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富士山チャレンジマラソン終えて

[2022.04.24]

先週、ゴール後、電車の中でやっとの想いで更新したblogの続き。今日は未来の私への日記も兼ねたblogね。

この一週間、前半は悶絶に値する筋肉痛でバリアフリーに助けられての生活だったけど徐々に回復。昨日は自転車通勤復活。来週引越しだから、見慣れた風景も愛おしいもの。道端のミズキも花盛りですしね。先週のウルトラマラソンは、今回の引越しを決めるより前に、そのエントリーの方が先だったもので… 多忙に理由をつけて棄権しちゃおうか…そんな考えも頭を過ぎったが「せっかくだから…」お得意の「せっかくだから」で参加しました。

10年前、母の臨終で、思うことがあり、はじめたウルトラマラソン。当初の心に秘めて臨んだ目的は、一回目にはじめて参加した「越後マラソン」で達成したのだけど、その後この長距離ランにはまってしまい…前回の初リタイアまで10回以上、全国走って旅しました。100キロは旅だもの…。どこぞの大会ではスタートで、ゲストの増田明美さんから「一日良い旅してきてくださいね」なんて声をかけられ、別の大会では、やはりゲストの、はるな愛さんから「ごっめんなさ~い。朝早いとまだ声が大西賢示なんで~す」何て言われながら度酢の聞いた声がけでスタートを切ったこともあったっけ。 とにかく朝暗いうちにスタートの、短く長~い1日の旅…。

今回は前回までの富士五湖一巡の118キロではなく四湖一巡の100キロの部にエントリー。コロナ渦で2年中止を経て開催となり。異例と新ルールづくめ。スタート会場の一方通行入退場、一週間の体調管理にコロナの陰性確認、沿道の応援も禁止、給水補食のための「エイド」では感染対策と環境保全から、マイカップ持参。スタートも人数制限しながら細かく設定…小雨降りしきる5時10分にスタート。「天気予報大ハズレ~絶好のマラソン日和のはずだったのに…」スタート地点のあちこちからそんな声…。この2年、ろくなトレーニングなぞなく、せいぜい往復の3時間自転車通勤で鍛えたといえば鍛えたけど…どうなることやら…とにかく、納得行く形でレースを終了したい! そんな想いで臨んだ。

118と100は、一番奥の本栖湖を経由するか否かの違いなので、リタイア合わせて6回目ともなれば、2年のブランクがあったとはいえ、大体のコースは把握している。そういうコースだからこそ、足の状態や心肺機能の状態の比較ができる。走っていて「めちゃ体力落ちたな…」という感覚は、ありがたいことにあまりなかった。むしろ自転車通勤で坂道、気合い入れてこいでいるせいか、登る坂道は以前音を上げたところも登り詰められた。が、ところがところが…今回はまさにメンタルとの戦いが、ホントにきつかった。集中力をいかに切らさないか… この感覚は今までになかった。そりゃ、距離伸びる毎に、体はきつくなる。脚だっていつ、つってもおかしくないくらい。前回みたいに体に不調を来してやめるなら未だしも、身体は動くのに、気持ちが付いていかない、折れそうになる。「飽きた」でもなく「つまんない」でもなく何とも言えない、不思議感覚…この長距離ランに特有なのかどうかはわからないけど。 今までも、私より全然飛ばして走ってるRunnerが「リタイア!」って手を挙げてコースを逸れていく場面を目にして「もったいないなあ…なんでだろ」って思っていたけどもしかして、彼らも集中力が切れてのことなのか? 折れそうな気持ちをなんとか奮い立たせたのは、ゴールしたときの達成感、お風呂が待ってる…そんなかつての成功体験を頭に描きつつ、かつ、「かめさんでもいい、一歩一歩がゴールだよ」っていう、以前の大会で小学生が書いて沿道に貼ってくれていた、あの標語、そして「ただの旅よ、楽しまなきゃ」ってひたすらプラス思考になるよう、頭の中でぐるぐる「かめさんかめさん」って呪文のように言い聞かせて凌いだ。時折襲う、「ここで足止めれば終われる」「何も無理しなくても…これが今の実力よ…」というネガティブ思考…頭に浮かびそうになるととにかく追いやった。50キロ過ぎると「半分は越えたから…」確実にゴールに向かってる…そう言い聞かせた。前回118のとき胃が動かなくなってやめてしまった80キロまで行ったとき、ちょうど沿道にいた人から「ここまで来れば…」 と声をかけられたこともあり、少し気持ちが楽になった。…  前回までは肉体は疲れても、いわばランニングハイのようなメンタルをキープしたままゴールできていたのだが、今回は全く違った。最後の最後まで、気持ちとの戦い。おまけに、前回体調崩して介護室にいたとき、96キロ地点で低体温症かなにかで身体が動かなくなったRunnerが運ばれてきたこと思い出したりしちゃったものだから(こういうふうに脈絡なくネガチブ思考がレース中襲ってくる)最後の1キロ、99キロまできて、ようやくゴールの歓声が聞こえて来るまで、晴れやかな気分は訪れなかった。  気持ちとの戦いに終始した今回。結果は12時間ちょっとかな? 納得行く形で終わらせたい! の気持ちは、100キロ完走でおわったけれど、一方で「やり遂げる集中力や気合い」 については、年齢を感じざるを得なかった。私の性格からすると、次回メンタル切れてリタイアすると、日常生活でも「若い頃よりどうせ集中力おちてるから…」ってあきらめモ~ドになってしまいそうだから、もう、今回のゴールでウルトラはおしまいかな?それに、走りながら考えちゃった。こんな勝手なことやって、体調崩してクリニック休診続いたら? いつもの薬の患者さんはさておき、レースの明後日はコロナワクチン予約入ってた。…休診になっちゃって理由がこんなことなら、皆路頭に迷いながら怒っちゃうよね…。ある程度私も場をわきまえないと。

