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劇症型溶血連鎖球菌

[2024.06.16]

ここのところ、梅雨入り前の晴れ間にしては、季節を飛び越えた暑さ。街のアジサイも「今咲いていいの?」様子を伺うような咲き方?いまひとつ生彩を欠くような‥。

父の日の今日。92の御父絡みの話題も考えたけど、上記表題話題を。 劇症型溶血連鎖球菌感染症が最近増加傾向なのは3月くらいから言われていたけど、6月時点で既に昨年感染者数より上回ったとのことで、(2023年間で941人。今年6月2日の時点で977人)先週もニュースで取り上げられたとか。今日も外来に「微熱&なんとなく足の関節が痛い」で、「溶連菌検査希望!」でいらした患者さんが。 もちろん陰性。 確かに糖尿病、免疫抑制剤服用、鎮痛剤服用者(症状がマスキングされてしまう)など、リスクある方もいるけど。おまけに「人食いバクテリア」 なんておどろおどろしい名前がついている。かかると適切な治療まで至らず急激に悪化し致死率30%以上、なんて聞いてしまうと、コロナ渦経験した我々は「つぎはこれ?」みたいな気になるが、いたづらにおそれることなく‥。

「溶血連鎖球菌」は、子供がよくかかる、「のど風邪」の原因となる細菌と同じ。溶連菌自体は飛沫や接触でうつるから、子供から大人も感染する。通常感染なら、迅速現在で診断つけば抗生剤投与で回復する。なぜ、同じ細菌が劇症型となってしまうかは、まだ不明点が多いとのこと。一説では菌からの毒素(エンテロトキシン)に身体が過剰な反応を起こして発症するとのこと(コロナの時のサイトカインストームのような?)。 大事なのは、子供の溶連菌感染ですぐに劇症型に移行することはないから!慌てたりパニックにならないように。その可能性は低いとのこと。  劇症型の初発症状は「いわゆる普通の風邪症状」、つまり、のどの痛み、発熱、消化器症状。ただポイントとなるのは、小さな本人もわからない程度の傷口が感染経路になることもあるから、急に身体の一部がいたくなったり、腫れたり赤黒くなる、或いは「普通の風邪かと思っていたけど、急に体調悪くなってきた」「激しいのどの痛み」がある場合は、早めに医療機関を受診したほうが良いかと。 24時間以内にショック症状を来す可能性もあるから、救急処置が必要になる。 医療機関側の医師も疑ってかからないと時間との勝負だから。 私のような小さなクリニックは、「発熱、咽頭痛」で、普通の風邪だと思うけど、血圧が低いな‥ なんか生気がない‥で、疑ってかかることが大事なのかしら? 治療法は抗生剤もあるけど「劇症型」の場合は、いかに迅速な壊死組織の切除ができるか。  6月時点で都内での報告件数は147人(因みに劇症型はコロナやインフルエンザと同じ5類感染症)。 多いと感じるがどうか‥。予防は今更ながらだけど、接触、飛沫感染だから手洗い、マスク、あと、傷口は清潔に。 なお厚生省ホームページでは、「病院行くべきか救急車呼ぶべきくわからない時は救急安心センター事業 #7119 への電話相談を」と書いてあります。  

さて、今日は父の日。  92の父。あと何回一緒に過ごせるのか。今日は多忙で、おまけに家帰ると仕事にならないから、どうしても今日のうちに終えたいこのblogも外で書いている。 「私が帰宅する時間は遅いから、早く寝ていてね。じいさんが夜更かしは身体に良くないから」あれほど言ってもいつも起きている。 夜くらい、なーんにもしなくていい、1人静かな時間を過ごしたいのに‥。 でも、今日はこれから帰ってもし起きていたら‥きっとお酒のみたいって言うかな? 早く自分の部屋に行って寝て! って怒ったら可哀想だよね‥。

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