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臓器としての腸内細菌

[2023.11.26]

走れば夏みたいに汗だくになる金曜日から、今週末は一気に真冬へ。自転車通勤しながら、真冬の寒さを思い出す…。ジグザグ気温に何月だかわからなくなりそうだけど、この数日の夕陽の美しさ。西の空を見ながら東からの月。天空の色味を観察すれば、今が間違いなく晩秋であることが確認できる…。  

日常の診療は何が特別ということもなく、淡々とすぎていく。もはやコロナはたまに。インフルエンザが多いけど、でもパンクしそうなほどでもなく…。検査をすれば「早く見つかり良かったね」 そんなことも。

さて、先週は腸内細菌の構成に影響を及ぼすのは、普段私たちが処方している薬剤だった…ということをとりあげましたが、先日も、その手法について述べた、「メタゲノム解析」。昔は菌の単離培養で遅々とし、限界を呈していた腸管内細菌叢研究も、細菌DNAから一度に沢山の菌を低コスト、短時間で解析できるようになり、現在世界中で様々な研究が、研究所、企業で、或は国家プロジェクトとして進行しています。 そうしたなか、腸内細菌叢=腸内フローラは「第七の臓器」と言われるくらい、様々な働きや疾患の原因となるという報告が相次いでいます。「へぇ~」というような報告を今日は列挙します。で、その腸内の改善に「腸活」やら、「生活改善」など、取り沙汰されていて、それらも悪くはないけど、でもそもそも腸を見直すには今服薬しているものが適量の至適数なのかをもう一度見直して見てくださいね という内容です。

                                        ● 腸内細菌叢の解析により、その構成異常が全身疾患において観察されている。潰瘍性大腸炎など、炎症性腸疾患以外にも、慢性関節リウマチや肥満、2型糖尿病、自閉症にいたるまで。細菌の構成異常により産生される物質が血流にのり、全身に影響を及ぼしうる。                                      ●高脂肪食による肥満で腸内細菌叢が変化し、デオキシコール酸を産生する菌が増えることでこれは肝臓癌の発癌物質。                          ●疾患ごとの腸内細菌叢の特徴的な変化を解析することで疾患の治療薬や予防に結び付けようとする研究も。先のデオキシコール酸を産生する菌を制御すれば発癌予防となりうるし、腸内常在菌で良い作用を及ぼす菌種もわかってきているので、疾患治療に結び付けようとする開発も進められている。 他人の便移植で難治性の腸疾患が改善したり、                   肥満の人の糞便を無菌マウスに投与したらそのマウスが肥満になったということから、腸内細菌叢は操作可能だと判明したことがこうした研究が注目され、腸管内細菌叢が第七の臓器などと取り沙汰される火付け役になったようだ。                ●薬剤の効果も腸内細菌叢の影響を受けることがわかってきた。細菌により代謝されることで人体への有効性が変わって来る。食品の摂取も同様に、腸管内細菌叢の影響を受けて、実際に吸収されたり、排泄されて終わってしまうこともあるわけで、将来は個々の腸管内細菌叢を考慮した栄養学何て言うのも発展して来るかもね。  先日取り上げた「エクオール産生菌」  の有無も良い例ですね。個人差ある例のひとつ。                    ● オマケですが、日本人の腸管内細菌叢の特徴もわかってきたみたい。炭水化物の代謝能が高い菌が多かったり、炎症を惹起する物質を生み出す菌が少ないなど、いくつか特徴が見られるようで、これが長寿とBMIの低い、超肥満の少ない民族性と関連しているのではないかと唱えられてもいます。   

私が最近興味持ちながら、診療の後、webセミナー梯しながら知り得たトピック列記。いち、臨床家として感じていることは、こうした繊細かつダイナミックな腸管内細菌叢=フローラが、投薬された薬剤の影響を受けやすい、つまり日常診療で患者さんへの投薬には注意を払わねば…ということ。そしてもうひとつ、おなかのはりや過敏性腸症候群の患者さんn、ほんとに多い昨今…何か切り口になる情報、この分野から得られないかしら… セミナー梯は続きます。              

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