高すぎるHDLは善玉とも言えず?
高校野球も終わり、8月ももうすぐ終わり。この時期に決まって、陽射しと蝉の泣き方に私は秋の気配を感じてしまう。暑いとはいえ、夏好きの私には、ちょっぴり憂いを感じる夏の終わりはいつもこの時期。とは言え、来週は台風も来るみたいだし、ここ連日の天気急変。最近最も気にするのは天気予報…。マンホールが持ち上がったり、アンダーパスが数分で川のように激変なんて、ホラー映画さながら。変な陽気。温暖化のせい?これも?
さて、府中市健診も9月までのため、現在進行中で予約もあるけど、7月に終えた方の結果説明、またそれとは別に、会社健診で指摘された脂質異常で相談にくるかたのデーターから今日は話題を提供。 「高HDL血症」について。今までも何度か脂質異常症については「高LDL」「VLDLP」「中性脂肪」はblogで取り上げたことはあったけど、「高HDL」は取り上げていなかったはず。 というのもHDLは俗に「善玉コレステロール」と言われて、血管のお掃除コレステロールともいわれる。血管にこびりついたコレステロールを肝臓に戻して動脈硬化を防ぐということがわかっているので高いことについては問題にされることは少なく、むしろ少ない方が問題になる。さらには、私もこれを機に考え改めなければならないのかも知れないのだけど、例えばこんなケース。閉経後の女性に多いパターンだけど、エストロゲンの低下にともない正常よりLDLがちょっと上昇傾向。投薬するか否か決めるに微妙なときも、善玉コレステロールが多いから投薬見送りましょう…なんてこともやっていた。 でも、善玉コレステロールと言われるHDLも極端に高い場合は、いいよいいよというわけにもいかないのだ。純粋に自給系のスポーツをしていて高い人もいる。100を少し超えるくらい。私もそのパターンと考えて「血管障害のリスクは少ない」と勝手に思い込んでいた。ところが、うれしいHDL上昇でないパターンも存在する。例えば薬剤(フェニトインやフィブラート)、あと、大酒家は中性脂肪が上昇するのは有名だけど、HDLも上昇する。 さらにはコレステリルエステル転送蛋白 (Cholesteryl ester transfer protein, CETP)欠損症という、常染色体性優性遺伝性疾患で日本人に多い病態がある。HDLが100~250くらいまで高値をとることも。ここまで高値だと逆に動脈硬化おこしやすくなるらしい。らしい…というのはまだ不明なことも多いから。ただ、全国規模で異なる地域を抽出して高HDL値と心疾患、脳卒中などとの関連について検討したところ、秋田県大仙市を対象とした調査では、CETP欠損による高HDLの人に心疾患や脳疾患の罹患が多く見られたとのこと。 CETPというのはHDLコレステロールの血中でのコレステロール運搬を助ける役目があり、これが欠損すると不要なLDLの処理が滞ったりHDLも蓄積されるから高値をとるらしく、俗に言うような「HDLは善玉お掃除コレステロール」というような代謝環境ではなくなるがゆえに、脳心疾患の罹患が増えてくるのだとか。まだわかってないことも多いようだ。
とにかく、HDLが高いからといっても高すぎるのはこの疾患も念頭に、他のデータ、LDL、中性脂肪…さらには血圧や血糖値など、健診メタボ疾患に関わる数値を総合的に確認して治療や生活アドバイスをしなくてはならない。 今日は健診にまつわるデータについてコメントしました。皆さん、一年一度は受けてくださいね。
今日は久しぶり歌へ。横浜は風が抜けて、出かけるだけで気分転換。それに歌は私にとって絶大な気分転換。 「🎶o mio bambino caro~」って歌っていたら、先生が「ANAがミラノへ週3で直行便飛ばすみたい」って教えてくださった。「あ~行きたい!」聞いた途端、今すぐに。どこの都市でも街でもいいから高飛びしたい… 今はそんな心境。