銀杏中毒について~ビスタチオや枝豆とは異なる黄緑おつまみ~
日中は暖かでも朝晩は冷え込む時期になりましたね。日没も早くなり、午前しか診療ない昨日土曜日も、帰宅の途につくときは、すでに薄暗く。冷気を帯びた暗がりの中の空気には、ほんのり野焼きか焚火の匂い。そんな空気の匂いにも深まる秋を感じます。 クリニックは通常外来とインフルエンザワクチン接種が粛々と行われている状況。ワクチンも心なしか、昨年より出足が鈍い印象…。「コロナオミクロンワクチンとどちらを先にしようか迷っているのかな?」なんていう予約担当の声も聞かれるけれど、とにかくそろそろインフルエンザワクチンはうち時。ちほクリニックは十分ありますので当日も空いていれば接種可能です。 さらに、今週は府中市は4回目接種から3か月経過した方には、5回目の接種券が届く予定。最終接種から3か月で次の接種が可能になり、11月からオミクロンBA5対応のワクチンになるから、そちらの問い合わせは増えるかもしれませんね…。 でも、外来にいらっしゃる皆さんの声からは「ワクチン疲れ」に陥っている感も否めませんよね。だって5回目…なんてまともにやっている国もそんなにないのでは?それに、いつのまにか、何の検証があったのかもわからないなか、3か月間隔の御達示が上から下りてきて… 正直、こちらの頭も混乱しつつある中、言えることは、「毎年打ってうるかたは、インフルエンザワクチンをそろそろ接種時期。さらに、最終接種から半年経過している方は、抗体の低下も起きている可能性もあるから、次のコロナワクチンを(副反応が堪えがたく強かった人には無理強いはしませんが)。」ということでしょうか。
さて、今日の話題は最近コンビニやスイーツ店で「ビスタチオ」製品、目にするな…からのヒント。地味に流行ってるみたいですね。ビスタチオや枝豆…手軽なおつまみ、子供のおやつにも甘いものより良さそう…と食す機会も多いかも。同じ黄緑でも、うっかりこれらと同様にバカスカ頬張るのはちと、怖い、これからの季節に備えて旬?の「銀杏中毒」について。 昔は知恵袋的なおばあちゃんとかが、煎った銀杏を前に「食べすぎたらいかんよ」なんて教えてくれたものだけど、今のご時世、核家族となり、知ってる大人も少ないんじゃないかな? なんて思ったもので。
銀杏に含まれる「4-O-メチルピリドキシン」が、体にとって必要な「ビタミンB6」と構造が似ている。体内で誤認識されて代謝されてしまうと、体内はビタミンB6が枯渇する。ビタミンB6は脳の興奮を抑えるのに必要なGAVAという物質が作られる際に働くものだから、ビタミンB6不足で脳の興奮が抑え切れなくなり、、「けいれん」を主にめまい、吐き気、下痢症なんかもおきる。症状は食べて1時間から半日くらいでおきる。治療はビタミンB6の補充だけど、救急に運ばれても、症状が他の薬物中毒症状にも似ているし、「4-O-メチルピリドキシン」自体を測定するにも時間がかかる。搬送された時の状況や、家族など周りの話が重要となってくる。痙攣の状況により、死にも至りかねない、知っとくべき中毒。 栄養状態の悪い(大酒家で偏食気味など)とか、大人より子供の方が起こしやすいから要注意なんです。というのも、成人は40個以上(これは、ばか食いでもしなけりゃ食べない量ですよね?)子供は7個以上で起こすことがあるとのこと。 意外に7個なんて、ビスタチオや枝豆感覚でポイポイ口に入れてしまう数でしょう? お父さんの晩酌のあてにテーブルにだしていたら、子供も一緒になって食べていて、いつのまにかいっぱい食べちゃってた…なんて。 適量は成人は10粒、子供は5粒くらいまで、とのことでした。 もちろん、ビタミンCなど銀杏自体にも栄養あるし、茶わん蒸しには存在感示す食材。ここで味わうには全く問題なしですからね! 秋も深まるこれからの季節、銀杏も口にすることもあるでしょう。 今日はビスタチオのチョコやプリンを見ていて、何となく銀杏がお題にうかび話題にしてみました。