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牡蠣の食中毒?被害者は牡蠣

[2022.11.20]

街路樹の銀杏が色づいて…銀杏は「黄葉」って言うのですね。

今日はワクチンや外来でてんてこ舞い。数ヶ月で1番多忙な日曜だった。電話もすべては取れず。  でも、困るのは、またまた、第七波と変わらないような電話問い合わせの発熱患者さん。「小学生以下、65歳以上、妊婦」以外は、基本、自分で都のホームページからキットを取り寄せて、登録は自分でやる…といった、8月くらいから、医療崩壊を避けるために国や自治体が定めたルールがいまだにほとんど浸透してないこと!診察の対象にはならないこと、こうした都のルールを知らない人には電話ごと、長々教えて対応しなければならない。これじゃ急性の診察依頼の患者さんがいたとしても電話は繋がらない… この悪循環は前回の七波と全く変わり無し。もっとテレビコマーシャルやネットの一面とかに張り出して自治体や国も、ほんとに医療崩壊を避けたいなら、大々的に広告すべき!決めただけじゃなくて、人々に知らしめるとこまでしなくちゃ、決めたルールも宝の持ち腐れ。いったいなにやってんだよ~と、怒り心頭! 小さな声でも、明日、都の衛生局の担当部署と発熱センターには電話して現場の状況、叫ぶつもり。私みたいな医師の声が他からもあがれば、すこしは変わるかも。インフルエンザとの同時流行心配するなら、まずコロナは自分で否定して、それで熱があるなら医療機関問い合わせ…そういう流れを周知させないと、また、末端に位置する町の小さなクリニックは機能不全に陥ること間違いなし。 今日つくづく感じた。とある患者さんは、密をさけるべく、ワクチン接種が終わるまで待つようにと言っても、勝手に入って来ちゃうし… 第八波到来と共にまた、「人間なんて、ららら ららら らーら」むかーし、昔、レトロ昭和時代のテレビコマーシャルが頭の中をくるくる回るのかしら…

午後、慌てて出かけた声楽レッスン、歌うことに集中したせいか、くさくさした気持ち、すこしおさまり。イタリアに行きたいよ~逃げてしまいたいよ~と言ってるわけにもいかず、きちんとblogの更新を。  今日は先々週の「柿」に続けて今度は「牡蠣」のはなしを。よく「R」のつく月は牡蠣のシーズンなんていいますよね。「November」今の時期、11月もまさに。第八波のことも頭を過ぎる中、早めの忘年会…なんて声も聞こえて来るから、「食中毒」と「可哀相な牡蠣」の豆知識。

データでは5人に一人がカキに当たったことがあるとでるほど経験者は多い食中毒(アレルギーのこともあり)。原因はノロウイルスに因るけど、厚労省の2017年~21年データによる食中毒原因でも1位アニサキス、2位キャンピロバクター、3位ノロウイルス、4位食物自然毒と、上位にランク。そもそも牡蠣には「生食用」「加熱用」 とある。なぜ他の二枚貝と違い牡蠣だけ?と思われる方もいらっしゃるかもしれないから、その説明ね。牡蠣をはじめとした二枚貝は体内に中腸腺というのがあり、1日に200~400リットルもの海水を入出させて栄養をとりいれたり呼吸をしている。秋には海水にプランクトンが豊富になるから牡蠣も美味しくなるわけ。と、同時に海水からのノロウイルスを体内にためこんでしまうことにもなる。他の二枚貝も同じだけど、そもそもアサリもしじみも加熱することがほとんどだから食中毒の原因にならなかたり、ホタテは中腸腺を除去した貝柱を刺身にするから食中毒の原因にならない。生で食べられるよう、「生食用牡蠣」は、保健所の指定の海域で水温5度以上、2~5日以上つけて浄化、大腸菌など生菌数がクリア(ノロウイルスの汚染指標はない)で、生産から消費までの管理が求められている。(加熱用の方が栄養豊富な海域で育っている可能性あり、旨味や栄養豊富かも…)加熱用は新鮮でも、上記条件クリアじゃないからあくまで加熱。また、冷凍してあるのも加熱して食べるのが原則です。 それでも食中毒が発生してしまうのは、ノロウイルス自体が感染力が強いから10~100くらいの少ないウイルス量でも摂取すれば発症するし、ご存知のとおり、感染力も非常に強い。加熱用を食べたにしても、フライの中まで火が通ってなかったり…なんてこともあるからね…。 牡蠣、ノロウイルスの食中毒は他の食中毒同様半日~2日くらいしての下痢や嘔吐。生来健康な人なら、対処療法で良くなるし、よほど全身状態悪くなければ死に至ることはないです。 なお、余談ですが食べて1時間とか、短時間で症状が出るときは、牡蠣のアレルギーの可能性あり、これは食中毒とは違うから、発症までの時間が食中毒との鑑別になります。

ここからは、「可哀相な牡蠣」のはなしを。というのも、実際、ノロウイルス感染者の内訳で牡蠣摂取が原因なのは10%程度とのこと。ノロウイルスは唯一、人間の腸内でしか増殖しなくて、牡蠣の体内で増殖することなんていっさいなし。人間の吐瀉物などが下水処理が不十分だと川水、海水にまで至ってしまい、海に生きる生物が汚染となる。 つまり、牡蠣の汚染源は元を糾せば人間の腸で増殖したノロウイルスに他ならないということ。 つい、私なんかも急性の消化器症状で来院の患者さんには「牡蠣の摂取は?」と聞いてしまい、牡蠣が原因となったときは、なんだか牡蠣が悪者みたいになってしまうけど、こうした自然界の食物連鎖を考えると、「何も知らない牡蠣も気の毒…」って思ったりしてしまいます。  そんなノロウイルス感染…90%はヒトヒト感染なわけだから、手荒いや消毒(アルコールは意味無し。次亜塩素酸ね)特に人が触れるドアノブなど。あと、牡蠣を食べるときの調理、調理器具には十分きをつけること。こうして感染を防ぐことで人間同士の感染防止、そして余分な汚水で牡蠣を被害者にしないようにしてあげなきゃね…

 

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