開業決めるまでの裏ばなし~その4~
[2018.03.02]
3月になった…今年はことのほか寒かったけど梅に桃… 季節は廻る…開業までもあらあら、あと半年。あと、2回で裏ばなし、まとめよう。
「開業大変よ、どうしてもやらなきゃいけないこと?」「 故郷への愛着っていうけど執着だろ? あまりこだわりすぎると冷静な判断誤る」 私の先行きを案じて心配する同僚や旧友の声もあった。 私は一年かけての熟慮の末なので決意に揺るぎはなかったが、 そういった全ての心配もアドバイスもファイナンシャルなところに 端を発すると考えてお世話になっている税理士さんに相談すること にした。
ある日、「府中の実家のことで…」 税理士さんに予約とろうと電話をすると、 その日は時間が空いているとのこと。「じゃ、 いまからすぐに伺いますね」
突然のアポにも関わらず、先生二人で出迎えてくださり、 すでに我が実家の写真や近隣地図が机にあった。「 ちゃんと話を聞いてくれる…」私は確信し、 ことの経緯を説明した。さらに「日曜日も少しだけ診療して、 日曜日開けた分は月曜日休診。 休診日に今も仕事にいっている施設で大腸内視鏡やれば、 医療連携で患者さんを送り、希望あれば私が検査することも可能… ポリープも日帰り切除可能だし。」
私が頭に描くそんなプランも伝えた。 どんな辺鄙なところでも日曜日は患者さんが来ることはこの一年、 日曜診療のバイトに行って検証済みだ。日曜日診療すれば、 引っ込んだ我が家でも少しずつ周囲の認知度も広がるかも… 淡い期待。 大腸内視鏡の施設はは私の研修医時代の上司が開業していて、 長いこと仕事させてもらっている。連携についても、 ありがたいことに既に快諾していただいていた…。
私の一通りの話が終わると机の上の実家の写真を見ながら先生は「ここ、 駅に近い方の裏もあいてるよね? こちらも間口を広げて行き来できるようにすれば…」 たまたまこの界隈をご存じのようで、私達家族、 特に父が呟くのと同じようなアイデアを持ち出してくださった。「 裏を大きくすれば大丈夫だと思うんだけどな…」 私に任せたとはいえ、諦めきれぬ父のその頃、 大きな声の独り言だったから、 先生も土地勘もあるなかで私の話を聞いてくれていたのだ。「 金丸さんの計画、 あながち宇宙旅行に行くような話でもなさそうですね…」税理士さんは現在の私の懐事情を一番わかっているから、 先生からのその言葉は安心の材料になった。
最終的にこのとき「クリニック建築に予算が一番かかるから、 金額にリミットを設けて話を進める。」ということになった。 箱にたいして予算オーバーとなれば仕方ない、 それは皆の言うリスクとなるわけだから諦めもつく、また、 将来過去を振り返った時の自分に対しても申し訳がつくと考えた。妹にはこの結論を伝えた。
「だったら、私がお金借りるよ。私もこの夢、のっかりたいな…」 父との将来的な同居を見据えて、バリアフリーの住居を用意し、 月々支払いある私にせめても力になろうと出た言葉なのだろう…。 「もし逆の立場なら私は同じこと言えるか?」多分…否…。 幼い頃、病院ごっこで遊んだ妹も、彼女なり考えてたんだ。
「家族の想い…」皆、それぞれ諦めきれずにいたんだな…痛感…。この後、素敵な繋がりの中で話は進み…今に至る。
その賜物の建築現場、明日仕事終わったら見に行こう。 一週間でどうかわっているかな? その写真と共に裏ばなしの最終章、来週完成させるぞ!