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身近なマインドコントロール

[2021.03.07]

三寒四温、春に3日の晴れなし…この時期のめまぐるしい気候の変化は昔からなんでしょうけどまあ、今年はほんと、かわいくない気象状況というか…

気候を反映してか、花粉症の処方希望の来院者数が今年は本当に多いです。4~5年前、史上最大の花粉量だった年、その頃は開業前だったから、まだ私がバイトでよその医療機関で外来患者さんを診察していた時と変わらないくらい。風の強い気象状況も影響しているのでしょう。

そのほか発熱の患者さんもいらっしゃるけど以前ほどではなく、検査しても陰性。血液調べると、他に原因があるといった状況だから、緊急自事態宣言延長の割にはクリニックは平常時といったところ。患者さんからはワクチンのリアルタイムな状況の質問が多いけど、「何の情報もその後はない。私たち医療従事者の接種もまだよ」としか言えない状況。クーポンはお年寄りは3月末に配られるみたいだけど、報道レベルでは絶対数がたりないから…Lancetでも一回打ちでも効果ありの論文を採択してるくらいなんだから、いっそ日本国民はみんな1回打ちにして端からどんどんやっちゃえばいいのに…なんて話もしています。だって高齢者に感染増やすのは若者だって言う説もあるのだから…日本人全員でで1回打ちのEvidence取ればいいいいのに…個人的意見ですが。

さて、今日は医学的な情報も今週は思いつかないから、気になった事件からコメントしてみます。

「ママ友達共犯の幼児虐待事件」5歳の男の子が餓死してしまった痛ましい事件。原因が母親がママ友にマインドコントロールされ金品を巻き上げられ、子供の食事量まで指示されていた結果の出来事とのこと。報道された、在りし日のお子さんを大事そうに抱っこして微笑んでいる、容疑者となってしまった母親の行動とはにわかに信じがたく「マインドコントロール、洗脳」というワードに恐ろしさと興味を持ち調べてみました。

どちらも他人の心や行動を支配する行為だけど、洗脳は暴力的な手段で、マインドコントロールは、相手の心の隙間に言葉で支配していくといった違いがあるとのこと。マインドコントロールの和訳が洗脳ではないんだとか。オウム心理教みたいのは「洗脳」。修業といって肉体的苦痛を強いて、精神的に追い込んで従わせる…。一方、マインドコントロールと言われてパット思いつくのは、カルト教団やネズミ講…相手の心をうまく利用して例えば「特別な人間」みたいに思わせているうち、段々すこしずつ自己の道から外れて相手のいいなりに、相手の世界に引き込まれてしまう…自分には関係ない世界かと思っていたけど、考え方によっては身近にも転がっていて、色々症例を読んでいると、ともすると、誰でも加害者にさえなるのだなあと感じました。親子の関係だって今回みたいのは別として、親が子供に「勉強しないと将来困るよ」と言うのもじわじわ吹き込めばそれもそういった行為。或は「報酬と罰」ではないけど会社が「これだけやってあげている」ということを吹き込んでずっと従業員の心を縛って会社に従わせる…話を聞いていて、普通ならやめて当然のブラック企業に「私がやめるとみんなが困るから」と辞めないで限界に達してしまうのもマインドコントロールの一例。どう考えても離婚同然のモラハラなのに別れない奥さん…これもマインドコントロールされての結末の例としてあがってました。あと、ナチスドイツのやり方もマインドコントロールなのかな?人間が社会生活をする上で言葉のキャッチボールがある以上、たえず感情のやり取りは生まれる。そのやり取りの中で、相手の心まで支配して、相手が逃げ込めない窮地に、しかもこちらの利のために追い込むのは考えもの。

逆に相手を思って「できる、できる」ってマインドコントロールは一つの愛情?すぐ思いつくのはレスリングの浜口パパ。娘を思って熱くなりすぎて…ね。マインドコントロールを相手を思ってのよい方向に結び付けることもできる。ひょっとしたら「お守りがわり」とかいって、手持ちに薬を渡すだけで安心して、結局頭痛や吐き気が起きなかったのも、一種の良いマインドコントロール?

いずれにしても、意外に身近な「マインドコントロール」。私は心理学とかわからないけど、諸刃の剣だし、自分だって加害者にも被害者にもなりうる。人間は言葉を持って他者と関わる高等な生き物である以上、いつでも起こりうることなんだと感じた。色々予防法や被害に合わない対策が書いてあったけど、相手との距離感やバランス感覚が大事なのね。

こんなことを考えさせられる事件でした…

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