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アラレちゃんの💩は今じゃ茶色い宝石

[2024.03.24]

桜開花予想は明日だけど…無理ね。寒いもの…。風も強かったり、春の嵐が多過ぎて今年の3月の陽気、春待つ穏やか陽気とは、とても言えないものね。   さて、今週のクリニック事情。麻疹の流行をメディアでも取り上げているからか、問い合わせ数件あり。うちの規模じゃ、日常業務が遅滞するほどなんてわけないのに、テレビは、予防接種専門クリニックに取材をかけるのか、一部のてんやわんやクリニックの取材が、余計に世間を煽っているような感が否めず。 確かに出荷調整に入っているワクチン…。卸業者からは「入荷しても、とりあえず小児の接種義務あるところ優先です」との回答。当たり前に仕方ないこと。とりあえず抗体測定して抗体があるならやり過ごしてよいのでは?因みに、私の昨年5月28日のblogに麻疹ウイルスのこと、既にちゃんととりあげてます!当時も話題になっていてからね。コロナが、5類になったタイミングで流行り出したとあの時もメディアが騒いだ。 数ヶ月ごと、話題になるのよ…。今に始まった話じゃないから。因みに罹患した記憶なくてもしっかり私は陽性だった。そんなもんだ…。

ところで…先日ドクタースランプアラレちゃん作者の烏山明さんの訃報が駆け巡りました。私はまさにドハマリ世代。学生かばんの中が借りた漫画で一杯、蓋が閉まらなかった記憶も。アラレちゃんといえば「💩」。アラレちゃんがしゃがみ込んで「つんつんつくつんつん」つついているコマはまだ残像映像みたいに頭にこびりついている。 その💩が、今や「茶色宝石」と持てはやされるのが化学の潮流。今日は💩繋がりの話題。💩を調べると今やその人の腸管内細菌の様子がわかるのは先日からのはなしのとおり。

今週、これを茶色い宝石と称した、腸内細菌のウェブセミナーがあった。その話題のなかからひとつ、「持久力と腸内細菌」の話を。テレビや雑誌にも登場する機会が多いので、知る人も多いかもしれないけど。慶應大学の福田先生が演者だったのです。話術たくみで最後の「ご静聴」 ならぬ「ご整腸ありがとうございました」にいたるまで、楽しく拝聴。結論は「持久力アップには腸管内で短鎖脂肪酸を増やすのよい」ということなんですが。 既に2019年には、アメリカでボストンマラソン完走者の糞便にはベイノレラ菌が多く、この菌は腸管に放出される乳酸から短鎖脂肪酸を作りだすことがわかっている。持久スポーツをすると筋肉や肝臓のグリコーゲンをエネルギー源として消費する。その代謝物質が乳酸で、この一部が血液に流れて腸内にいくとベイノレラ菌の餌となり、カスとしての短鎖脂肪酸が、その腸管持ち主の人のエネルギー源となるのだそう。 福田先生らのグループはこれを基に日本人のデータとして駅伝優勝校、青学の駅伝選手48人の糞便から腸内細菌と、同年代20人のを比較したところ、彼らの方が10倍以上バクテロイデス ユニフォルミスという、ボストンマラソンとは違う菌が多く存在し、この菌が多さと選手の3000メートル走のタイムが逆相関だったのこと。で、メカニズム解析のため、この菌をラットに注入して腸に増殖させて強制水泳試験をすると(倫理委員会通して)、菌が多いラットほどおぼれないでいる耐久性があったので、じゃあ人間では?となる。 人間に菌を飲ませるわけにはいかないので、菌の餌がなにであるかはわかっている、オリゴ糖(αシクロデキストリン)を8週間摂取。たしかに8週後にはバクテロイデスユニフォルミスは腸内で増加していた。その後エアロバイクを10キロ漕ぐ運動をしてもらうと、10%の時短、そして疲労度合いも少なかったと。何故か?このバクテロイデス ユニフォルミスが腸管内で短鎖脂肪酸を作り出す。これが血中から肝臓に到達すると、β酸化をうけて糖新生に働き、これが、グリコーゲン、つまりエネルギーとなり全身の筋肉に働きかけるから持久力増加につながったのだと。ボストンの解析といい、腸管内で短鎖脂肪酸が増えると、持久力アップ ということになる。 さらに短鎖脂肪酸は免疫力アップ、肌質改善、感染症予防、花粉症予防にいたるまで、身体にとってかなり良い効果を及ぼしていることは既に前のblogに書いたとおり。 

さらには💩を調べることによる腸管内細菌レクチャーは薬やヘルスケアにもおよんだのだが、もう少し付け足しの興味深い情報。福田先生らは健康な20歳~40歳代8人の腸管内細菌を2年間、その糞便で数ヶ月毎に調べた。と、それぞれ多少構成細菌は揺らいでも、ベースの細菌は余りかわらないのだ。 同じ日本人でも?と感じたけど、これは先生に言わせると、その細菌の違いは哺乳類ならば人間とチンパンジーくらいの差だそうな。「例えばスマホを知らない人類に初めて渡せば、ボタンをいじったり、使いこなす努力を始めるかも。でも、チンパンジーはせいぜい投げて遊ぶ程度だろう。 つまり、スマホ=餌を腸内細菌に与えても、構成する細菌により、有効利用=短鎖脂肪酸造るか否かはその人の持つ細菌次第」 と。「自分の腸内に良い細菌をつくり、彼らに良い餌を食物として人間が摂取して、短鎖脂肪酸を作ろう」 ということで、最後は、細菌テレビコマーシャルにもなっている、福田先生らがはじめた「ボディグラノーラ」の話になっていきましたが。 最後に「人間は歩く糠床」ですって! アラレちゃんの💩 今は時代の最先端の研究に役立ってます!

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