人間の腸と植物の根っこの共通点
気温だけを追っかけていると10月であるかのような錯覚も。でも気がつけばつるべ落としの日没に、すでに今は晩秋になんですよね‥。 さて、今日は、目から鱗、最近私が聞いた夕方からのセミナー内容で興味深かった内容を。いつも時間許す限り聴講するWebセミナー腸内細菌関連の話題で、たまたま農学部の先生の講義があった。「珍しい演者登場だな」日常臨床にどう役に立つ話なのかしら?
片手間で聞き流すつもりが、手が止まり夢中で聞いた内容を以下に。
私たち人間の腸内細菌。ある種の腸内細菌は腸内の糖質をはじめ、栄養分を吸収し排泄。この排泄物質、…例えば短鎖脂肪酸。こういったものが血流を介して身体の隅々でメタボ改善や鬱病の予防など、良い作用を及ぼしてくれる。最近そういった人間と腸内細菌との共生関係の研究が目覚ましく進展していることは既にこのblogでも取り上げたけど、これと同じようなことが苔から樹木にいたるあらゆる植物にも起きているのだ。「エンドファイト=植物共生細菌」といわれている。 思い返せば、小学校で習った植物。双葉があり茎があり、土の下には根っこがある‥。当たり前の絵柄よね?ところが、この根のまわりにイメージ的にはふわふわと、じつは色々な菌類が定着している。第2の根。これら菌類の菌糸が植物から光合成産物の炭素源を供給してもらい、かわりに土壌の窒素やリンなど、その植物に必要な栄養素を与える‥あらゆる植物と、人間の腸の営みに「共生」という点で共通点があったのです。
さらに、この植物界の共生菌 のはなしは、地球の土壌の劣化で起きる農作物の不作や近年の温暖化で悪く地図が変わるかもしれない農作物の産地の地図にとっても朗報となるかもしれないという話につづくわけだけど、この先はまた、来週ね。医学を離れたこういう講義内容もおもしろい! だってさ、昔々の小学校の理科のテスト。日陰のパサパサの土に埋もれた朝顔だか、ひまわりの双葉の絵があって「この植物を成長させるにはどうすれば良いですか?」の設問。「水をやる」「日向に置く」なんていう答と共に「よりマッチングした共生菌をあたえる」なーんて、大人の回答がうまれるわけだもの。 どの世界も進歩ね。
今のクリニックはインフルエンザワクチン接種たけなわ。 そんななか、大腸内視鏡検査希望の方も着実に増えてきて。1人でやっているから毎日一件づつ。 特に私がとりくんでいた、女性の女性のための大腸内視鏡。こんな小さなクリニックでも勤務医のときと同様に取り組めていることが、忙しい外来のなかでも達成感に浸れる瞬間。サポートのスタッフ無しでは語れませんが。