 一つのことを成し遂げるとき、体力と「やるぞ」という、集中力をはしめとした気持ちがついていかないとできないんだって、ほんと、あったり前のことかも知れないけど、私は今回みたいに負荷をかけないと、気がつかなかった。改めてスポーツ選手は凄いと思うし、大曲演奏する音楽家、いえいえ、私達が日常、むしろルーチン化している何気ない家事やデスクワークもみんなそうなんじゃないかな? 身体と気持ちと…両輪が普通に組み合っていればなんてこともないんだろうけど…身体が不調なら治す薬もある。気持ち…ここだよね。たとえば「学校にいけない」。聞けば本人も学校に行きたいとおもってる。行こうと思うのに、でもさあ行こう、となると行くことができない… 嘘言ってるんじゃなく、ホントに恐らく行きたいきもちはあるんだきっと。今回私が味わった感覚、ゴールしたい、でもなんだか心が折れそうになる…飽きたわけでもつまんないでもない、一週間経ってもなお、分析できない不思議な気持ち… 私は心理やカウンセリングの専門知識はからきしないけど、走っていて、自分のメンタルがそういう患者さんの場面と重なった。 難しいことはさておき、今回のレースで心身一如をつくづく感じた。

最後に…やはりバナナは身体にいいですね。エイドで「何か口にしなきゃ」のとき、クエン酸補給のオレンジより、普段大好きなチョコもだめ、バナナだけは身体に吸収され消化管が動いている!って感じがしました。極限状態になんないと、気がつかない。 個人差ある意見かも知れないけど。 あと、これは全くの自己分析ですが…前回80キロ地点で突然「胃袋がただの筒のようになった」っていうの、もしかして、芍薬甘草湯の飲みすぎ?確か私、脚がつりそうになり、立て続けに飲んだのです。あれってこむら返りにも効果あるけど、胃痛、胃痙攣にも効果あり。よって正常な動きまで止めてしまった? 気をつけて使わないとね。薬は諸刃の剣…。 さらには、今回のレース、雨や晴れや曇りやら目まぐるしい気圧変化のせいか、私は90キロ地点で持病の偏頭痛が…まばたきしてもしてもでてくるガラスの破片のようなぎざぎざ…わあ、来ちまった。何もしないともれなく頭痛と嘔吐… あと10キロ…迷わずスマトリプタンを。 「閃輝性暗点よ、消えろ消えろ…」 じーっと地面しか見てないから効果のほどが顕著にわかる。20分~30分で消失!その後頭痛も嘔吐もなし。早めの内服は絶大な効果ありでした。やはり個人差あるかな?  薬飲みながらレース…やはり、ほどほどにしないとね。

来週は28日、引越しで臨時休診です。連休はたまたま暦が3日~5日はクリニックの診療の日なので普通に診療します。

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