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赤血球増多とメタボ

[2024.02.25]

3連休、本当に寒かった~。金曜はもともとクリニックは定休日だし、昨日今日も通常営業。かえって、いつも通りのスケジュールでよかった。寒くて冷たい雨…仕事でもしてないと、私の場合、ボーッとしてリズム崩しちゃいそう。 ただでさえも最近の気温の乱高下…、やれ5月並、例年通り、冬の寒さに逆戻り…天気予報の言葉に反応するがのごとく増える、「気象病で…」「気圧のせい?」それに加えての花粉症… こういった患者さんの来院を診ていると、地球号の乗組員の一部に過ぎないわれら人間の繊細さを感じてしまう。

さて、数回前のblogにも書いたけどこの時期、検診結果での再検査、要精密検査相談が多くなる。やっとコロナ禍前のクリニック歳時記に戻った様子。 先日、さわりだけ書いたけど、そのデータ絡みで気になること。 2次性多血症についてが今日のテーマ。

特に男性陣。高血圧、脂質代謝、糖尿病疑い、肝機能異常に医療機関受診の指示が出て来られる方。勿論、皆がみんなと言うわけではないけれど、大抵はBMIが高めの人が多い。上記指摘項目以外にも他に注意点はないかざっと目を通す。と、正常上限に触れるか触れないかの微妙な数値の「赤血球数」「ヘモグロビン値」だったりするのを見かける。指摘がないからご本人もあまり気にしていないようだが、せっかく来院の当該患者さんに話していることがある。 「2次性多血症からの血栓、特に冬場はね…」ということ。

「多血症」は赤血球が増加している状況で、「真性多血症」という造血系の異常でおきる場合もごく稀にあるけど、多くは「2次性多血症」。つまり純粋な血液の病気以外で引き起こる多血症。肥満、喫煙、ストレスでもおきる。 「肥満気味で多血?」 肥満症だと睡眠時無呼吸症候群の罹患者が多い。寝ている間に呼吸が止まってしまい低酸素状態に。身体にはいる酸素が少ないと、全身に酸素を運搬する役割の赤血球を増やさねばと造血が盛んになり結果、赤血球増多となる。「喫煙者」 の場合、喫煙で発生する一酸化炭素は酸素の200倍くらい赤血球(ヘモグロビン)と結合しやすい。体内に行き渡るべき酸素が足りなくなってしまい、上記同様、運搬役の赤血球を増やさねばで赤血球増多となる。あとはストレス…。ストレスで血が濃くなるなんてピンと来ないかもしれないけど、以下のように考えられている。ストレスでノルアドレナリン分泌が多くなり、血管が収縮しやすくなる。実際は赤血球自体は増加していることは少ないようで、間接的に増多症のようになっているわけ。 2次性多血症はこういった機序でおきてくるので、血圧や脂質異常症を健診で指摘されて来る患者さんの血液項目で赤血球増多傾向を示している人、結構多い理由も頷ける。BMI高めの人多いもの。  時期的にも今は冬。冬って以外と脱水気味になることが多いのね…。そもそもよほど意識しない限り夏ほど水分取らないし、「寒いなか、トイレ行くの、面倒だから、つい水分も控えちゃう…」という声を聞くことも多い。こういった諸々が重なると、血液の塊=血栓もできやすくなる。 

メインで引っ掛かった項目以外にも、つい、脱線して話す内容、今日のblogとしました。 最近何月だかわかんなくなる目まぐるしい気温の変化… このあと2月下旬はまだまだ寒さの中みたいですね。春よ来い。

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