嬉しい一幕
土曜と日曜日は本当に読めません!
昨日なんかは暇すぎて受け付けさんとエアコンのフィルター掃除始めちゃったりして。
綺麗好きの私たちは手が空けば何かしら動いてる…。
かと思いきや今日は「待たせちゃってごめんなさい」の連呼。
先週の土日は逆だったからホントわからない。土日に関しては天気も関係ないみたいだから、とにかく開けとかないと…
今日は最近あった、診察のなかで嬉しいできごとを。
私は消化器を中心とした内科診療を中心にしているが(ご存じの方も多くいらっしゃるけど)漢方も
診療にとり入れている。
開業したのが昨年秋からだったからか「冷え性を何とかしてほしい」と訪れる患者さんが多かった。
西洋薬で身体を暖めるものはないし、それどころか女性が手を出しがちな「鎮痛剤」に至ってはかえって体を冷やしてしまう。
漢方には身体を暖める作用のものがいくつかある。なのでその患者さんの体質や、冷え以外の他の症状はないかしら?などと探りながら、患者さんとはなしながら処方を決めていく。
とある患者さんへは、正攻法で「漢方の冷え性の薬」、有名な、一番長い名前の代物を処方して2週間ほど経過を見ていただいた。
2週間後ニコニコして「身体が何となくじんわり暖かくなった気がする…」と診察室にいらっしゃるなり一言。
漢方だって副作用はあるし「あんまり効ないみたい」とかネガティブな反応を浴びることだってあるから、先ずはこの一声に「ほっ」胸をなで下ろす。「良かったですね」
その先が驚きの連続。「先生ね、私も驚いたんだけど、夜の睡眠薬が要らなくなったの。布団に入って湯たんぽとかしても暖まらなくて眠れないと、飲んでいたんだけど、最近湯たんぽなくてもじんわり暖かいから寝ちゃってるみたい。それに朝も台所でヒーター使わなくなって…」と。
にこにこして語る患者さんの話にすっかり嬉しくなってしまった。
「最近少し暖かくなってきたからそのせいもあるのでは?」と思う節もあるけれど、
睡剤の長期投与が問題になっている昨今の状況からすれば、この初老のご婦人の言葉はうれしい限り。
身体を外からではなく内側から暖めることが睡眠にも功を奏したことは、私の臨床経験にはなかったのでおどろきだった。
「漢方処方は鍵と鍵穴」とか「山登りの頂上へ行くルートは何通りも。必ず頂上に行き着くから…」数ある漢方処方を1つないしは2種類くらいは合方で。でもどういう割合?…なんてやりながら、やっと合う、鍵なり頂上が見えてくる。
それが普通。でもこの方の場合は当にシンデレラのガラスの靴処方だったのでしょうね!
胃潰瘍を見つけて抗潰瘍薬を出して、インフルエンザで薬を出して、どんな形でも患者さんがよい方向に向かえばそれでよいのだけど、当たり前以外によいことが起きると、ホントこちらも嬉しくなる。
だから漢方はやめられない!まだまだ先輩先生方の口訣を自らの肥やしにすべく勉強続けなくては!