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開業決めるまでの裏ばなし~その2~

[2018.02.23]
「実家開業を人生の選択肢として検討…」課題はできたものの、はじめの一歩、つまり具体的に何をどうとりかかればよいのか皆目見当もつかない。ある日突然、バイト先の診療室みたいな整ったブースが「こな、出ました~」なんて降ってくるわけではなく…とりあえず私の近況知る大学時代の仲間に相談してみた。「それもありかもね…。まず保険医協会に入会してみたら?色々勉強になるよ。勤務医は入会金も安いし。」呑気な私は勿論その時までそういう団体の存在すら知らなかった。
開業医の実務のアドバイザー団体だ。これから開業する先生向けのセミナーなども定期的に行っている。私は早速入会し、新規開業医向けセミナーのほか、ちょうど二年毎の診療報酬改訂時期だったため新点数説明会など、既に開業なさっている先生が足を運ぶ場所にも顔をだし、傾聴した。門前の小僧状態ではあったが、ここで勤務医と開業医の決定的な差を見せつけらた。開業するとなると、専門外は誰かに丸投げ!という訳にはいかない…経営に関わる診療報酬のこと、人を雇えば労務管理…自分の箱、つまりクリニックの中のことは隅々まで目を光らして把握しておかねばならないわけだ。あたりまえだけど。今までみたいに「患者さん診て薬だしておしまい」「大腸ファイバーでポリープとってはいおしまい」という訳にはいかないのだ…「私にできるのだろうか…」暗雲たちこめる…。
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また、平行して保険医協会以外にも民間会社の主催する開業セミナーなどにもボチボチ顔を出した。私の場合、「実家が医療活動に可能な立地であるか?」の客観的意見が必要だった。何人かそういうセミナーで知り合った方々が我が家を見にきてくれた。そこでの評価はすべて一致した意見。まず耐震上、改築や増築は土台無理、これは当たり前。立て替えを前提とした話の中でも「閑静な住宅街だけど開業には…駅チカでも引っ込んでいて人目にはつかない。多額の費用をつぎ込んで家を建て替え、クリニックにしても、かけただけに見合う集客は100%無理。リスクが高い」というものであった。
さらに私にあった開業スタイルは「人目のつく場所での上部、下部内視鏡を主体とした診療」これも誰もの共通した意見。せっかく今まで積み重ねた技術、特に女性患者さんは女医さん希望も多い…どれも説得力ある意見だった。
「私たちの発想は専門家に言わせるとあり得ないのかな…」何だか故郷が可哀想になってくる…
また、そんな折、近しい友人の「誰かに言われてとか、家族の想い…そんなお涙ちょうだいじゃなく、自分がやりたいのかどうか、金丸の話聞いていてもいまいち、見えてこない」とか「本当にやるからには成功するという相当の覚悟がないとだめだよ…」当時の迷う私には手厳しいアドバイスだったが正論だ。ありがたい、はっきりいう友人は。
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いずれにせよ、考え始めたのだから「実家開業無理」と決めつけずもう少し開業について模索と勉強してみることにした。今日はこの辺でまた、次回に…
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