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変わらぬ人類の睡眠時間

[2024.03.03]

今日は3月3日。少しほっとできる陽気だったけど、それにしても今年の2月は振り返れば風の強さしか印象に残ってない。毎日、やたら向かい風に負けじと自転車漕いでいたような‥。だからと言うわけではないが、今年は風に花粉も撒き散らされているのか、花粉症投薬希望が例年以上。おまけに今の段階で「昨年より今年の方が堪える」と、別の薬や鼻や目への局所薬の追加希望者が多い‥。いつもの定期処方で来院の患者さんも、新たに花粉症薬やデビューの方も。「何とか凌いでいたけど今年はダメ~」と。 そんな時、一応薬の説明かたがた、寝る前や夕食後服用の場合、「これなら、朝まで持ち越して眠気が残ることは多分ないから‥」と話す。と、意外なレスポンスが多い。「よく眠れるくらいならちょうどよい」と。 内科での投薬のついで的な感じで睡眠薬希望者には漢方含め、処方することはある。今まで通院されていて、不眠の欠片もこぼしたことのないような複数人から同様のフレーズを聞いたのは意外だった。  そんな折、医学情報紙に睡眠の話題があったので、今日は私が興味深く知見をえた内容を。  まず、大前提として健康度からみると、7時間程度が至適。睡眠時間が短すぎても長すぎても糖尿や肥満のリスク、認知症やうつ病のリスクにもなるという報告もある。 まあ、このへんは認知されているはなしだ。で、へえと思った話が、この時間は歴史学的にみても、民族的にみてもあまり変わらない時間なのらしい。 最近、歴史学者により近代以前の睡眠習慣や睡眠生活が明らかにされた。それによると、中世やルネサンス時代の西欧では、21時くらいに就寝して暫く寝たあと、夜中に1~2時間目覚めた時間があり、また、明け方に3~4時間寝るという形式だったとのけと。この夜中の覚醒時間に思索を巡らしたりしていたようだ。それと呼応するかのごとく、平安文学でも夜中の活動の記載がある。そういえば、夜這いもなんていうのもね‥で、近代産業が発達すると、ガス灯、電気の普及で就寝時間が昔より遅くなり、夜中の覚醒がなくなり、起床時間は変わらないため、睡眠時間自体は今も昔もかわらないそうだ。また、もうひとつ興味深いのは、原始時代と変わらない生活を続ける隔離されたアフリカや南米の狩猟民族の睡眠についての報告。携帯型活動量測定器で彼らの睡眠を調べると臥床時間7~8.5時間で実際の睡眠時間が5.7~7.1時間と、私たちとほぼ同じだったとのこと。 睡眠習慣は時代や場所で変化はあれど、睡眠時間や時間帯は人類としてみれば、あまり、変わらないのね。 ついでに睡眠薬の絡みで、眠ることを薬に求めるようになったのはいつ頃から? なんて調べてみた。いつも私が漢方絡みで処方する、いくつかあるうちの代表的「酸棗仁湯」は漢 の時代からでしょう? それより前に何か?? と調べれば行き着いた先は古代ギリシア、アリストテレスは書物に人の眠りをよくするものとしてワイン、ホビー、マンドラケ、ライグレースなどをあげているとか。不眠症の歴史も相当古いよう。   私自身がいつも臥床後、10分しないで寝入るのはそもそも通年性アレルギーで、一日二回のアレルギー薬、夜帰宅後服用したり、服用している漢方の影響かも。たしか、効能に不眠症もあったっけ。  2月29日の閏日。去る2024年の。 私は確信犯で「1日儲けた」と捉えて休診。 ひたすら目覚ましかけず寝ると決めて寝ました。 結果体によくないかもしれないけど10時間。疲れとり明日への活力と自分に言い訳するも、さすがにいつもの倍だあ。睡眠負債解消は体によくないが。 で、起床後読んだ雑誌に奇しくも睡眠絡みの記事が。そんなこんなで興味深く読んだので今日のblogにのっけてみました!

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