今年も富士山チャレンジマラソン
つい3日前、4月21日、ここ数年のマイブーム、富士山チャレンジマラソン走ってきました。
ウルトラマラソンにはまりだしたのが7,8年前、100キロの旅のようなマラソン、記録より完走、ただひたすら走る!これがマイペースな私つぼにはまった。
数ある大会の中でもこの富士山チャレンジマラソン、スタートの富士北麓公園から一筆書きで3湖を走る71キロ、4湖を走る100キロ、そして5湖を走る118キロ、3つのチャレンジがある大会。
「そりゃあやっぱり5湖全て走りぬけたい!」100キロ完走はわかっているから、その先は自己更新記録作りでもいいや!なーんて参加し始めて今年で5回目。1回成功するともう一度。リピートしたくなる特別な大会。朝4時の真っ暗な富士の麓をスタートし、空が白み始める頃山中湖畔へ。ちらりと横を見れば朝靄に包まれながら雄大な姿で大きく構える富士山。この先何時間かかるかわからないレースの間じゅう、旅のお供となってくれる。その先河口湖、西湖、精進湖、そして118キロのチャレンジにしかコースにはない本栖湖まで走り戻ってくるレース。惚れ惚れするような美しい富士をみながらのコース。カップルにも、家族にも、外人にもうけること間違いないような贅沢なコース展開。この美しいコースを1回完走したら今度は「これができるうちはまだ大丈夫!」みたいな自分の根性試しのようになってしまい、今回5回目エントリー。
実は参加の直前まで行くのを迷っていた。体調もここのところよくないし、無茶すると明日の仕事に響く。
でも、このままキャンセルすれば恐らく明日のスタートの4時、パチリと眼がさめて悶々としてしまうにちがいない。
「よし、とりあえずスタート地点に立って、その先は出たとこ勝負!」そう考えてむかった。
前泊宿はいつものおきまりホテル。こじんまりとしていて朝4時のスタートにあわせて会場まで送ってくださる厚遇。
こういうありがたい協力もあり4時スタート!気温5度。
迷いもなくスタートを切った。
「あれ?思いの外調子いい」
快調な走り出し。やはり思いきって挑戦はよかった!
やがて夜が空け始めて眼にした富士の雄姿もいつも通りきらきら光っている。
朝早くからの声援にも軽く会釈。
過去4回も走ればだいたいの高低も把握している。40キロ前のじみーな登りもいつもり負担にならず。
40キロ地点までのラップは意外なほどの好成績。あれ?ここのところの絶不調はメンタルだったお?
ながーい坂を下り河口湖、西湖、精進湖畔はぐるり一周…段々いつも通りの疲労が。
50キロすぎると2 .5キロ毎の刻みが徐々に長く感じる。「これもいつものこと?」
いえいえ、なんか違う。
精進湖ぐるりで70キロ、その後のコースは例の青木ヶ原樹海を横目で見ながら、本栖湖1周して戻るコースは118キロ走者のみしか走らない静かなコース。つらさを感じながらもその美しい湖畔や富士山に心洗われる場面だ。ここに来たいがために、何度もエントリーしているといっても過言ではない。バスのみしか来られない不便さもあり。
ところが今年は…段々足が重く、おまけにムカムカしてきたのだ!ムカムカははじめてのこと。
途中、嘔吐している走者も何人か。「私も熱中症?」
ペースダウンしてきて体の不安を感じながらのランがこの先40キロ続くこととなった。
今振り返れば、この時点はまだ序章にすぎない苦しさだった。
最も動揺したのは、「このまま戻れるかな?」と不安を感じた、ゴールまでもっとも遠くはなれた本栖湖の中継所で、どうみても私より余力を持ってすーっと抜かして前を走った走者が2人も続けて「リタイアします」とコースからはずれたとき。「こんな状態でレースは身体に危険?」「身の程知らず?」これから踏み出してはいけないような恐怖を感じた。
昼からは暑さで気分も益々不快。光の強さが今日は堪える。固形物はおろかエイドでのコーラもスポーツドリンクも口の中がべたべたするから飲めない。ただただ水のみ。
「リタイア」「ここでやめたら一生後悔」この二つのことしか頭に浮かばず。
「関門で通過できずにバスに収容されるまで」とか100キロまでは…と歩くに等しい歩幅で前へ。
ようやく100キロ超えたものの過去に味わったことのない疲労度と気分不快。
「リタイアする?」「1キロで止めても100キロでやめても118キロの完走証を手にできないのはどちらも同じ」「一生後悔。118キロ今回で最後にするなら今日のここまでの努力はリタイアすればすべてチャラ??」
止めようか、進もうか…
進むといってもほぼ歩くのみ。走ろうとして手を振り動かしても足が走るようには動かせなくてもはや「エアーラン」状態。
最後の最後は根性と気力のみでゴールはできた。
結果はベストよりもだいぶ落ちてのゴール。バカみたいに前半とばしすぎたのと熱中症が敗因。
帰りのバスでも気分不快は続き…嘔気をこらえながらのつらいつらい帰宅となってしまった。
ゴールはできたもののいささか年齢の限界も感じ…。
終わってしまえば「心地よい達成感」はいつもの如く1週間は持続する。
しかし今回ばかりは「もう年ねえ」と感じざるを得ず。ならばそれなりに走り方も研究しなきゃ!
気分任せや根性任せじゃ体も悲鳴を上げる…
やってみて学習する私のいつものパターン。
帰ったら長生きのお父上からは「程々にね。おとうちゃまをみならって御身大切の生き方を」と
お説教までいただいてしまいました。
そして何よりの今回の衝撃は…
「お母さん頑張って」どうみても私へ投げかけられた言葉。
前半のまだまだ元気な頃。
見知らぬ方からの声援はうれしい。でも…
赤いキャップでサングラス、颯爽と本人は走ってるつもりでも…お母さん!かぁ…
あはは な一幕。