きっと大丈夫!僕、チラ配るよ!」何とも前向きお気楽モード。ニコニコ嬉しそうだった。
開業決めるまでの裏ばなし〜その8〜
[2018.03.18]
今日は久しぶりに予定なしの日曜日。住まいから実家まで、片道ジョギングで。ハーフより少し長いから23キロくらい。トレーニングには最適だけど通勤毎日ジョグはきついかな?
走りながら、クリニックのシンボル、オリーブの木にすること、思いついた!
私の大好きな地中海沿岸の国々。毎年ガス抜きと称してあちらの国々、休みがあれば出かけていた。「当分忙しくて行けないぞ」クリニック開設にあたりそこを心配する知人もいるくらい。地中海の風にどこまでも続くオリーブ畑の木々の葉がいっせいにさらさらと…心なごむ風景も当分見られなくなるからクリニックにはオリーブ植えるか、置くつもりでいたのでちょうどよいわ!
走りながら思いついた!
で、勢いで昨日の続き。
次回の打合せまでの1ヶ月、クリニック勤務経験のあるナースからのアドバイス、実際私が勤務しているところで設計に参考になりそうなことなど、写真やメール、送れるだけ送った。設計経験のある建築士だったらけむたかがられたかもしれないが、治代さんは参考になる!と目を通してくれた。一番はじめに「我が家のような、落ち着くクリニックがいい。むしろクリニックなんて思わないでカフェを設計するイメージで。あと木の温もりを感じるような…」という私のなんとも漠然としたイメージは伝えていた。
そして7月末に立体図完成!
はじめはプレハブでもいいなんて言っていた私にはもったいないくらいの、モダンな竜宮城が出来上がっていた。
小畑さんとは別途、クリニック建築に必要なことはアドバイスを受けていたようで、保健所にも図面をすでに面通しし、知らぬ間に保健所に言われた通りのことも図面にはもりこんでくれていた。
さらに、治代さんだけでなくご主人も全体を総括して見てくださり、夫婦で事務所を構えるからこその男女の目線で出来上がった図面に文句つけるところは何処にもなかった。
おまけにちょこちょこ私が送った、方々のナースさんからの細かなアドバイスももりこまれていて、細部に至るまで、いろんな人の気持ちがこもっているようで私は嬉しかった。「じゃ、全体はこれでいいからあとは窓の大きさとか微調整の打ち合わせね」ということで、そこから数回は私と父も参加して事務所での打ち合わせとなった。
「父も参加して…」父所有の地面だし、ボケ防止にもなるから…というのは表向きの理由。本当の理由は「あそこに50年住んだ自負と長年ゼネコン勤務で培われた建築に関する知識も多少あるから父不参加で話を進めると大変かも!」
案の定、予感的中!
一度みんなで良しとしても、陽当たりが…水捌けが…その場で質問しないであとからごちゃごちゃと。時代は次のオリンピックに向かっているというのにかつてのオリンピックの頃の建築資材で話をする。決まった事に後からごちゃごちゃ…この性格、生前の母も手を焼いていたのを私はつぶさに観察して知っていた。母と同じてつは踏まないぞ!
ましてや建築物。できあがってからああすれば良かった…などと私の背後で呟かれたのではこちらの身がもたぬ。
「治代さんたちプロが大丈夫と言うのだから大丈夫!」私が言ってもなんの解決にもならず。その度ごと、時間をさいてご主人、治代さん何度も解説を加える。それも少しばかり弱った父の脳細胞にたいして。製図より余程面倒な作業だったと思う。でも、ありがたい。「よいクリニックつくるという気持ちのベクトルは同じ方向なんだから…」私はいつかはどうにかなると思っていた。しかし余計なところで時間がかかっている。治代さんも8月末までの業者への見積もり作成依頼までの時間を気にしている。父が気になるのは、診療スペースではなかったので私が折れて父の気がすむようでよいと治代さんに伝えると「依頼者が気に入る建築物にしたいから!」治代さんは地道に丁寧に説明を続けてくれた。
開業決めるまでの裏ばなし~その9~
[2018.03.23]
裏ばなしの裏ばなし~そして決意~
[2018.03.29]
二年間を振り替えると前回までの話が全体の流れ。