大腸内視鏡検査と便鮮血検査
やっと春を感じるようきになってきたみたい。今年は梅も今が見頃? まだひんやりした朝の空気にふんわり優しい香を感じ、ふと目を向けると静かに小さな白い花々が咲き乱れ… 暖冬だと2月の光景だから、あと2週間で桜の開花と言うのなら、季節は足早に巡って来るのでしょう。発熱患者さんの問い合わせも良い案配に減り傾向。 他の医療機関は休診の多い日曜日の今日も、発熱患者さんからの受診希望はめっきり減り、せいぜい「参った~」と早急の投薬希望の花粉症患者さんからの電話。 おかげでワクチン接種に精も出ました。皆さん薄着でいらっしゃるからさくさく仕事も進む…陽気のおかげはこんなところにも。 日本国内では、季節も時世もやっと一息? 一方世界に目を向けると、気になるウクライナ情勢。 最近、普通にニュースを知る感覚でテレビを見ることが恐怖で憂鬱で。物心着いてからこんな感覚なかった。どうせ多忙だから1日終わりのニュースすら最近みないことも。おなじこの、タイミングで、戦火に晒されている人がいる…。つい一ヶ月前まで、普通に生活していた市民の生活が、どうして…身勝手な殺人鬼のブーチンに世界中が振り回され、ヒトラーもそうだけど、どうしてああいう権力欲に駆られた人類の出来損ないが国のトップに登り詰めてしまっているのだろう。ロシア内部から崩壊して行くしか終わりはないのかしら? それまでウクライナの被害者が増えるのをただ見ていることしかできないのか? 募金なら協力惜しまないけど、平和が戻らないことには…
さてさて、今日はそろそろ大腸内視鏡検査の宣伝もかねて、2回にわけで本格的にblogにアピールしようと思います。大腸癌は日本女性の癌死亡率1位、男性2位、罹患率は女性2位、男性3位、だけど、早期なら内視鏡治療で完治できて天寿も全うできる…そういう臓器だからこそもっと一般的な知識を広めて、まずは検査自体をすこしでもアクセスしやすいよう提供する側も工夫したいと思って。 「お腹が張る」 「下腹部に触れるものが??」 「便柱が細くなった」「以前より便秘傾向」 「大腸癌の家族歴」 この辺は、大腸癌のサイン。気になる人は「検査を…」 といいたいところだけど、多かれ少なかれこの手の自覚症状は、多くの人が多少なりとも感じることが多い。50歳すぎたら、一度はやってほしいのですが。 なかなかハードル高いのかな? せめて検診の便鮮血検査。皆さんどの程度やってるのか…統計では、日本の男女はこの検診の受診率も偉く低い。男女ともに40%にも届かず、西欧諸国より大きく隔たり、低い状況。検診の便鮮血なんて、便を提出するだけなのに、何故低いんだろう…私にいわせりゃ不思議でならないが、ひとえに啓蒙が行き届いてないのかしら? さらに、もっと悲しいことに便鮮血が陽性でも、ほぼ半数程度の人しか、大腸内視鏡検査を受けていないのが現状。 「どうせ痔でしょう?」「下剤を飲んだり面倒」「検査が痛いのでは?」「多忙で時間が取れない」 理由は想像に難くないけど、検診、精密検査まで至る低さが、上記死亡率上位の理由ならば、この状況なんとかしたいもの。大腸癌の30%以上は便鮮血検査で発見され、その70%が早期で発見されている。進行癌となってからでは、場所によっては人工肛門になってしまったり、抗癌剤…生活にも制約が。「早くに検査してりゃ、こんなにならなかったのに」 大腸内視鏡やりはじめてはや四半世紀、嫌と言うほど、こういった症例経験してるから、もっと啓蒙したい。 便鮮血受けた1000人1人が大腸癌だった…統計上はこんなところですが、実際に便鮮血陽性から、腺腫という、いずれ放置すれば癌になる、前癌病変が見つかることもは、普段検査をやっている身としては、週に一回の大腸バイトでもほぼ毎週見ています。(これらの方は、この後定期的に検査をするだろうからほぼ生涯、大腸癌で命を落とすことはないでしょう) いかに、検診や検査の受診率が低いか、それによる不利益を今日は述べてきたけど、だからこそ、住宅街の片隅でもできるよう、今回大腸内視鏡を立ち上げました。 開業医の大腸クリニックでは普通の工夫ですが、先日のblogのコピペもう一度しておきます。
●検査前に便を排便しないと検査はできません。大腸検査が嫌われる原因の最大の原因はこの点。前処置は避けて通れませんが、すこしでも負担軽くすべく、検査前の前処置は自宅で行ってきていただく(つまりクリニックへは検査がすぐにできる状態で来院) ● お腹に送気されると痛みを感じることもあるので、検査は直前に鎮静剤を使用して、ウトウトくらいの状態で行う。(因みに上部はうちは基本、鎮静剤使用はしてませんが) ●検査中、お腹に送気するガスは通常の空気ではなく炭酸ガスを使用(炭酸ガスの方が空気よりお腹の張りが少なくて済むメリットあり) ●終了後はそのまま検査台で寝ていてOK
次回は…大腸内視鏡に纏わる臨床経験、いくつか報告します。
今日午後、2ヶ月ぶりに歌のレッスン。イタリアの状況を先生に聞いてみた。先生の現地の友人は「ブーチンが怖い」と。コロナよりよっぽど恐れていると。イタリアはEUの一員だからミサイルでも打ち込まれたら…と地続きならではの恐怖を感じているとのこと。日本よりも生々しい映像が流れる、アチラは全て隠さないから…と。 そういえば思い出したけど、以前、スマトラ沖地震の時、起きた時、私はイタリアにいた。現地の報道に恐れおののき、日本に帰国して平穏なお正月で、年末に普通にNHKの紅白も開催されたと聞いてびっくりした覚えがある。そしてイタリアで報道されていたスリランカを初めとした現地の様子が、日本のそれより包み隠さずだったことに、同じ事件も各国報道のリアルさ程度が異なることを学んだ…今回の戦争…まだまだ私が知り得ない不幸が山ほどあるんだ… 大腸の病気に晒されるのも、戦争に晒されるのも同じ一つの命。平和な世界で受けうる医療で天寿が全うできるよう…全ての人類が平等に受けうる権利のはず。