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学校産業医の先生のはなし

[2023.12.17]

あと、2週間で今年もおしまい。街路樹の銀杏がまだ場所により青かったりして…。土曜日も暖かでしたね。 気候からは年末を意識しづらい普段とちがう12月。耳に入る情報の一つ一つが良くも悪くも「驚嘆」が多すぎる年末も今まであったかしら? 大谷選手の移籍会見。本人のプライベートな報告というより、周囲への感謝、優勝するために、既にチームメイトに優勝のために呼びかけるような発言の後には、例の派閥裏金問題。ここまで組織的な悪事は驚きより怒り。元党首にいたっては死んじゃったから未解決の問題だってあったはずどうなった?…そして長期化しつつある戦争… 

クリニックの近況は…。確かにインフルエンザの患者さん、コロナ渦前の例年よりは多いけど、発熱の問い合わせで外来が回らなくなるほどではない。それより、感覚として感じるのは「風邪症状が鼻にある人が多い」ってこと。「鼻水が垂れて垂れて…」今年の感冒は鼻炎症状がメインなのかしら?…  さて、去る土曜日も午後から産業医研修会。聴講した中で私自身が見識新ただったことを先週から綴っているけど、今回もそんな中からひとつ。「学校の労働環境の問題」について、学校産業医の先生から話があった。うちにも小中高校の教員が何人かいらっしゃる。慣れてくれば時に日常の業務の話も。どう考えても優良職場環境とは言いがたい。「こんな劣悪じゃ体も壊すよ…」そう思いたくなるが、それは教育現場全体の問題のようだ。そもそも働き方改革として明文化されたのは、たった3年前から。決してうまくはいっていないようだ。「早期帰宅、ノー残業」をうたっても業務内容が減らなければ、結局持ち帰り業務に。家で業務なら寝る時間も惜しんでとなる。うちの患者さんも、それこそ先述の「睡眠負債」貯めまくっている状態…。実際、講義によると、教職員の病気休職者は令和3年は5900人弱。平成20年あたりからほぼ横這いで、半数以上は精神疾患とのこと。この背景、教員の年齢構成もあるらしい。20年くらい前、一時期国策で教員を減らした関係で30代後半~40代が少なく中核になる人材が少ないということもあるらしい。また、休職者の半数以上のメンタル不調…調べてみると、想像に難くない「児童、生徒親子さんとの関係」「時間外労働の多さ」ではなくて、質問紙からは「職場の同僚、上司との関係」だったのだ。職員室! また、教職員は一般企業と違い回復して復職しても「配置がえはなし。元の職場に戻らないといけない」という特性がある。休職者がでれば、残りの職員が益々負担増になるわけだから一次予防がポイントになり、この先は、職場巡視もふくめた環境作りや早期発見のための学校産業医の出番となるわけ。 …更にこの先も産業医研修の話はつづいた。

先月から、単位取得に奔走した産業医研修会。こうしてよくよく聞いてみると、日常診療にも役に立つ現場の状況など、患者さんの生活背景もわかるお題もいくつかあった。 産業医としての活動はなくても、なかなかこういう研修会でなければ知り得ない内容も。 たまにはこういうのも大事ですね。開業だけだと、自分から求めない限り、日々の雑務で終わってしまい時代から取り残される。 その危機意識も大事ね。  研修会参加していてそう感じました。

 

 

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