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エクオールの女性ホルモン効果

[2023.08.27]

8月最後の日曜日。青空に湧きだつ入道雲にトンボが目の前を通りすぎる…挨拶と合言葉がわりの「あつくてあつくて…」も、もうあと何日か。あちこちで見かけた夏祭りも今週末が最後の週。何か寂しい気持ちも。

今週は「更年期のエクオール使用の効果」について。 「更年期」。いまさらだけど、だいたい閉経を中心として前後の5年くらいの時期を指すので、45歳くらいから55歳くらいの時期。このくらいの年齢は男女問わず、社会的にもプライベートでもちょうど何かにつけて中心的立場になる時。そんな時期に女性の場合、卵巣から分泌されている女性ホルモン=エストロゲンが、出産可能年齢を経てへってくる。エストロゲン分泌については、脳下垂体という、頭の奥の方にある僅かな場所から出る刺激ホルモンに応じて分泌されるわけだけど、いくら刺激しても卵巣ではエストロゲンは出なくなって来る…。この不具合で更年期の症状がでてくるわけ。また、身体のいたるところ、皮膚や骨、血管に「エストロゲン受容体」が存在しており、エストロゲンの分泌が減れば、受容体との結合ができず、そのことで体調不良の原因となって来るわけ。更年期の症状といえばホットフラッシュや汗がとまらない…等が有名だけど、その症状は一説によると200以上にも及ぶとのこと。 この更年期症状の改善に一番の効果は「ホルモン補充療法」。足りなくなった女性ホルモンを補えば、症状が軽減するのは、当たり前。色々な製剤もあるのでこの辺は婦人科の先生に相談するのが一番。ただ、乳癌や血栓症、子宮体癌など、疾患リスクがあったり、「ホルモン補充」ということに何もそこまで…我慢できないほどの症状でもないしと抵抗感をもつ方には「漢方治療」、そして、エストロゲンとよく似た化学構造を持つこの「エクオール」が症状の緩和に用いられるわけ。私のところにも、漢方治療も行っているせいか、更年期の消化器症状(腹部膨満感、便秘、ガス)で来院される患者さんはけっこういらっしゃってます。消化器症状+更年期の、のぼせ、いらいら、等、多岐にわたる症状を診ながら、漢方も、その人に合わせて教科書的な典型漢方処方に寄らず、色々やっています。なので更年期の漢方処方にもある程度手応えは感じていましたが、今回、製薬会社の担当者が、産婦人科の医師(佐藤智子先生)がホルモン療法、漢方、エクオール治療効果を検討した資料を提示してくださいました。3ヶ月以上治療継続した86例の対象ですが、それによると、「ほてり、発汗」にはホルモン補充療法が効を奏していたけど、動悸いらいら抑鬱、めまい、腰痛、等などについては、3者共に更年期症状の治療後のスコアの変化が治療前と比べて有意に低下。先生も考察として、ホルモン療法ができなかったり治療効果がいまひとつな場合、それぞれを「足し算」のように併用したり、ないしはエクオールを、サプリメントとして、「マイルドなホルモン補充療法」としてとらえて使用しても良いのではないかと提示しておられました。また、製薬会社資料によるとエクオールを体内で作ることができる人はできない人に比べて更年期症状も軽いということが、尿中の排泄量の検討から提示されていました。   私はエクオールのことについては「大豆イソフラボンが女性のかラダにとって良いみたい」という漠然とした知識の中で、腸内細菌を学んでいる折、腸内で作れない人が女性の半分…自身で微妙な更年期症状も感じていたので、摂取開始とトライ。多忙から名なのか、更年期なんだか自己分析困難なメンタルの揺らぎには漢方…つまり足し算でいうなら漢方+エクオールで対処しています。  先日も書きましたが、使っていない自分を比較できないから効果のほどをすごーくオススメ!とはっきり言えることではありませんが、こういう対処法もある…と見聞を深めていただければ幸です。 エクオールの話は次回は関節症状の軽減について。もう一回続きます。

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