インフルエンザワクチン
気候が定まらない今シーズン秋只中。宮崎から祝日月曜に戻って、どっと疲れが出るかと思いきや、意外にもすっきりした気分で過ごせた一週間だった。色々多忙だった9月から抜け出せたから?インフルエンザ予防接種も始まっているけど、バタバタした多忙さはなかったこの一週間だった。
そうそう、先週の日曜日は宮崎のホテルでひとり、blog更新。一緒だった父は再会した姉のくらす家にお邪魔して一泊。父自身が自分の育った土地に寝泊りしたのは成人して以来、はじめてだったとか。70年以上ぶりということか…たった一泊でも、懐かしい姉や親族との触れ合いがことのほか嬉しかったようだ。父の姉も想いは同じ、まさか元気にサブライズの如く再会して長い時間を弟と共有できるとは思ってもいなかったようで、日曜日、私がその叔母に再会するなり、「今日、まさちゃんはここに一晩、おっていいんじゃろ?」って懇願とニコニコの混じった笑顔を向けてくれていた。そんなわけで月曜の午前中はジジ抜きで、青島海岸やら海沿いを、まだ祖父母が健在で毎年夏に宮崎ですごした時の思い出の場所を巡り、午後、空港で父や見送りに来てくれた親族と合流。95歳の叔母も杖を付きながら送ってきてくれた。叔母の世話をしているいとこ嫁さんの話では、叔母は弟が来るからと、出迎えにはこの服、空港へはこの服…普段のデイサービスなんかではおおよそ服装なんて気にもとめないのに、まさとしおじさんがくるからって、それはそれは楽しみにしていたんですよ…なんて語ってくれた。そんな叔母が最後、出発ロビーの見送りができるぎりぎりまで歩いてきて、いつまでも荷物検査で弟の姿が見えなくなるまで、私が振り返る度、他の親族と共にじーっと見送ってくれたときは、言葉にはできない、何ともあついものがこみあげてきた。わかっているけど、これ以上口には出せない。ただただ「お互い元気なうちに、こういう形で会わせてよかった…」
さて、今日のblogの本題。今年もインフルエンザワクチン接種の季節がやってきました。「マスク効果か、二年連続のインフルエンザ罹患増加は認めなかったから、今年はさすがに流行?」「コロナの弟8波との同時流行?」「季節が逆の南半球では日本の夏の時期にインフルエンザ患者さんが増えていた…」など、色々な情報は見受けられ、希望者殺到するかと思いきや、少なくともわがクリニックは、出だし遅しの今シーズンです。今年から、65歳以上の人は無料なのに思ったほどの問い合わせもないみたい。もっとも、5ヶ月くらい効果発揮するから、オススメ接種時期は10月末くらいから11月中旬。これからかな? 今さらかもしれませんが、「インフルエンザワクチンにちなむ患者さんからのあるある質問」 について。
★去年接種したから今年はやらなくて大丈夫?マスクしていれば防げるし… 稀ではあるけどこういう質問も。 ワクチンはその年に流行しそうなWHOの推奨株を参考に日本国内での流行株の解析を踏まえたうえでインフルエンザA型2種、インフルエンザB型2種のウイルス株を含む4価ワクチンとして毎年製造株が変わってます。今年は昨年と、AもBも一種類は同じだけど、もうひとつは違う株。近年のインフルエンザ流行はA、B両方なので、ワクチン自体も2015年シーズンからわが国では4価となってます。不活化ワクチンとしての効果は5ヶ月くらい。昨年接種していても抗体価は落ちている点からも、接種が好ましいです。
★コロナワクチンと同時接種は可能らしいけど?両方打つなら間隔はどのくらい? 確かに同時接種は可能と言われていますが、ここから先は私見ですが私だったら副反応がでたときにどちらだかわからないので間隔をあけます。具体的には二週間くらい。私がお薦めでblogでも紹介した「帯状疱疹ワクチン」もコロナワクチンとの接種間隔は二週間と言われているから。また、今までコロナワクチンの副反応の状況を当初から観察していると、大抵の副反応は接種後、遅くても10日前後で回復したケースが多いから。 そんな説明を患者さんに聞かれた時はしています。
★コロナを含めて、ウイルス性疾患罹患後、インフルエンザ予防接種はいつ打てる? (これについては、アステラス製薬から頂いたインフルエンザワクチンQ&A2022年度版参考にしました)「罹患した疾患の種類により、免疫機能低下や続発疾患罹患の可能性がある場合は2~4週間(麻疹の場合は4週間)を目安とした間隔をおく」となっている。つまり、麻疹、そのほかの感染症で重症だったときは、治癒後4週、中等症で2週間くらい、コロナも含めて無症状ウイルス保有者は2週間くらいが適切とのこと。また、一度インフルエンザになっても、別の型に罹患することもあるため、罹患後2週間くらいしたら接種が好ましいです。
★潜伏期かもしれないときのワクチン接種は? 副反応が増強したり、ワクチン効果が減少することはないです。コロナの濃厚接触者含め、実際に発病するかわからない状況でせっかくの接種時期を逃してしまうことの方がデメリット。
★免疫抑制剤や抗癌剤服用中は? インフルエンザワクチンは不活化ワクチンなので、接種後にインフルエンザに罹患することはない。むしろ、その逆で免疫抑制剤服用下においては、ワクチン接種での免疫獲得が減少することがある。接種効果が弱まることはあっても、ウイルスが活性化されることはないので、患者さんと相談して決めるべき。
ざっとこんな感じです。最後に先週の旅の思い出の写真を。