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夏場に多い食中毒~その②~

[2021.07.11]

豪雨、減らない感染者と緊急事態宣言…OTANIさーんのアメイジング!だけが心に爽やかな風を送り込んでくれる明るいニュース。なんともどんよりした一週間…  クリニックへの発熱問い合わせがやけに多くて、受付共々てんてこ舞い。「どうしちゃったんだろう…?」 訳がわからず、この日深夜になってから新規感染者数が900人を超えたことを知った水曜日… いつもそうだけど、都の感染状態が如実にクリニックへの問い合わせ件数に影響する。こんな小さなクリニックなのにね。この問い合わせ状況からすれば、過去の経験からも緊急事態宣言は免れない選択だったのだろう。一方で4度目、おおかみ少年よろしく、普通の感覚なら、「またか…」となる。人出の状況や帰宅途中の最寄り駅界隈の飲食店の状況からすれば、宣言出したとて、感染者は増加するのだろうな…ワクチン接種が粛々と浸透して、何となく集団免疫ができて…このあともいくつかの波を越えながら落ち着くとこに落ち着いて行くのだろう。

こういう時代の社会で生活しているのだから、自分のできる仕事を着実に…そう思って、「予約制」で、常連患者さんの手間や協力も得ながら、小さなクリニックながらも一般診療のほか、発熱患者さんも診察できてきた。「ワクチン接種だってできるのに」 そう思っても市の方針やらなんとかで叶うことできなかったことも、やっと来週から協力できるようになった。私の市長への陳述書が効を奏したわけではなく、自然な流れで、本日の市報に協力医療機関として登録されているはず。水曜日の12時~13時で予約受付開始します。でも、ワクチン足りるのかしら?よその自治体は一旦予約中止しているとの報道。どうも逆行している感があり心配になって先週、確実に予約分の供給はあるのか、予約受付て大丈夫か、市のに問い合わせた。「大丈夫かです」とのことでした。

そして今日も食中毒の続編。「黄色ぶどう球菌」これもよく見かけます。黄色ブドウ球菌は人間の手指や鼻腔に多く付着していて、例えば手指に傷がある人が握ったおにぎりや手作りのお弁当を食べた後に発症することがあります。黄色ブドウ球菌は毒素型(先週のblog参照)で1時間~半日くらいの間に症状が出るので、有りがちなのが、昼食後に、急に気分が悪くなり午後の外来に駆け込むというパターン。そういえば先日もいらっしゃいましたっけ。発熱はなくて、とにかく吐き気が強い。下痢腹痛もあるときもありますが、すべて吐ききると回復も早いのが特徴。 黄色ブドウ球菌の産生するエンテロトキシンは耐熱性が強くて加熱しても意味はない。調理する人が良く手を洗うとか、傷がある場合は調理の際に手袋するとか、工夫した対策が予防になります。

今日はついでに感染性が強く重症化すると怖い、毒素型の病原性大腸菌について。時々ニュースにもなる、腸管出血性大腸菌=O157ときけば「ああ」と思い出す方もいらっしゃるでしょう。大腸菌は人間の体内にも存在してますが、その大腸菌の一部に病原性をもっているものがあり、これが「病原性大腸菌」。家畜やなど動物の腸内に存在していて、菌の産生する「ベロ毒素」が激しい症状を起こす原因となっています。腸管出血性大腸菌の感染ルートとしてわかっているものには、牛肉、レバ刺しやハンバーグをはじめ、以前ニュースになった、カイワレ大根やキャベツなど。野菜が原因となるのは、放牧されている動物の糞によって土壌が汚染されたという間接的な影響によるものです。症状は、3~5日の潜伏期のあとに血便などを引き起こし重症化することがあります。この場合は早めの医療機関受診を。10%くらいの人にその後溶血性尿毒症をおこすこともあるので。人から人へは吐瀉物の処理などを介して感染もあるので、手荒いの徹底が予防になります。

次回は当たり前かもしれないけど、予防や対策、先日のキャンピロのときにも書きましたが、そのことに触れますね。

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