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休診日のお騒がせ

[2019.07.09]

今朝ちょっとした事件があった。

勤務先に父から電話。

「クリニックの警備を解除して中に入るのに必要なチップを落としてしまって。探しているうちに警報機がなってしまった。解除の仕方も

わからないし、さっきからすごいサイレン鳴ってて何とかしてくれよ」と。

父はクリニックの庭の手入れをいつもしてくれているのだが、ここのところ雨続き。

「お客様を前に雑草ばかりじゃ・・」と今朝、曇り空なのを確認して一人、草むしりのため、クリニックに赴いていたのだった。

昨晩何度もシミュレーションして、警備の解除の仕方を練習したにかかわらず、どこぞにチップを落とした時のことまでは話していなかった。

おろおろ探しているうちにけたたましい音で鳴り響くサイレンに父も驚き、半ばパニックになっているのは電話口の声からも容易に察する。

父にはクリニックに書いてある警備会社の連絡先の在処を伝えたが、あの調子じゃそれもできるかどうか…

うまい具合に警備会社から数分前に着歴あり。詳細を話し「父が警備の解除の仕方がわからず音におびえているから早くいってほしい」とお願いした。

大手の警備会社なので、こういう準緊急の時にもすぐに駆け付けてくれると思いきや・・

すでに勤務先で既に仕事を開始している私のもとに父から何度も何度も「まだ来ない・・」「もう一度連絡して・・」

憔悴しきり。電話の向こうではけたたましい警備音が鳴っている。そこらに落としてなくした解除用のチップを探してかざすだけなのだから、その旨伝えても「懐中電灯ないのかな?」ですって!

「そこにスイッチがあるのだから電気つければいいじゃない!停電になった訳じゃないんだから!」(電気つけることも忘れるくらいパニック・・87歳ともなると、こういう時うろたえて子供がえりとなってしまうのか・・とっさの出来事に対応できないのは、昨今の自動車急発進事故やおれおれ詐欺でもなるほどの話だが・・)

とにかく警報の音にすっかりかたまっている。

私も仕事の合間にもう一度警備会社へ電話する。「今向かってます・・」

最終的には20分後に到着だったようだ。

その後、到着した係の人が解除してくれて落としたチップもスリッパの中にみつけてそこは一件落着。

…ところが私の腹の虫はおさまらない。

「泥棒や不法侵入者以外じゃ現場に駆け付けるのにこんなに時間がかかるわけ?じゃ、ほんとの事件の時のSOSはどうなるの?父がパニックになっているのだって準緊急性のはず。

こういう時こそリトマス試験紙・・20分もかかったんじゃ人殺せてお金だって持って行けちゃうよね?」

消費者の立場からすると、緊急の時の対応がこんなんで大丈夫?となるでしょう?

「緊急」は起きたときが初めて経験となるのだから・・

おまけに、良かれと思って、クリニックを気にして勇んでやってきた父を困り果てさせたことが、なんとも切ない。

幸いにも勤務先で患者待ち時間があったから警備会社の担当に電話した。

「顧客が必要があって早く現場に行ってくれと頼んでいるのに20分もかかるようでは、ほんとに緊急の時大丈夫なのか?

0120の電話案内では自動音声だから必要な要件がすぐにしかるべき人と話せないことも問題。少なくとも契約している私が安心できる体制か教えてほしい」

営業担当者からの回答は・・「現場近くに出動者がいないとすぐにいけない」とか「たまたま出動が二つ重なっていた・・」とか。

とてもとてもこちらが安心して任せられる状況ではなさそうだ。

「こちらがわかるように対応をしっかり説明してほしい。近くに出張所があるから5分で来ることも可能って言ってたのに!」私は一人で仕事していることもあるので、今後こんなんじゃ不安だ。話しているうちにすっかり私の怒りの発火点に火がついた。

その後、しかるべき人が今回の状況を確認した上で、警備会社の出動の仕方にもいくつかあることや、「5分で駆けつける」というのはいささかの営業トークを私が真に受けていたこと、そしてこちらから不測の状態のSOSがあったときの対応は警察ともと連動しているから大丈夫であることなど説明を受け、私もようやく納得した。

勤務医で好きな仕事だけしていられるのって、ある意味気楽。

クリニックというひとつの箱を持つと、離れていても今日みたいなことが起きたり、患者さんの診察以外の、こうした箱の中の仕組みの一つ一つを理解していなければならない。

今日、私は若干クレームおばさん的になってしまったが、それでも本当に知りたい、不足の状況の時の警備会社の対応も確認できたのでかえって良かったかも…

そしてもう一つ、お年寄りはパニクると、こんなんなんだ…よくわかった。

私が仕事していることも忘れて電話かけまくり、挙げ句の果てには電気つけりゃ良いものを、懐中電灯なんて叫んでる始末…

クリニックにも年輩の方はたくさんいらっしゃるけど、相手が慌てているとき「大丈夫よ」ってまず、一呼吸おいてあげないと。

色々学んだ一日でした。

さっき天気予報みたら明日は晴れマーク? そろそろお日様、恋しいですね。

今日は寒かったって?私は暑かったよ、とっても。

 

 

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