メニュー

重なる問題

[2024.09.08]

残暑お見舞い申し上げます…9月末まで使えそうな昨今。台風もハンパない勢力だったりダラダラ居座るせいでか、例年この時期体調崩す人は、よりしんどそうではあるけれど、さすが、その割には手持ち薬でうまくやり過ごしてくれているみたい。

日曜の外来…急に入れざるをえない内視鏡があったり、大して患者さんははいってなかったのに、待たせてしまった予約患者さんが激昂。「貴重な日曜日にせっかく予約まで取ってるんだから…」 怒鳴られても仕方ない。 予約だったらせいぜい遅れても10分以内。20分待てばそりゃ怒る。「予約制っていうなら時間通り診察しろ」って。そうしたいけど、でも電車の運行表のようにいかない。 さりとて相手だって貴重な休みだからこそ一分一秒無駄にはしたくないだろう。 私がその患者さんだったら、怒鳴りはしなくても不機嫌にはなる。 …なのに、急で対応した患者さんは「当たり前対応」って涼しい顔…。なんかね…。 クリニックの今後を色々考えている最中の出来事だけについ、ネガティブに発想は落ちていきがち。どこまで頑張ればいいのか? もう日曜日はいいかな?十分やったよね… 今だから打ち明けるけど、例の発熱外来だって、瞬間的にある休日は府中市内ではうちだけで、対処していたことだってある。 小さなことだけど、世紀の感染症にちっぽけながらも対峙したという手土産もできた。 もういいかな? 平日にいたっても、職員はパートなので、それぞれの家族構成、お家の事情とか、節税対策?(103万円の壁?)で働ける曜日や時間も限られ、現在人手の問題も抱えている。 皆、できるところは頑張ってくれているのだけど、うまくまわせていない。こうなると、今日の患者さんみたいにダイレクトにぶつける人だけでなく、結局、待ち時間とかで患者さんに迷惑をかけてしまう。  クリニックをやると言うことは、医者としての診療スキルだけでなく、全てに目を向けなければいけない。こういった人事の問題は本当になやみどころ。 先手を打たずにいた私の人員配置の手際悪さで生まれた自業自得の現実。  開業して何十年もやっている諸先生方は医療のみならず経営者としての才覚もあるのだろう。尊敬に値する、すごい人たちなんだろうと最近しみじみかんじる。 私はその域にはたっしていないのかもしれない。   日曜外来、普段の外来も含め、今後どうしていこうか…。    というのも話は変わるが、「体験老人ホーム」お試し中の父。  電話かけたら中々切らない。手持ちぶさたが伝わって来る。 同居しているときは人のはなし聞いてもいないくせに… 施設の人は会えば声かけてくれるし、食事も美味しい、お風呂も大きなお風呂。時々イベントがあればそれに参加するという。「でもね…そうじゃないときはずっとここの部屋にいてテレビ見てるしかやることないんだ…おまけに食事中は周りに話しかけても、しかめっつらで話し相手もしてくれない…」と、こぼす。結局、先週私が見に行った時と状況変わらず、父よりも介護度合いが高い人たちと三度の食事を共にしているようだ… 父はわかってないけど、一緒にいるのは介護度高い人たちで、好んでしかめっつらじゃないのに、父にはそういうふうに見えるのだろう…。なんか一生懸命話しかける父を想像するだけで哀れ。 約束が違う! 初めに見学に行ったときは、「お父様のように自立している方は一階の食堂で召し上がっていただきます」っていってたじゃない! そこも入所に際して私にとっては重要なポイントだった。三度の食を共にすれば、現役時代や趣味の話、故郷とかの話で共通話題も見つかり、友人もできて来るのでは? ところがだ! 鍵がかかっているからエレベーターだって押したって下には降りられない…。このblogを誰が読んでいるかはわからないけど、これだけは世間にアドバイス。「見学したときと実際の中身が違うことがあるから、見学時の話を鵜呑みにするな」 ということ。先週のblogを読んだ患者さんも言ってたから。その方はとある施設にやはり家族を入所させようとしている人。やはり初めに聞いて納得して仮入所させたら、帰宅時には髭もぼうぼう、ズボンのまえがぬれたままだった… 「現場の様子はやっぱり経験してみないと窺い知れない」という結論に達したっけ。  別件で連絡取り合ったケアマネージャーさんに思わずこぼしたら、ケアマネさんもびっくり。「なんかよい方向に環境変わった感じじゃなさそうですね…これじゃあと一週間過ごすと余計手持ちぶさたでボケちゃうかな?せめて自分の部屋で一人でたべたほうがまだまし?僕から交渉しましょうか…」そんなことまで言われると、やはり共にいる人との環境は大切なのね…。彼と話しているうちに、本人次第だけど「切り上げた方がよいかも」ということに。 父に再度電話。「あと一週間以上あるけどどうする?」「おとうちゃま、あんたに嫌われちゃしょうがないけど、うちがそりゃ1番いいよ。 うちだったら、ダンスや歌に行ったり出入りも人に断らず自由にでかけられるし、部屋だって移動して好きなことできるから。ここにいたらぼーっと何も考えないでいて、一カ所にいるだけでだんだん弱っていくのかな?でもあんたの自由奪って、邪魔だからここにいてくれっていうなら、ここしかないから…。あんたの迷惑になりたくない」 って。「…」。 先週日曜の、あの夕食の現場が脳裏から離れず、父のいない6日間に考えたこと。それは「どうせ老いてそれなりにボケるなら、知らぬ間…ではなく共に生活していく中でボケる方が気が楽」ってことだ。父がいたくていた自分のうちで、日中私がいなくて刺激少なくボケるならそれは仕方ない。けど、父にしてみれば我慢…で入ったとこでボケたら、私は後悔するだろう。あの日、たまたま遅れたから目の当たりにした食事風景が、私をこの悟りに導いた。 ケアマネージャーさんにすぐにこのやり取りを話したら「お父さんにはお嬢さんにガミガミ言われているくらいがちょうどよいのかも知れまでんね」 と。結局、一昨日の30分くらいのやり取りで、今後の方針は決定。ちらっと、せめてあと数日くらい父に我慢してもらいゆっくりしたいともかんがえたけど、「明日うちに帰るよう手続きしたよ」 と勝手に口が言ってしまった。こうしてあえなく老人ホーム計画は今回は終了となった。 そのかわり、ケアマネージャーさんとも話して、とにかく私の負担を減らすようにいろいろ受けられるサービスは利用して…。うちに帰ったからには、それなりに協力してもらわないと。  たまたま外来にいらした患者さんのなかでblog読んだ人、数人だけどリアクション様々。「先生も仕事してるんだから仕方ない」「先生のお父さん、穏やかだしおとなしいんだから一緒にいてあげても…」 正解はないし、意見も様々出てくる微妙な問題…   あっちもこっちもここのところ、抱えること多い。とにかくクリニックは来年1月まではがんばらねば。 市からの委託事業に手挙げしてしている責任もある。1月が締めだし。 それまでクリニックの人事、父の介護環境の整備、色々できる努力、情報集めをして、どちらにも落としどころを導き出さねば。 クリニックの方は、私が一人で検査も外来もやっているから、今日の患者さんに言われるような予約無し外来にはできない。 大腸内視鏡やっているときに外来がざわついていたら、寝てお尻向けている患者さんに失礼だもの。いるもの拒まずさる者追わず。 どんなクリニックの状況にもついて来てくれる患者さんを丁寧に診察していけばそれでいい。 今こうして書きながら誰かが教えてくれたフレーズ思いだした。「先生のクリニックなんだから趣味と思ってやれば?」 そうね…気負わず。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME