♪むくんでほてって薬変えたら治ったよ♪
8月後半の日曜日。今年のお盆休み、どうでした? クリニックは火曜日臨時休診にしたけどあとは通常どおり。台風の日は元々休診日だったから混みも空きもせずいつも通りの一週間。でもさすがに今日は大盛況。検査がなくてよかった!通常予約に加え遠方からも発熱や腹痛の患者さん。コロナにいわゆる食あたりに…今日までお盆休み医療機関も多いのか、市の休日診療所もどき。飛び込み来院やら予約制はどこへやら、おかげで律儀に電話問い合わせしたひとがパンク状態でごめんなさいパターン。すみません。
さて、8月半ばになり府中市健診も折り返し。元々7月~9月の3か月しか期間がないから、毎年このシーズンしかお目にかからない患者さんもいらっしゃる。内科診察の折り、気になったことを今日は話題に。通常診察の際、私は足のむくみ具合は毎回確認している。身体の具合のサイントシテは大事な事項。心臓、腎臓が悪かったり甲状腺、低栄養、原因は多岐にわたるがむくみは簡単にできる体調のサインだから。足のすねを押していると、「どこが悪いわけではないけど足がむくんで…」と言われることがある。調べてみると血圧の薬を飲んでいる。 カルシウム拮抗剤のアムロジン。 ファーストチョイスでも出しやすいこのお薬、私も患者さんに出すこともある。 余りにメジャー過ぎて長期にわたり服薬されている人も多いし、だからこそいまさら薬の副作用に考え及びにくいのかもしれないが、実際私も数人この薬が原因で足がむくみ他の薬に変更したところ一ヶ月後の外来で改善していたと言うことを経験している。 何故むくむ? アムロジンは血管を拡張させることで血圧を下げる作用がある薬。そもそもその血管、心臓から大動脈がどんどん枝分かれし、細動脈、毛細動脈血管となり身体の隅々まで酸素や栄養分を渡し、毛細静脈が細静脈、静脈となり心臓に帰ってくる。一連のこのルートのうち、アムロジンは特に静脈より動脈の方の血管を拡張する作用が強い。毛細血管レベルで動脈と静脈不均衡がでてうっ滞した血液の影響で特に重力の関係もあり、足がむくみやすくなるわけ。 よそのクリニックで投薬受けている患者さんへは主治医に相談してみてねと軽くアドバイス。 あと別の副作用。これは最近私が処方したニフェジピン。「血圧は良く下がったんだけど更年期でもないのに顔がほてって…」とある70台の女性から相談。すぐに薬の副作用と判断し別の薬に変えたけど、この薬も血管を拡張させることで血圧を下げる。だから副作用として顔がほてることも起こりうるわけ。 この方70代だから明らかにお互い薬の副作用って思い至ったけど、降圧作用が強いから、もっと若い更年期の女性にも処方する。 下手するとホットフラッシュと考えてしまい気がつかずに終わったりすることも起こりかねない…。
メジャーな薬の副作用、今日は取り上げました。夏はクーラー効き過ぎで、下半身冷えて意外に足のむくみが気になる人も多いのでは? 足のむくみと血圧の薬いい薬だけど、稀に見かける副作用もあるのです。上記表題は「結んで開いて…」の歌と語呂が合うので歌にしちゃいました。