コロナ渦の帯状疱疹ワクチン
ほっとするような暖かな師走の第2週。 オミクロン…水際対策で時間稼ぎをしている間に各国から情報も。昨日、参加したセミナーでオミクロン株とワクチン効果の話があったけど、「今のワクチンは感染は押さえられないけど、重症化は3回目を打つことである程度押さえられる」 というデーターが出ていた。あと、聞いていて興味深かった情報は、フロアからのの質問で「何故いくつもの構造の違いを持つような変異株が生まれたのか」ということに「南アフリカはHIV感染者も多く、免疫が低下している患者さんが多い。そんな中でコロナが感染していくとウイルスも顔つきを変えやすく、どんどん変異を繰り返しつつオミクロンのような株が生まれたのでは?」 なんて言う情報もあった。あと、手洗いマスク、密集を避けることのほか、換気の重要性を強調されていたのは、今更のようだけど、印象的でした。
で、今日は昨日告知したとおり、「帯状疱疹ワクチンの重要性」の話。最近以前よりもわがクリニックへも接種希望の方が多くいらっしゃるので、ちょうど良いタイミングでの演題だなと思ったので。 帯状疱疹は幼い頃、水ぼうそうになった人は誰でも起こしうる疾患。神経節というところにウイルスが潜んでいて、高齢化、免疫力が落ちたときに発症する。皮膚に帯状に水疱を形成するのみならず、顔の周りに発症すると、目の合併症や脳炎など全身疾患の様子を呈する。一番厄介なのは、罹患後の「帯状疱疹後神経痛」。なかなか治らず、生活の質も低下するから、「友人や家族がなって辛そうだから…」で、うちにも接種に来院されるわけね。 コロナのパンデミックで帯状疱疹が増えるかについては、関連の報告もあるみたいだけど、「コロナで入院中の4人のうち3人が帯状疱疹を併発して、低リンパ球症が関係するのでは?」などNの少ないフランスからのデーターの紹介しかなかった。でも帯状疱疹自体の罹患については50歳以上では100人に1人だけど、80歳以上だと3人に1人の割合で起こすというアメリカ、日本でも似たようなデーターがあるから、高齢化に共なって予防しておきたい疾患ということ。
帯状疱疹ウイルス特異的細胞性免疫の低下で起こるので、血液での抗体値の測定は意味がない。よく「抗体があれば大丈夫」という先生もいらっしゃるかもしれないけど、発症機序から考えても測定は余り意味がない。ワクチンを接種することは、低下した細胞性免疫を賦活化することで予防効果を発揮できる。帯状疱疹ワクチンは、水痘生ワクチンとサブユニット(不活化)ワクチンの2種類がある。それぞれの違いは有効性や副反応の頻度、接種回数、対象者(不活化ワクチンは抗がん剤治療、免疫力が低下している人も接種は禁忌ではない)などある。不活化ワクチンは効果も絶大だけど副反応も強い。しかも2ヶ月間隔で2回接種しなければならない。で問題は価格も生ワクチンの8~9倍します。演者の先生は「どちらのワクチンも7~8年くらいで効果は落ちるから、そのくらいの期間の掛け捨ての保険のつもりで…」 と不活化ワクチンの接種を患者さんにはお勧めしてるとのこと。 うちは生ワクチンを希望の患者さんに提供しているけど、情報を提示して、不活化ワクチンの接種も提供してあげたほうが良いかな…と思いました。
なお、帯状疱疹はストレスや不安、抑鬱状態が発症に関連してるとのこと。コロナ渦であることでの心理的要因かつ、今、最も世間が「ワクチン」というものに感心が集まっているから…ということでこの演題があったみたい。 以上、昨日眠気を堪えつつ聴いた感染症フォーラムのなかからの情報でした。
今日は午後から声楽レッスン。先生から「普段プライベートで歌ってる?」と。「?通勤で、夜とか人気がない道漕ぎながら…」って伝えたら「気をつけて~歌うとテンション揚がるから。スピード出ちゃうからね」ですって。やっぱりね。今だってテンション揚がるもの。仕事ばかりじゃ、落ち込むもの。いつもながらの心にビタミン補給!