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弟5波?本日はゴメンなさい。そしてヒスタミン食中毒

[2021.07.25]

……直前に…、とんでもないことがあっても、ドミノ倒しのようにバタバタと開始に至ったオリンピック。開催国のいち国民としての感想は、「無理に無理を重ねた大会なんだから、こんなものなのかな…」の一言に尽きる。 正直、開会式で自国開催に感極まる…って言う気持ちは起きなかった。 限られた中で開会式のために尽力した方々もいらっしゃるから、そういう皆様には「お疲れ様でした」 労をねぎらわなければならないのだろうけど… ここに至るまでの辞任解任のドタバタは改めて、日本がもっと成熟した世界標準並の国になるための問題提起。これから改善改革するためにも、その結果、ああいうちぐはぐな開会式となってしまったことは心の留めておかなければならないのだろう…私なりの勝手な意見だけど、時間調整やパズルピース合わせのように使えなくなった部分に時間稼ぎするなら、「復興五輪」掲げてきたのだから、埋め合わせの分に、何か、観客も外国人も来なくて寂しい想いの福島の復興の映像を流すとか、他にできることもあったような気がするのだけど。  それでも、その数時間後に当たる昨日早朝、自転車通勤に利用している東八道路がロードサイクルのコースになっているとかで、準備の大会関係者の姿を目にしたときは、「この道が数時間後にオリンピアの晴れ舞台になるのね」 という開催国らしい実感も多少は味わったこの週末。

いや~今日は今までのコロナのどの波のときよりも凄かった。弟5波を実感。

朝、開始とともに電話はなりっぱなし。来院された方に聞いてみると周りの医療機関は休みだからと、発熱センターは(通常は数カ所案内するらしいが)わがクリニックしか案内してくれないとのこと。道理で。電話多いわけね。おまけに(完璧ルール違反!)電話繋がらないからと直接、初診で来院する人も現れ…。これじゃ、コロナ渦での密回避の予約制の意味ないよ~  なので途中からは、「本日の診療は発熱患者さん対応のため診察不可能です」とお断り留守電にした。この間、電話された方にはもうしわけなかったけど、でも、限度はあるから。改めて今回の波の激しさをかんじてしまう。ブルーインパルスみたさに殺到し、開会式を味わいたいからと、ここにも殺到…。4連休万歳で海や山にレジャー。人流は抑え切れず、一方発熱すれば、こうして電話も殺到… なんか…割りきれない… もはや我慢も限界で「感染対策してるから大丈夫」「ワクチン打ったから大丈夫」 となるのも仕方ないけど。皆イベントに飢えているから、こうなるのもわかる。でもね… 症状聞いて、必要ありと判断してPCR検査や投薬、電話での結果報告の案内(公費で検査してるから出歩かれては困るから)、そこまでやっても「発熱の原因わかんないんですね!」などと言われてしまい…なんか… 凹む…。そんな中、常連の患者さん、おおよそそんなこと言わなそうな方から、「先生、倒れないでくださいね」 とぽつり。その一言に救われた1日だった。

さて、食中毒に追記を。つい数週間前にもあったっけ。男性の患者さん。「ヒスタミン食中毒」。これは、今までの細菌性食中毒や、いわゆる小麦や卵アレルギーのような食物アレルギーとは異なるもの。アレルギーの原因となる「ヒスタミン」 をたまたま食べた魚が含んでいたがために症状を起こしてしまう。顔や首が赤く蕁麻疹がでたり、腹痛、下痢や嘔吐の消化器症状、頭痛やどうきなども現れることもある。 アレルギー体質だから云々ではなく、たまたまヒスタミンを含んだ魚を食べたがために、食後1~3時間くらいすると症状が出る。大体半日から1日くらいで回復するけど、症状は結構激しいから、慌てて病院に駆け込むケースも。発生機序は魚の筋肉に含まれる「ヒスチジン」 というアミノ酸が、「ヒスタミン産生菌」によりヒスタミンになり、これが貯まった魚を食べることで症状がおきてしまうわけ。ヒスチジンの多い魚はマグロやカジキ、かつおやぶりやサバ、イワシ(うちの患者さんはイワシだった)。要するに赤みの魚に多い。  ヒスタミンはできてしまうと加熱してもダメ。ヒスタミン産生菌は30~37度くらいの環境を好むので、ヒスタミンを作らせないためにも室温での放置は禁。また、産生菌は消化管や魚のエラにいることが多いので、早めに下処理を。さらにもし口にしたときにいつもと違うピリピリ感などがあった場合は、念のためその先は口にしないほうが無難かも。それも予防策ね。 その患者さん、家族の誰一人同じ症状の人はいないから、食中毒とは思わなかったみたい。ヒスタミン食中毒なら自分だけがなってしまうということもわかり、何より悪い病気の兆候でないことに安心したのか、「かーちゃんが安いの買ってくるからさあ~」 と。「たまたま水揚げした時の状況にもよるから関係ないですよ」 奥様の名誉は守ってあげなくっちゃ。

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