検診異常~尿潜血~
今年一番の寒波到来とか。道理で…今日の日曜診療終えての帰宅。とにかく風が強くて、強くて。向かい風だったせいか、学生時代を過ごした群馬のからっ風を思い出してしまいました。もっとも東京ですら、こうなんだから、今日の前橋あたりじゃ、畑の真ん中に軽自動車が横転しているかも…。
今年最後の日曜診療…ワクチン接種や外来診療に…盛り沢山に加えて朝から発熱の問い合わせ。相変わらず、「基礎疾患のない、妊婦でもない65歳以下は、自分で調べて、陽性なら自己登録」の都の方針は行き届いていないようで、電話の鳴り方は第七波とかわらず。数週間前に都庁の広報や発熱センターに対策講じるようにお願いしたんだけど何の変化もなし。限られた発熱枠で診察した中で、今シーズン初めてのインフルエンザが今日、出ました。「会っていた友人が発熱して調べたらインフルエンザだった」という発熱患者さん。来ていただいて調べたら、コロナ陰性でインフルエンザAが陽性。久しぶりにみた検査キッドの2本線。昨年も一昨年シーズンも、うちはインフルエンザ0件だったからやはり今年は、爆発的とはならないまでも、インフルエンザある程度は流行しそうな気配を感じた。これから年末…人の行き来も激しくここまで寒けりゃ換気も怠りがち… 今からでもインフルエンザワクチンうちそびれている人はやっておいた方がよいのではないかしら? ちょっと気になって、東京都の感染状況をしらべたら、先週の定点当たりの発生状況は0.5(前年の同時期は0。その前の週は0.26)集団発生を疑う事例は都内で5件の報告とのこと。 ふーん、驚くほどの罹患上昇傾向ではなさそうだけど、「コロナ感染は何となくもはや誰がかかってもおかしくないレベル」変貌しつつある中、「インフルエンザは昨年一昨年とは違うな」 という認識は持つ必要があるのかもしれませんね。
ここのところ、健康診断異常相談で「尿鮮血でひっかかった」と、結果表持参で来院される女性の患者さんが数人おられました。尿鮮血は「肉眼で見てわかる肉眼的血尿」とはちがって、普段の排尿ではきずかれにくく、また症状がなければ放置してしまうことも多いかと思います。尿鮮血は年齢とともにひっかかることが多くなり、女性の方が男性よりも陽性になる方が多いとのこと。(男性検診受診者の3%にたいして女性は12%)来られた方達は「毎年2+、3+で指摘されていてさすがに気になって。泌尿器科はより、まず内科に来てみた」 という来院。泌尿器科はどうしても男性、しかも高齢男性の患者さんのイメージがつよく女性にはちと敷居がたかいのはなんとなくわかる。 実際、尿路系の悪性腫瘍膀胱がんにしろ腎臓がんにいたっても男性の罹患が多いから。クリニックに来院された場合、潜血とあわせて尿蛋白も指摘されていると、この場合「腎臓」に原因があることもあり、Ig A腎症、遺伝性疾患の可能性もあり「血圧は?」「糖尿は?」「家族歴?」そういった確認が必要になることがでてきます。 「尿潜血」だけだと、女性の場合多いのが、「頻回な膀胱炎の既往」がある方や、「尿路系の結石」が多いのだけど、膀胱炎を繰り返すこと自体、尿路に問題がないか、或は婦人科悪性腫瘍が尿路を巻き込むこともあるから腹部エコーかCTによる検索、尿に鮮潜血のみならず、悪性細胞が剥がれ落ちて来ていないかの検索のための「細胞診」などは一般内科のクリニックでも行えるので、尿沈査(尿を顕微鏡で詳しく見る)を含めた一般尿再検査とともに行っています。2次検査で原因が特定されるケースは30~40%程度とのことですが、クリニックでもこう言った一連検査で「今回は異常なし」か、「結石が見つかる」で 悪性疾患が尿潜血から見つかったケースは今のところありません。(便潜血陽性とは偉い違いね)ただ、他のクリニックの症例報告などを聞いていると、女性でも悪性腫瘍はゼロではないので、やはり、検診で2+、3+ならいちどは2次検査を受けておいた方がよいのではないでしょうか? もっとも検査以前に、薬剤(さらさら系の)や、時にサプリ等でも反応したりすることもあるので検査の前の問診は大切で、ここは医師が怠ってはならない作業ですけど。
さて、日曜恒例blog更新は今日が最後かな? 最後はおそらく大晦日。たまたま今日は尿についての内容だったけど私は消化器内科のせいか、やはり便やガス、お腹絡みのblog内容が多かったみたい。(そのせいかわかりませんが)21日水曜日のeテレ 19時25分からちほクリニックが出るみたいです。一瞬?