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帯状疱疹ワクチン助成開始再考

[2023.11.12]

寒い寒い寒い!13度なんて言われても、身体がついてゆけないよ~。そんな今週末。今日、日曜日はインフルでもコロナでもない、上気道感染の方が多かった印象。他医療機関休診の日曜日は、わがクリニックもずーっとコロナかインフル感染が圧倒的で(こう言っては失礼かもしれないけど)診断も投薬も苦にはならなかった。ほとんど反射的対応で可能。ところが今日に至ってはそうもいかない。両方陰性。よって仕切り直し。いつからどんな、環境の状況、既往歴等々聴取しなおし、個々の症状に合わせて。状況によりレントゲン撮影も。さて、症状にあわせて投薬。ところが…咳止めに関しては、周知の如く薬局にも在庫なし…。 アレルギー的な素因や急な気候の変化…加えて喘息の既往…おそらく複雑に要因絡まっての症状なのだろうが、一筋縄ではいかない症状が多かったなというのが今日の外来の印象。

さて多いといえばここのところ帯状疱疹ワクチンの接種希望者からの問い合わせが毎日のようにある。わが自治体、府中市が10月からの助成で、しかも不活化ワクチンにいたっては一回12000円の助成のせいか、盛況のよう。聞いたところによると、府中市が日本で1番の接種率とか?それが証拠か、医師会から「帯状疱疹ワクチンの問診票在庫ないから、ホームページのひな型を使用せよ」とのファックス。なるほど‥幸い業者さんからは、在庫ワクチンは充分との報告なので、慌てなくても大丈夫。で、そのワクチン接種について、助成開始1ヶ月経過して、患者さんからの質問や電話での問い合わせで周知すべきと感じた内容や、私自身が気になり、実際に経験豊富な皮膚科ドクターに質問した内容について、今日は書きたいと思います。今日は情報共有のブログです。(質問形式でいきますね) ワクチンについては昨年のblogに2回掲載していますので参考にしてくださいね。

●患者さんから質問‥不活化ワクチンは10年以上90%以上予防効果ありとのことだが、85歳越えの自分には寿命考えると無駄?‥私は正直返答に困りました。で、皮膚科ドクターに尋ねると、「年齢に上限なく希望者には接種している。なぜなら、高齢者ほど後遺症に悩まされたり、重症になりやすいから」とのこと。余談ですが、常連患者さんのお父様、数年前、94歳でおなくなりになったとき、帯状疱疹になり、それが引き金で‥と話していたこと思いだしました‥

●生ワクチンのほうが一回ですむし、寿命考え安価な方でもよい?‥考え方にもよりますが、生ワクチンは50%で5年くらいの効果と一応公表されてはいますが、接種後3年くらいで罹患のケースもある。不活化ワクチンが存在しなかった時代は「多少でも予防効果あり」と珍重された傾向はありましたが。まあ、50%、半分予防を、多いととるか、少ないとるか‥

●帯状疱疹に罹患すればもう予防接種はいらない?‥帯状疱疹は2回、3回繰り返すこともあります。そもそも、抗ウイルス薬でウイルスを退治しただけで、体内に抗体ができたわけではないのだから、優秀な抗ウイルス薬の恩恵を被れる昨今に帯状疱疹に罹患した方こそ、予防接種をうけるべき

●水ぼうそうになった人は不活化ワクチンが接種1回で大丈夫で、2回する必要ない?‥これは実際にとある医療機関が言っているそうです。おおウソ。不活化ワクチンの効果からもありえない。エビデンスもない話です。

●(上記事項に関連しますが)幼少時に水ぼうそうにならなかったから帯状疱疹にはならないから接種必要ない?‥症状軽かったり不顕性感染の可能性や記憶にないだけで罹患していることは結構あります。また、幼少に罹患したことなく、成人での罹患は重症化しやすいので予防接種はしておいた方がよいでしょう。

●水痘抗体価があるから予防接種は不要?‥抗体価と帯状疱疹罹患の因果関係はありません。細胞性免疫が絡んでいるから。

●助成は来年度以降もあるから慌てなくてもよい?‥コロナ、インフルエンザワクチン接種に疲れた方からの質問‥調べました。少なくとも、今回の助成は東京都が今年度予算として助成の予算を作り、それを各自治体が議会で承認してはじめたものだから、来年度の予算がどうなるか次第。来年以降どうなるかはわかりません。東京都のホームページにも来年以降の話の記載は勿論ありません。ただ、この先が重要事項。不活化ワクチンは2回目接種が2ヶ月~6ヶ月でおこなうことやになってます。で、府中市の助成の文書には、令和6年3月31日までの接種が助成の対象との記載。だから、もし、不活化ワクチン接種を希望なら、2回目接種は3月中に終わらせないといけないから要注意(間に合わないと2回目は自費になる) だから、不活化ワクチン接種2回とも助成をうけたければ、1回目は遅くても来年1月末迄には済ませないといけない‥そういう解釈となります。「一回接種したら副反応強かったから、しばらくしてから‥」なんて、呑気に構えていたら助成期間過ぎてた‥なんてことにもなりかねないから要注意です。(ただ、自治体によっては1回目を助成期間中に打てば2回目が年度末過ぎても補助してくれる自治体もあるようなので不明点は直接問い合わせるのが、一番ですが。)

というわけで、最近ホットな予防接種について、参考になりそうなこと、ならべてみました。まあ、生ワクチンはステロイドや免疫抑制剤使用者は接種できないし、予防効果からいっても‥不活化ワクチンの方がよい。私も皮膚科ドクターと同意見。ただ、副反応はコロナ並みだから、そこはしっかり認識してくださいね。そういえば‥帯状疱疹罹患の辛い経験者間近にして、接種希望と勇んでいらした中に、副反応理解してない方、けっこういらしたから‥ね。わがクリニックは当日希望も受けてます。

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