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もどかしくはがゆいワクチン接種

[2021.05.23]

やっと今日は晴れたけど、ここのところの梅雨を思わせるうっとうしい天気になんか、気持ちまで滅入ってしまいがち。

高齢者ワクチン接種、稼働しだしているけれど、相変わらず患者さんからはいろいろ感想が聞かれる。うまい具合に家族の協力で予約をとり、既に接種を終えた人もいれば、お年寄りらなではというべきか、「何度も電話してつながらないばかりか、間違え電話までかけちゃって、お店に繋がっちゃった。…あとで隣の○○さんから、再ダイヤルというボタンを押せば何回もかけ直さなくてよいって聞いたんだけど、なんか、電話かけて申し込むのも疲れちゃった~しばらくすればもう少し落ち着くでしょ」のんびりした声に何だかほっこりするような…最近「がまん」「自粛」「不公平」「あきらめ」ついでいうと、「頭に来ちゃう!」ネガティブワードばかりが頭を駆け巡る感。だからなのか、ノンビリした穏やかな年配の患者さんにこちらが心洗われる気分。

そのワクチン接種…こういう年配の方から相変わらず「何で先生のところでできないの?近くの皮膚科や整形外科でもできるのに。遠くまで行くのも億劫だし、人混みも危ないしね」 今週も電話や直接こういう声。今までは市町村毎の方針の違いを丁寧に説明してきたが、最近は多少本音の文句を患者さんに吐露せずにはいられない。言ったからとて何の解決にもならないけど。先週のblogには書かなかったけど、実はね…私が市の担当に聞いたところ、「ファイザーは扱いが難しいし人数分消費できずに余ると困るから小さなクリニックは遠慮してもらう。今後モデルナやアストラが出回ったら、それを担当してもらうかもしれない。現段階では確約はできないけど」というはなしだった。一度は「仕方ない…」と「あきらめ」「がまん」だったがどうしても「不公平」と言わざるを得ない。小さな医療期間とて、余らすなと言われれば責任持って予約やキャンセル待ちで対応できるわけで、現に私のバイト先や事務スタッフのダブルワーク先のクリニックは市町村異なるため少数アンプルずつ分けてもらって対応している。大病院だろうが、小さなクリニックでも、来ている患者さんにとっては、その医療機関が主治医って思って来てくれる、一人の人間なのに。もっと言うと、多少のクリニックの収益にもなるから、今は余計に全国、いろいろな診療科が手挙げしている状況…患者さんにも求められ、自分だってやりたいのに…塵もつもればじゃないけど、皆で協力すれば、さっさと終わるのに、市の方針でやらせてもらえない…おまけに報道では「打つ人が足りないから薬剤師さんや獣医師にもお願いする」と報道しているけど、現実は「やりたくともやらせてもらえない…」こんな医療機関だってあるのだ。この先、モデルナやアストラが出回ったとしても、医療機関毎に府中市は担当するワクチンを割り当てるそうだから、副反応で扱いを危惧されているアストラを強制的に割り当てられたら、誰も患者さんから希望されず、医療機関格差がこんなことでも出てきてしまう。しかもこれが府中市独自の方針だから、余計に歯がゆく、不公平とぼやかないではいられない…確かに、同じ医療機関で種類異なるワクチン扱えは、違う種類を二回目に接種したり、接種間隔間違えたり、トラブル起きかねず、責任問題になることを避けたい気持ちもわかるけど。小さな医療機関だと、何かあったら対応がマンパワー的にも問題あるからと言われれば、それまでかもしれないけど…でもね、ファイザーをさっさと大人数接種している医院は収益もさることながら、「市に貢献している」となり、医師会への貢献度も高いと言うことで覚えめでたく、うちなんかは、やりたくてもできないのに「貢献低い」とレッテルはられ、いつまで経っても後回し医療機関。「不公平!」なんか、うまくいかないよね…「嫌になっちゃう」と本音が出てしまう。協力したくてもできない。blogに書いたとて、解決にはならないけど、実際、小さなクリニックの置かれている状況の一例にはこういう施設もあるっていうこと、知ってほしい!

でも…スタッフの一部には、私をなだめるかの如くのこんな声も。ワクチン接種可能な医療機関は電話が殺到して事務スタッフの中に鳴り止まない電話にストレス負荷で体調不良となる人もいるみたいだし、書類さばきも大変みたい…と。現実問題として、うちは予約診療の電話もあるし、ワクチン接種におわれて、通常診療がおろそかになっては、せっかくつきはじめた患者さんも、離れてしまうのでは?もうすこし体制落ち着くまで様子見の方が良いかも…と。発熱外来できた患者さんが良くなって、今度は別の相談で来ることもある。こういうことが大事なんじゃないですか?とのスタッフのアドバイス。御父までもが、「長い目で見りゃいっときのことだから…慌てなさんな。このご時世、飲食店や娯楽施設見てもなかなか、皆平等とはいかないんじゃないかな」と、ぼやく私になだめ口調。

穏やかな患者さんのみならず、じゃじゃ馬のなだめやくのスタッフにも「出来ることをしっかり、地道な積み重ね。」何とかたしなめられつつの最近です…。

そんな御父つれて、今日も声出しに声楽レッスン。御父も先週、世田谷の高齢者で一回目終えたから、すこし安心。副反応心配しても「にぶいから何も感じないよ」だって。まあいろいろ言われているけど、こんなものだから、早く若い人までまわってほしいワクチン接種。

 

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